いびきの解消には横向き寝がおすすめ｜理由と治し方を紹介

家族やパートナーにいびきを指摘されて悩んでいる人は多いのではないでしょうか。いびきは、横向き寝に変えることで解消する可能性があります。しかし、横向き寝に変えてもいびきが解消されない場合もあるので、いびきをかく原因に合わせて適切な対策をすることが大切です。

そこで今回は、横向き寝でいびきが和らぐ理由やいびきの解消方法を紹介します。いびきに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

いびきの解消には横向き寝がおすすめ

いびきに悩んでいる人は、寝姿勢を仰向けから横向きに変えるのがおすすめです。いびきは、寝ている間に何らかの原因によって狭くなった気道に空気が通ることで起こるといわれています。

仰向けで寝ると、舌が喉に落ち込んで気道を塞いでしまい、いびきをかきやすくなります。一方、横向き寝では気道を確保しやすくなるため、いびきを和らげる効果が期待できるのです。

横向き寝でもいびきが止まらない原因

横向きで寝てもいびきが止まらない場合、以下のような原因が考えられます。

• 寝返りで仰向けになっている
• 肥満
• 睡眠時無呼吸症候群

それぞれ詳しく紹介します。

寝返りで仰向けになっている

就寝時に横向きで寝たとしても、寝返りを打って仰向けになっている場合があります。人は、寝ている間に20〜40回程度寝返りを打つといわれています。そのため、朝まで横向き寝を保ちにくく、寝返りで仰向けになったときにいびきをかいてしまうのです。

肥満

肥満体型の人は、喉周りに脂肪が付いていることで気道を狭めてしまうため、横向きで寝たとしてもいびきが解消されない可能性があります。日本人は欧米人に比べて顎が小さい傾向があり、少し太っただけでも顎周りの脂肪が気道を圧迫してしまうのです。

睡眠時無呼吸症候群

寝ている間に呼吸が止まったり大きないびきをかいたりしている人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が止まる、または浅くなることで低酸素状態になる病気です。睡眠の質が下がることで疲れが取れず、日中に眠気やだるさを感じることがあります。

軽度の人は横向きで寝ると症状が改善することがありますが、重度の場合は改善しない可能性が高いです。昼間にひどい眠気を感じたり疲れが取れなかったりする人は、医療機関での受診を検討してみましょう。

横向き寝のメリット

横向き寝にはいびきを和らげる以外にも、内臓に負担がかかりにくかったり腰痛が緩和されやすかったりするメリットがあります。

ここでは、横向き寝のメリットを詳しく紹介します。

内臓に負担がかからない

身体の右側を下にして寝ると肝臓が胃や心臓を圧迫しにくくなるため、仰向け寝よりもリラックスして眠りやすいとされています。加えて、食べ物が胃から腸に流れやすくなることで、消化活動がスムーズになるともいわれています。

腰痛が緩和されやすい

横向き寝は、腰痛に悩まされている人にもおすすめの寝姿勢です。仰向けで寝ると体重の40～50％の重さが腰に集中するといわれています。加えて、膝を伸ばした状態で寝ると腰が反った状態になることで腰に痛みが出やすくなるのです。

一方、身体を丸めた状態となる横向き寝では、腰に負担がかかりにくくなります。腰に痛みを抱えている人は、腰痛が悪化しにくい横向きで寝るのがおすすめです。

横向き寝のデメリット

いびきの解消以外にもメリットの多い横向き寝ですが、片側に負担がかかったり身体の痛みや冷えにつながったりする可能性があるので注意が必要です。

横向き寝をする前にどのようなデメリットがあるのかを押さえておきましょう。

片側に負担がかかる

横向きで寝る時間が長くなると、身体の片側にだけ負担がかかりやすくなります。特に負担が大きくなる肩や腕は、しびれや痛みを起こしやすいので注意が必要です。

横向きで寝るといびきは気になりにくくなりますが、長時間同じ方向で寝ると身体に負担がかかりやすいため、適度に寝返りを打つことが大切です。

身体のこりや冷えの原因になる

横向きで寝ると、肩周辺の筋肉が緊張することで肩こりを起こしやすくなります。また、血流の悪化によって冷えの原因になることも考えられます。

横向き寝は、肩が身体の内側に入ったり足を組んだ姿勢になったりしやすいため、身体のゆがみが生じやすいです。起きたときに身体に痛みが出る場合は、寝姿勢を見直しましょう。

