ダニは目で見える？場所別の駆除方法やダニ対策グッズを紹介

部屋にいる小さな虫がダニなのか気になったことがある人も多いのではないでしょうか。部屋に発生するダニは0.3〜1mmほどの大きさしかなく、肉眼ではほとんど見ることができません。気付かぬうちにダニが繁殖していることも少なくないので、部屋を清潔に保ったり温湿度を管理したりしてダニを繁殖させないことが大切です。

この記事では、家に発生しやすいダニの種類や特徴、繁殖しやすい環境を紹介します。場所別の駆除方法も紹介するので、部屋にダニがいるのか気になっている人は、ぜひ最後までご覧ください。

ほとんどのダニは目で見えない

ダニは0.3〜1mmほどの大きさしかないため、肉眼で見ることは基本的にできません。種類によってはじっくり観察することで確認できる場合もありますが、ほとんどのダニは目に見えないほど微小です。

ダニは実際に見えなくても人が暮らす場所に生息している可能性があるため、日頃からダニを繁殖させないように対策をしておきましょう。

部屋に発生しやすいダニの種類

部屋に発生しやすい代表的なダニは、以下の4種類です。

	大きさ	エサ	発生場所
ヒョウヒダニ	0.2mm前後	人のフケや垢・食べかす	ベッドや布団
ツメダニ	0.6～1.0mm	ヒョウヒダニや人の体液	湿度の高い部屋の畳やじゅうたん
イエダニ	0.8～1.0mm	血液	ネズミの巣
コナダニ	0.4mm前後	食品や穀物	畳・わら

それぞれの特徴を詳しく紹介します。

ヒョウヒダニ

ヒョウヒダニは、屋内に生息するダニの大半を占めているといわれています。人を刺すことはありませんが、ヒョウヒダニのふんや死骸を吸い込むと、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。鼻水やじんましん、ぜんそくといったアレルギー症状を起こさないためにも、小まめに掃除をしたり寝具のお手入れをしたりしてダニを繁殖させないようにしましょう。

ツメダニ

ツメダニは、ヒョウヒダニやコナダニの体液を吸って生きるとされています。そのため、エサとなるダニが増えることで繁殖しやすくなります。特に新築後2〜3年の畳や湿度が高い部屋の畳、じゅうたんに繁殖しやすいです。また、夏場に家を長期間留守にすると大量発生する可能性が高まります。

イエダニ

イエダニは、ネズミに寄生するダニです。家の中でネズミが死んだり、ネズミの巣があったりすると、部屋に移動して人の血を吸うことがあります。イエダニに刺されると、かゆみや腫れといった症状が現れます。

コナダニ

小麦粉などの粉類を好んで食べるコナダニは、繁殖力が非常に強いのが特徴です。コナダニは人を刺すことはありません。しかし、コナダニが繁殖すると、コナダニをエサとするツメダニが増えてしまうリスクが高まります。

ダニと間違えられる虫

家の中で小さな虫を見つけると、ダニなのか判断に迷うことがあるでしょう。

ここでは、ダニと間違えられることが多い虫を紹介します。

種類	特徴
チャタテムシ	・体長1mm前後 ・お菓子や古本、畳などに発生する・チャタテムシをエサにしてツメダニが繁殖しやすくなる・害虫用の殺虫スプレーを使用するのが効果的
トコジラミ	・体長2～8mm・ベッド周辺やソファーの隙間など暗い場所に生息する・人の皮膚を刺して吸血し、刺されると激しいかゆみや腫れ、赤みが出る・症状がひどい場合は皮膚科を受診する
シバンムシ	・体長2～3mm・乾燥食品や畳などに発生する・壁に穴を開ける場合がある・害虫用の殺虫スプレーを使用するのが効果的

部屋の中にダニがいるか確認する方法

カーペットや布団、マットレスをめくると白い粉のようなものが多く散らばっていることがあります。白い粉はダニの死骸である可能性が高く、見つけた際は部屋の掃除や寝具のお手入れ方法を見直すようにしましょう。

ダニなのか確認したいときは、市販の「ダニ目視キット」や「ダニアレルゲン測定キット」を使用するのがおすすめです。気になる場所にダニ目視キットを設置し、3日〜1週間放置した後に付属のルーペで観察するとダニの有無を確認できます。

また、ダニアレルゲン測定キットを使用すると、掃除機で吸い取ったゴミに含まれるダニアレルゲンの量を調べられます。部屋の中にダニがいるか気になる人は、これらのキットを使ってみましょう。

