マットレスとは？敷き布団との違いから選び方、おすすめの商品まで紹介

新生活のために寝具の購入を検討していると、マットレスの役割や敷き布団との違いが気になっている人は多いのではないでしょうか。マットレスと敷き布団は寝るときに身体の下に置く点は同じですが、厚みや素材、耐久性に違いがあります。より質のいい睡眠を取るためには、それぞれの違いを押さえて自分に合った寝具を選ぶことが大切です。

そこで今回はマットレスの役割や敷き布団との違いについて紹介します。マットレスを使うメリット・デメリットも紹介しているので、マットレスを購入するべきか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

マットレスとは

マットレスとは基本的にベッドフレームの上に置いて使用する寝具のことで、寝ている間の身体にかかる負担を軽減する役割があります。マットレスの語源は、アラビア語の「横たわる場所」を意味する「Matrah」といわれています。

マットレスと敷き布団の違い

マットレスと敷き布団には、以下のような違いがあります。

	マットレス	敷き布団
使用シーン	ベッドフレームの上に置いて使用する	床や畳に直接敷いて使用する
厚み	厚手のものが多い	薄手のものが多い
主な素材	・低反発ウレタン・高反発ウレタン・ボンネルコイル・ポケットコイル・高反発ファイバー・ラテックス	・ポリエステル・ウレタン・綿（コットン）・羊毛（ウール）
耐久性	長いもので約8～10年使い続けられる	寿命の目安は3～5年ほど

マットレスと敷き布団の違いを詳しく見ていきましょう。

使用シーン

マットレスは基本的に、ベッドフレームの上に置いて使う寝具です。一方、敷き布団は床や畳に直接敷いて使うのが一般的です。しかし、敷きっぱなしにしていると湿気がこもってカビが繁殖する可能性があるので、毎朝たたんで収納したり干したりする必要があります。

マットレスは敷き布団のように毎朝上げ下げしたり、たたんで収納したりせず、日中もベッドフレームの上に置いたまま使用できます。

厚み

マットレスと敷き布団を比較するとマットレスの方が厚みのあるものが多く、敷き布団の方が薄手のものが多い傾向があります。

一般的に厚みのあるマットレスはクッション性に優れているので寝返りが打ちやすく、腰痛などの身体の痛みも起こりにくいといえるでしょう。ただし、マットレスの厚みは商品によって異なるので購入前に厚みを確認しておくことが大切です。

素材

マットレスに使われている主な素材は、以下の6つです。

素材	特徴
低反発ウレタン	包まれるような寝心地が味わえる
高反発ウレタン	身体をしっかり支えてくれる
ボンネルコイル	適度な反発力があり、寝返りが打ちやすい
ポケットコイル	身体を点で支え、体圧分散性に優れていて振動が伝わりにくい
高反発ファイバー	通気性に優れていて丸洗いできるものが多い
ラテックス	ダニやカビが発生しにくい

一方、敷き布団の代表的な素材には以下の4種類があります。

素材	特徴
ポリエステル	低価格で購入しやすい
ウレタン	ダニの繁殖リスクが少ない
綿（コットン）	季節を問わず1年中快適に使いやすい
羊毛（ウール）	ふんわりとした弾力で包まれるような寝心地を味わえる

マットレスの方が素材の種類が多いため、幅広い選択肢から自分に合ったものを選べます。

耐久性

マットレスは敷き布団より耐久性に優れている傾向があります。マットレスの寿命の目安は、以下のとおりです。

素材	寿命の目安
低反発ウレタン	約3～5年
高反発ウレタン	約6～7年
ボンネルコイル	約7～9年
ポケットコイル	約8～10年
高反発ファイバー	約6～8年
ラテックス	約6～9年

一般的にポケットコイルマットレスであれば約8～10年もちますが、敷き布団の寿命は3～5年ほどといわれています。マットレスの方が耐久性に優れている傾向があり、長く使い続けやすいため、寝具の買い替え頻度を少なくしたい人はマットレスを選ぶことをおすすめします。

