こたつで寝るのは危険｜風邪をひきやすくなる理由や寝落ちを防止する方法を紹介

こたつで温まっているうちに昼寝をしたり、寝落ちしたまま朝になったりする人も少なくないでしょう。こたつで寝ると脱水症状や低温やけど、ヒートショックを引き起こす可能性があるので注意が必要です。

そこで今回は、こたつで寝る危険性を紹介します。こたつでの寝落ちを防止する方法やこたつを使うときの注意点も紹介しているので、身体への影響に不安を抱えている人はぜひ参考にしてみてください。

こたつで寝ることの危険性

こたつで寝ることには、以下のような危険性があります。

• 脱水症状になる
• 睡眠の質が下がる
• 自律神経が乱れる
• 腰痛や肩こりを引き起こす
• 低温やけどにつながる
• ヒートショックを引き起こす

1つずつ詳しく見ていきましょう。

脱水症状になる

こたつの内部は高温になっているので、その状態で寝ると大量の汗が出ることで脱水症状を引き起こす可能性があります。人はベッドで寝ている間にもコップ1杯分の汗をかくといわれており、さらに温かいこたつではより多くの汗をかきやすくなります。脱水症状になると吐き気や目まい、疲労感、脱力感などを引き起こしてしまうので、こたつで寝るのは避けましょう。

睡眠の質が下がる

人は深部体温が下がったタイミングに自然な眠気を感じられるとされています。しかし、こたつで温まっている状態が続くと深部体温が下がりにくくなることで眠りが浅くなる傾向があります。

加えて、狭いこたつの中では適度な寝返りが打ちにくくなることで、血行不良を起こして夜中に目が覚める原因になります。このような理由から、こたつで寝ると身体がしっかり休息できず、日中の強い眠気や疲労感につながってしまうのです。

自律神経が乱れる

こたつで寝ると上半身と下半身の温度差が大きくなることで、体温調整の働きを担う自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると身体のだるさや頭痛、便秘といった身体の不調につながります。自律神経の乱れは、気分の落ち込みやイライラといった精神的な症状を引き起こす原因にもなるので注意が必要です。

腰痛や肩こりを引き起こす

人は適度に寝返りを打つことで身体にかかる圧力を分散し、全身の筋肉や関節を休ませています。

寝返りには血液の循環を促す効果があるため、筋肉が凝り固まるのを防ぐ働きも期待できます。しかし、狭いこたつの中ではスムーズに寝返りが打てず、身体の一部に負担がかかって腰痛や肩こりを引き起こしやすくなるのです。

低温やけどにつながる

約40～50℃で生じるやけどを「低温やけど」といいます。こたつのように長時間にわたって皮膚が温められる環境は低温やけどのリスクを高めてしまいます。

低温やけどは自覚症状が現れにくいので、気付かないうちに重症化することも少なくありません。

特に高齢者は皮膚が薄く、感覚機能が低下している傾向があるので注意しましょう。

ヒートショックを引き起こす

ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が大きく変動することで失神や心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こすことをいいます。冬場の入浴時に引き起こすことが多いとされていますが、こたつも例外ではありません。

こたつで温まったあとに寒いところに行くと、気温変化に対応するために血圧が大きく変動することがあります。ヒートショックによって命を落とす危険性もあるため、こたつで寝るのは避けるようにしましょう。

こたつで寝ると風邪をひくというのは本当？

「こたつで寝ると風邪をひく」といった話に明確な医学的根拠はありません。しかし、こたつで寝ることで脱水症状を引き起こすと、鼻や口の粘膜が乾燥してウイルスが体内に侵入しやすくなり、風邪をひきやすくなるといわれています。

また体温調整が難しくなることで自律神経が乱れ、身体のだるさや疲労感が生じたり免疫力が低下したりするケースも考えられるでしょう。

こたつで寝るのを防ぐ方法

こたつで寝るのを防ぎたい方は、以下の対策を取り入れてみましょう。

• 室温を上げる
• 寝てしまうタイミングを知る
• アラームを付ける
• 眠気を解消する
• 睡眠の質を高める

それぞれ詳しく紹介します。

室温を上げる

こたつで寝てしまうのは、部屋が寒くてこたつから出られないことが原因になっている可能性があります。こたつで寝るのを防ぐためにも、エアコンやヒーターなどを使って部屋を温めるのが効果的です。部屋が温まれば、こたつから出られない状況を防止できるでしょう。