ダニが発生しやすい環境

ダニは湿度が高く暖かい環境やエサが豊富にある場所に発生しやすい特徴があります。

ここでは、ダニが発生しやすい環境について詳しく紹介します。

湿度が高く暖かい

ダニは、気温20〜30℃かつ湿度60〜80％の環境で繁殖しやすくなるといわれています。梅雨明けから夏にかけてのジメジメした時期はダニが増えやすくなります。冬場でも暖房器具で部屋を温めると結露が発生し、高温多湿な環境になることがあるため、1年を通して湿気対策をするようにしましょう。

エサが豊富にある

ダニは人の皮脂や垢、食べかすをエサにして繁殖します。枕や布団、カーペット、畳などはダニのエサとなる汚れがたまりやすい場所です。なかでも寝具は人の体温や寝汗によってダニが好む高温多湿の環境になりやすいので、定期的にお手入れをして清潔に保ちましょう。

【場所別】ダニの駆除方法

ダニを除去するためには、小まめな掃除やお手入れをして清潔な状態を保つことが大切です。特にダニが繁殖しやすい以下の場所は、入念に掃除しましょう。

• 畳
• カーペット・ソファー
• 枕
• 掛け布団
• マットレス

ここでは、場所ごとにダニの駆除方法を詳しく紹介します。

畳

繊維の隙間に皮脂やフケがたまりやすい畳は、ダニが繁殖するリスクが高い傾向があります。畳の上にカーペットを敷くと、ゴミやほこりがたまりやすく、湿気が逃げにくくなるため、畳の上は何も敷かないようにしましょう。

畳のお手入れをするときは、畳の目に合わせて掃除機をかけ、ダニの死骸やふんを吸い取ります。その後、乾いた雑巾で畳の目に沿って表面を拭きましょう。

畳の下にダニが繁殖することもあるため、定期的に畳を取り外して、掃除機でほこりを吸い取ったうえで天日干しするのがおすすめです。ただし、直射日光に当てると畳の表面が傷んでしまう可能性があるので、畳床を日光に向けて4〜5時間を目安に干すことをおすすめします。

畳を外すのが難しい場合は、畳の上にマットタイプの布団乾燥機を直接置き、その上から掛け布団をかけて高温乾燥することでダニを死滅させられます。布団乾燥機で高温に熱した後は、掃除機をかけてダニの死骸を取り除きましょう。

カーペット・ソファー

ほこりや食べこぼしが蓄積しやすいカーペット・ソファーは、ダニが繁殖しやすい場所です。丸洗いできるカーペットやカバーを取り外して洗えるソファーを使っているときは、小まめに洗濯して汚れを取り除くようにしましょう。

丸洗いできない場合は、スチームアイロンなどを使って60℃以上の高温に温めるのがおすすめです。ダニは60℃以上の環境に15分以上いると死滅するといわれています。スチームアイロンを近づけすぎると、熱で生地が傷む可能性があるため、数十cm離して蒸気をかけるようにしましょう。

カーペットやソファーを高温で温めた後は、ダニの死骸が飛散しないようにゆっくりと掃除機をかけます。ダニの死骸が残らないように、さまざまな方向から掃除機をかけるのがポイントです。

枕

ダニの死骸やふんは、水に溶ける性質があります。洗えるタイプの枕を使っているときは、洗濯することでダニの死骸やふんを取り除けます。

ただし、そばがらや低反発ウレタンといった洗濯できない素材もあるので、洗濯表示を確認してからお手入れをしましょう。枕のお手入れの手間を軽くしたい人や、洗えない枕を使っている人は、ダニ除去機能がついている布団掃除機を使うのがおすすめです。

ダニが枕に繁殖するのを予防するには、枕カバーを定期的に洗って、髪の毛や皮脂を取り除くことが大切です。枕には寝汗による湿気がたまりやすいため、起床時に立てかけて湿気を逃がすようにしましょう。

掛け布団

掛け布団のダニを退治するときは、コインランドリーの乾燥機や布団乾燥機を使用するのがおすすめです。

布団乾燥機を使う際は、暗い部屋で放置した布団に朝夕1回ずつ3日連続でかけるのが効果的です。ダニは夜行性のため、暗い場所に布団を放置することで布団表面に出てくるといわれています。

コインランドリーでの乾燥時間は、30〜40分以上を目安にするのがおすすめです。乾燥機から取り出した掛け布団には、ダニの死骸が残っている可能性があるため、掃除機をかけて除去しましょう。

自身でのお手入れが難しい場合は、布団のクリーニングサービスを利用するのも1つの手段です。クリーニングではダニ退治だけでなく、フケやアカなどの汚れも除去できます。防ダニ加工ができる業者に依頼するのもよいでしょう。