マットレスのメリット

マットレスを使う主なメリットは、以下のとおりです。

• 身体への負担を軽減する
• たたんで収納する手間がかからない
• 長く使い続けられる
• ハウスダストを吸い込みにくい

それぞれ詳しく紹介します。

身体への負担を軽減する

敷き布団より厚手のものが多いマットレスは、クッション性に優れていることで寝ている間にかかる身体への負担が少ない傾向があります。加えて、ほどよい反発力によって寝返りが打ちやすいものが多いのも特長です。適度な寝返りには、身体の特定部位に負担が集中するのを防ぐ効果が期待できます。

一方、薄手の敷き布団を床に直接敷いて使うと、床の硬さを感じて身体の痛みにつながる可能性があります。

たたんで収納する手間がかからない

基本的にマットレスは日中もベッドフレームに置いたままでいいので、起床時に収納する手間がかかりません。床に直接敷いて使う敷き布団は、毎朝たたんで収納したり干したりする必要があります。朝忙しくて布団をたたむ余裕がない人は、マットレスの方が使いやすいでしょう。

長く使い続けられる

マットレスの寿命は素材によって異なり、ポケットコイルマットレスであれば8～10年ほどもつといわれています。一方、敷き布団の寿命の目安は3～5年ほどです。素材や使い方にもよりますが、マットレスの方が長く使い続けられるものが多いので、買い替える頻度が少なく済みます。

ハウスダストを吸い込みにくい

床から近い位置で寝ていると、床に蓄積しているハウスダストを吸い込みやすくなります。ハウスダストを吸い込むとアレルギー症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

マットレスの場合はベッドフレームに置いて使うのが基本で、なおかつマットレス自体にも厚みがあるため、床からある程度の距離を確保しながら眠れます。アレルギーが気になる人や小さな子どもがいる人は、マットレスを選ぶのがおすすめです。

マットレスのデメリット

マットレスを検討している人は、以下の点に注意が必要です。

• 設置に広いスペースが必要になる
• 価格が高い
• 移動やお手入れの手間がかかりやすい

1つずつ詳しく紹介します。

設置に広いスペースが必要になる

マットレスはベッドフレームの上に置く前提なので、設置に広いスペースが必要となります。部屋の広さによっては、ベッドを置くことで他の家具が置けなくなったり圧迫感が出たりする可能性があるので注意が必要です。

一方、敷き布団はベッドによりスペースをとらないだけでなく、使わないときはたたんで収納できます。部屋にベッドを置くスペースがない人や部屋を広く見せたい人は、敷き布団を選んだ方が後悔しにくいでしょう。

価格が高い

マットレスは敷き布団と比較して価格が高い傾向があります。加えてベッドフレームの購入費もかかるので、家計への負担を軽くしたい人は敷き布団を選んだ方がいいかもしれません。

ただし、マットレスの方が寿命が長い傾向があるので、長く使い続ける前提で購入するときはマットレスを検討するのがおすすめです。単身赴任など長い期間使う予定がないときは、費用を抑えるためにも敷き布団を検討してみましょう。

移動やお手入れの手間がかかりやすい

マットレスは敷き布団より重いものが多いので、1人で持ち上げて運ぶのは難しい傾向があります。そのため、気軽に模様替えができなかったり、引っ越しのときに運ぶ方法に困ったりしやすいので注意が必要です。

また、マットレスは敷き布団と比べて手軽に外で干せず、メンテナンスが手間に感じるかもしれません。定期的に壁に立てかけることで湿気対策になりますが、外の風をしっかり当てたい人や天日干しをしたい人にとってはデメリットに感じる可能性があります。

マットレスと敷き布団のどっちがいい？

マットレスと敷き布団のどっちを選ぶべきなのかは、重視したいポイントや抱えている悩みによって異なります。

ここからは、マットレスがおすすめな人と敷き布団がおすすめな人をそれぞれ見ていきましょう。

マットレスがおすすめな人

マットレスがおすすめな人は、以下のとおりです。

• 寝心地を重視したい人
• 腰痛や肩こりを抱えている人
• 毎朝たたんで収納するのが面倒な人
• 同じものを長く使い続けたい人
• ハウスダストが気になる人

クッション性やほどよい反発力があるマットレスを選べば、身体への負担を軽減する効果が期待できます。また耐久性に優れたものが多く、へたるスピードも遅い傾向があります。そのため、快適な睡眠環境を整えたい人はマットレスを選ぶのがおすすめです。