また、部屋を温めてこたつ内の温度と室温の差を小さくすることは、ヒートショックのリスクを軽減する効果も期待できます。

寝てしまうタイミングを知る

こたつで寝るのを防ぐには、どのようなタイミングで寝てしまうのかを知ったうえで適切な対策をすることが大切です。

食後に寝てしまう場合は、食べてすぐはこたつに入らないように意識しましょう。こたつで横になっているうちに寝ているのなら、こたつは座った状態で入るといったルールをつくるのがおすすめです。

アラームを付ける

こたつでくつろぐときは、寝てもすぐに起きられるようにアラームを付けておきましょう。

例えば、食後30分はこたつでゆったりしたいという人は、こたつに入るタイミングで30分後にアラームが鳴るようにセットするのがおすすめです。こたつで寝てしまってもアラームで寝る時間を短くできれば、身体への影響も少なく済みます。

眠気を解消する

こたつで温まっているうちに眠くなってきたときは、以下の方法で眠気を解消するのがおすすめです。

• 少しの間呼吸を止める
• ストレッチをする
• 眠気覚ましのツボを押す　など

眠気覚ましのツボには、下図のように手の甲の親指と人差し指の間にある「合谷（ごうこく）」や眉頭の下にあるくぼみ部分の「晴明（せいめい）」などがあります。

睡眠の質を高める

こたつで頻繁に寝てしまう人は、普段の睡眠の質が低下していることによる寝不足が原因になっている可能性があります。こたつで寝るのを防ぐためにも、睡眠時間を確保しながら以下のような睡眠の質を高める習慣を取り入れるようにしましょう。

• 就寝時間と起床時間を一定にする
• 起床してすぐに日光を浴びる
• 寝る2～3時間前までに夕食を済ませる
• 寝る1～2時間前までに入浴する
• 寝る直前のカフェインやお酒の摂取を避ける
• 寝る直前のパソコンやスマホの使用を避ける
• 適度な運動を習慣化する　など

寝不足を解消するためにも、睡眠の質を高める習慣を意識しましょう。

こたつの使用方法にも注意が必要

こたつを長時間使用すると、脱水症状や低温やけどを引き起こす可能性があります。そのような状況を避けるためにも、小まめに水分補給をしたり体勢を変えたりすることが大切です。

ここでは、こたつを安全に使うための注意点を紹介します。

小まめに水分補給をする

こたつの長時間使用による脱水症状を防ぐには、小まめに水分補給をすることが大切です。こたつに入ると飲み物を取りに行くのが面倒になり、水分補給の頻度が減ってしまうケースが多くあります。そのような状況を避けるためには、こたつの近くに飲み物を準備しておくのがおすすめです。

なお、利尿作用のあるお酒やカフェインの入ったお茶を飲むと、身体から水分が出ていきやすくなるので水分補給には適していません。脱水症状にならないためにも水を飲むようにしましょう。

適度に体勢を変える

同じ部位に長時間熱が当たると低温やけどのリスクが高まってしまいます。そのため、こたつでくつろぐときは、適度に体勢を変えて同じ部位に熱が当たり続けないようにすることが大切です。

適度に身体を動かせば、うたた寝を防止する効果も期待できます。

温度を調節する

こたつの温度が高いと、脱水症状や低温やけどのリスクが高まります。加えて、こたつ内に入っている下半身と上半身の温度差が大きくなると、自律神経が乱れやすくなります。こたつによる体調不良を引き起こさないためにも、こたつの温度は低めに設定するようにしましょう。

こたつでの寝落ちには病気が潜んでいる可能性がある

こたつでの寝落ちを繰り返している場合、以下のような病気が隠れている可能性があります。

病名	特徴
うつ病	長時間寝ても疲労感や倦怠感がある
ナルコレプシー	日中に耐えられないほどの眠気を感じる
反復性過眠症	1日中ほとんど寝て過ごす状態が数日間続く
特発性過眠症	日中に過度な眠気を引き起こし、1時間以上の居眠りをしてしまう
睡眠時無呼吸症候群	睡眠中に何度も呼吸が止まり、身体が酸欠状態になることで睡眠の質が下がる

さまざまな対策をしても強い眠気を感じて、寝落ちをしてしまう人は内科や心療内科、精神科への受診を検討してみましょう。

睡眠の質を高めるおすすめのマットレス

まとめ

こたつで寝ると脱水症状や低温やけど、ヒートショックなどを引き起こす可能性があります。そのため、こたつで寝落ちをしてしまう人は眠気の解消方法や睡眠の質を高める方法を知って、こたつでのうたた寝を減らすようにしましょう。

こたつを安全に使うためにも、こたつでくつろぐ際は小まめに水分補給をしたり適度に体勢を変えたりすることも意識してみてください。