なかには、乾燥機を使えない掛け布団もあるので、お手入れをする前に洗濯表示や商品説明で確認することが大切です。

ダニアレルギーに効果的な布団のお手入れ方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

ダニアレルギーに効果的な布団のお手入れ方法5選！おすすめグッズも紹介

マットレス

側生地を外して丸洗いできるマットレスを使っている場合は、側生地を60℃以上の熱湯につけ置きしたり洗濯したりするのが効果的です。

マットレス本体には、マットレス用のダニ駆除薬剤が使用できます。なかには、肌荒れやかぶれなどの肌トラブルを起こす場合があるので、注意書きを確認するようにしましょう。

側生地を取り外せないマットレスを使っているときは、布団乾燥機を使用するのがおすすめです。寝室の電気を消して1時間ほど放置し、ダニが表面へ出てくるのを待ってから高温乾燥をするのが効果的です。

ウレタンやファイバー素材のマットレスは熱に弱い傾向があるため、布団乾燥機の熱で変形したり寝心地が悪くなったりする可能性があります。マットレスを傷めないためにも、マットレスの素材や耐熱温度を確認してから布団乾燥機を使用するようにしましょう。

マットレスにいるダニの駆除方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

マットレスの奥に潜むダニの正しい駆除方法・予防の仕方とは？

ダニの繁殖を防ぐためのポイント

部屋や寝具に蓄積した湿気、汚れを放置すると、短期間でダニが繁殖してしまう恐れがあります。ダニによる健康被害を防ぐためにも、以下のポイントを押さえておきましょう。

• 小まめに部屋を掃除する
• 定期的に換気をする
• 寝具を清潔に保つ
• ダニ対策グッズを活用する

1つずつ詳しく紹介します。

小まめに部屋を掃除する

ダニは人の皮脂や垢、食べかすといったエサがある環境に繁殖するので、部屋を清潔な状態に保つことが大切です。

また、ほこり1gあたりには1,000匹ほどのダニが生息するといわれており、ほこりが舞うと部屋中を移動してしまいます。ダニを繁殖させないためにも、定期的に掃除をするようにしましょう。

定期的に換気をする

高温多湿の状態が続く部屋にはダニが繁殖しやすくなります。ダニの繁殖を予防するには、2時間に1回程度を目安に、5〜10分間ほどの換気をするのが効果的です。窓を開けられないときは、エアコンの除湿機能や除湿機を使って湿度を50％前後に調整するようにしましょう。

寝具を清潔に保つ

シーツや布団カバーに付着した汚れを放置すると、ダニが繁殖する原因になってしまいます。ダニが寝床内に繁殖するのを防ぐためにも、定期的に洗濯をして汚れを取り除くようにしましょう。洗濯の頻度は週1回程度を目安に、寝汗をかきやすい夏は頻度を多めに、冬は少なめにするなど季節に応じて調整しましょう。

また、人は寝ている間にコップ1杯分の寝汗をかくといわれています。湿気がたまると、ダニが繁殖しやすくなるので、小まめに掛け布団を干したりマットレスを立てかけたりして湿気を逃がしましょう。

ダニ対策グッズを活用する

ダニ予防の手間を軽くしたい人は、ダニを捕獲できるダニ予防シートや、マットレスに直接かけられるダニ予防スプレーを使用するのがおすすめです。加えて、寝具を60℃以上にできる布団乾燥機を活用すれば、湿気を逃がすだけでなく、ダニを死滅させることもできます。

ダニ対策におすすめの寝具・グッズ

ダニ対策に関するよくある質問

最後にダニ対策に関するよくある質問に回答していきます。

ダニに刺されたらどうすればいい？

ダニに刺されると、数日から1週間以上かゆみが続く可能性があります。症状が一時的な場合は市販薬で対処できるでしょう。ただし、数日間使用しても症状が改善されなかったり、繰り返し症状が出たりする場合は皮膚科を受診しましょう。

なお、ダニに刺された後は、小さくて赤いしこりのようなぶつぶつが複数できるケースが多いです。

掃除機でダニは吸い取れる？

掃除機でダニの死骸は吸い取れますが、生きているダニを完全に吸い取ることはできません。ただし、ダニのエサとなるほこりや人のフケ、垢を掃除機で取り除けば、ダニの繁殖を抑えることにつながります。特にベッド下や家具同士の隙間は、ほこりがたまりやすいため、入念に掃除機をかけるようにしましょう。

まとめ

ダニは0.3〜1mmほどの大きさしかないため、肉眼で確認することは基本的にできません。ダニは高温多湿かつ皮脂やフケといったエサが豊富にある場所で繁殖するので、定期的に掃除と換気をすることが大切です。

ダニの温床となりやすい布団やマットレスには、ダニ予防シートやダニ予防スプレーを活用するのがおすすめです。ダニによるアレルギー症状を防ぐためにも、本記事で紹介した駆除方法を参考に、適切なダニ対策をしましょう。