敷き布団がおすすめな人

敷き布団は、以下のような人におすすめできます。

• ベッドを置くスペースが限られている人
• 日中は収納して部屋のスペースを有効活用したい人
• 畳の部屋で寝たい人
• 長く使う予定ではない人
• 手軽に外で干してお手入れしたい人

敷き布団はマットレスよりコンパクトなものが多いので、部屋のスペースを圧迫しません。またマットレスと比較して購入費を抑えやすいため、一時的に睡眠環境を整えたい人にも向いています。

折りたたみマットレスを選ぶのも1つの手段

折りたたみマットレスであれば、使わないときは敷き布団のようにたたんで収納できます。部屋のスペースは限られているが寝心地も重視したいという人は、折りたたみマットレスも検討してみましょう。折りたたみマットレスは通常のマットレスよりコンパクトで軽量なものが多いので持ち運びがしやすく、掃除やお手入れの手間を軽減できるのも嬉しいポイントです。

マットレスの選び方

マットレスを購入する際は、素材や厚みなどをチェックしながら自分に合ったものを選びましょう。

ここからは、マットレスを選ぶときのポイントを紹介します。

素材

マットレスの寝心地や耐久性、通気性は素材によって以下のように異なります。

素材	硬さ	耐久性	通気性	価格
低反発ウレタン	柔らかめ	△	△	◎
高反発ウレタン	硬め	〇	△	〇
ボンネルコイル	硬め	〇	〇	〇
ポケットコイル	柔らかめ	〇	〇	△
高反発ファイバー	硬め	△	〇	△
ラテックス	ふつう	〇	△	△

自分に合ったマットレスを見つけるためにも、素材ごとの違いを押さえておくことが大切です。ここでは、マットレスの素材ごとの特徴を詳しく紹介します。

低反発ウレタン

低反発ウレタンは身体の曲線や重さに合わせてゆっくりと変形するので、包まれるような寝心地を味わえるのが特長です。横向きで寝たときの肩周辺の負担を軽減する効果が期待できるので、横向き寝が多い人におすすめです。

なお、ウレタンは通気性があまりよくない傾向があるため、定期的にお手入れをしなければカビの繁殖リスクが高まります。低反発ウレタンマットレスを使う場合は小まめに立てかけて換気をしたり、すのこベッドと併用したりするとよいでしょう。

高反発ウレタン

高反発ウレタンは身体をしっかりと支える寝心地で、寝返りが打ちやすい特長があります。適度に寝返りを打てると、身体の特定部位に負担が集中しにくくなることで肩こりや腰痛が悪化するリスクを抑えられます。

低反発ウレタンと同様に通気性があまりよくない傾向があるため、定期的に持ち上げて風を当てたり、毎朝寝室の換気をしたりするなどの湿気対策が欠かせません。

ボンネルコイル

ボンネルコイルマットレスは、ワイヤーで連結した複数のコイルの上をウレタンなどで覆った構造のマットレスです。身体を面で支えるため、やや硬めの寝心地が好みの人に向いています。通気性に優れているものが多いので湿気や熱がたまりにくく、夏でも快適な睡眠を得やすいのも嬉しいポイントです。

ただし、ボンネルコイルはコイル同士が連結しているため、寝返りによる振動が相手に伝わりやすいので注意が必要です。2人で一緒に寝る場合は、小さいサイズのボンネルマットレスを並べて使うことを検討してみましょう。

ポケットコイル

コイルが独立しているポケットコイルマットレスは、身体を点で支えるので体圧分散性に優れている傾向があります。体圧分散性に優れているマットレスを使うと、身体にかかる圧力が分散されて腰や肩への負担が軽減されやすくなります。

一方、ボンネルコイルと比較すると使用されているコイルの数が多い分、価格が高い傾向があります。ポケットコイルマットレスは、価格より寝心地を重視する人におすすめです。

高反発ファイバー

高反発ファイバーマットレスは、ポリエチレンやポリエステルなどの繊維を網目状に絡めたファイバー素材が使われており、通気性に優れているのが特長です。ほどよい反発力があるため、寝返りが打ちやすいのも魅力の1つです。丸洗いできるものが多く、マットレスを洗濯して清潔に使いたい人にもおすすめできます。

なお、通気性に優れていることから冬は寒く感じやすい傾向があります。高反発ファイバーマットレスを使うときは、温かい素材の敷きパッドと併用するのがおすすめです。

ラテックス

ラテックスマットレスは天然ゴム（手絡子）を使用したマットレスです。柔らかい寝心地でありながらも適度な硬さがあることで、理想的な寝姿勢をキープしやすい特長があります。

ラテックスマットレスは、天然ゴムの割合によって「100％天然ラテックス」「天然ラテックス」「合成ラテックス」の3種類に分けられます。なかでも、100％天然ラテックスはカビやダニの繫殖リスクが低かったり、耐久性に優れていたりする傾向があります。

ただし、人によってはラテックスアレルギーを引き起こす恐れがあるので注意が必要です。天然ゴム製の手袋や風船を使ってアレルギー症状が出たことのある人は、医療機関に相談したうえで使用しましょう。

硬さ

マットレスの硬さは寝心地に大きな影響を与えるため、自分の好みと体格に合わせて選ぶのが理想的です。

例えば、以下のような人は柔らかいマットレスを選ぶのがおすすめです。

• 体重が軽い人
• 横向き寝が多い人
• 身体にフィットする寝心地が好みの人

一方、硬めのマットレスは以下のような人に向いています。

• 体格のいい人
• 腰痛に悩んでいる人
• 仰向け寝が多い人

自分に合わない硬さのマットレスを使うと、腰痛や肩こり、起床時の疲労感につながるので自分の体型や寝姿勢に合った硬さを見つけましょう。

マットレスの理想的な硬さは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

理想的なマットレスの硬さとは？適切な硬さの見極め方を紹介

厚み

十分な厚みがないマットレスを使うと底付き感が出やすく、肩こりや腰痛が悪化する可能性があります。身体への負担を軽減させるためには、20cm以上（折りたたみであれば10cm以上）の厚みがあるマットレスを選ぶのがおすすめです。

ただし、厚すぎるマットレスを2段ベッドやロフトベッドに置くと、転倒防止用のサイドフレームを乗り越えて転落するリスクが高まるので注意が必要です。

手入れのしやすさ

マットレスを清潔に長く使い続けたい人は、手入れのしやすさもチェックしましょう。例えば、ファイバーマットレスは丸洗いできるものが多いので、気軽に洗濯して衛生的に使いたい人におすすめです。また軽いマットレスであれば、一人暮らしの女性でも持ち上げやすいので定期的に壁に立てかけて湿気を逃がすことができます。

耐久性

マットレスは決して安い買い物ではないため、耐久性に優れたものを選ぶようにしましょう。長く使い続けられるマットレスを選びたい人は、ウレタンの密度が30D以上、復元率が96％以上を目安にしましょう。

またコイル系のマットレスは、コイルスプリングの品質で耐久性をチェックできます。コイルスプリングの線材には硬鋼線とピアノ線があり、どちらが使用されているのかは品質表示ラベルで確認しましょう。「SWRH」と記載されているものは硬鋼線、「SWRS」とあればピアノ線が使用されています。

ピアノ線が使われている場合は10年以上使用できる可能性があります。硬鋼線が使われているマットレスは、炭素とマンガンの含有量が多い商品を選ぶとよいでしょう。

マットレスのおすすめ商品5選

折りたたみマットレスのおすすめ商品3選

まとめ

マットレスは敷き布団よりクッション性に優れている傾向があるため、身体への負担を軽減したい人はマットレスを選ぶのがおすすめです。一方、部屋のスペースに余裕がない人や一時的に睡眠環境を整えたい人は、敷き布団の方が使いやすい可能性があります。

このようにマットレスと敷き布団のどちらを選んだ方がいいのかは、重視するポイントによって異なります。それぞれの違いを押さえたうえで、自分に合った寝具を選んでみましょう。