クッションや抱き枕を使うと横向き寝がしやすくなる

寝始めは横向きで寝ていても、寝返りによって仰向けの姿勢に変わることでいびきをかいてしまう可能性があります。横向きの姿勢をキープするためには、自然と横向き寝になれるクッションや抱き枕を使ってみましょう。

クッションや抱き枕を使うと、肩や腰にかかる負担が軽減することでゆがみや痛みを起こしにくくなるメリットもあります。

いびきを軽減させるための枕の選び方

いびきの原因には寝姿勢だけでなく、自分に合っていない枕を使っていることも挙げられます。いびきを和らげるためには、自分に合った枕を使うことが大切です。

ここでは、いびきを軽減させるための枕の選び方を紹介します。

高さで選ぶ

枕の高さは高すぎても低すぎても気道が狭くなるため、身体に合った適切な高さを選びましょう。

仰向け寝では、立っているときと同じような首から背骨にかけて緩やかなS字カーブが保たれる高さが理想です。一方、横向き寝に適した枕は、首から腰までの骨が一直線になる高さとされています。肩や腕にかかる負担を軽減するためにも、仰向け寝の枕より少し高めの枕を選ぶとよいでしょう。

なお、マットレスの硬さによって身体の沈み込み具合が変わるため、枕の高さを確認するときはマットレスも一緒に見直してみるのがおすすめです。

サイズで選ぶ

枕のサイズは、寝返りが打てる十分なスペースのあるものを選びましょう。枕のサイズが小さいと、寝返りを打ったときに枕から頭が落ちてしまうことでいびきをかきやすくなります。寝返りを打っても頭が落ちないように頭3つ分の幅がある枕を選ぶのがおすすめです。

素材で選ぶ

枕は、素材によって硬さやお手入れのしやすさが異なります。柔らかめの素材と硬めの素材に分けて、それぞれの違いを見ていきましょう。

＜柔らかめ＞

素材	フィット性	通気性	耐久性	寝返りのしやすさ	洗濯
ポリエステルわた	◎	△	△	〇	△
低反発ウレタン	◎	△	△	△	×
極小ビーズ	〇	△	△	△	〇

＜硬め＞

素材	フィット性	通気性	耐久性	寝返りのしやすさ	洗濯
ポリエチレンパイプ	△〜〇	◎	〇	△	◎
そばがら	△〜〇	◎	×	△	×
高反発ファイバー	×	◎	〇	〇	◎

枕の高さが自分に合っているものでも、使っているうちにへたることで枕の高さが変わっていびきの原因になる場合もあります。へたりの進行を抑えるには定期的なメンテナンスが欠かせないため、お手入れのしやすい素材を選ぶことが大切です。

また、沈み込みすぎると寝返りが打ちにくくなって身体に負担がかかってしまうので、自分に合った硬さなのかも確認すべきポイントの1つです。

形で選ぶ

枕の形は、寝姿勢に合わせて身体に負担がかかりにくいものを選びましょう。例えば、横向き寝には、以下の形状の枕がおすすめです。

形	特徴
くぼみ型	中央がくぼんでいるため横向きで寝ても耳が痛くなりにくい
波型	首を支えてくれるので肩や首の負担を軽減しやすい
L字・U字型	抱きついて寝ることで横向き寝の姿勢をキープしやすい

横向きで寝るのが難しい人は、首部分が高く後頭部に合わせて凹んでいる形状の枕を選ぶのがおすすめです。この形状の枕は、仰向け寝の理想的な寝姿勢をキープしやすくなるのでいびきをかきにくくなる効果が期待できます。

横向きで寝る以外のいびき軽減方法

いびきに悩んでいる人は、マットレスや睡眠環境を見直すことも大切です。

ここからは、横向きで寝る以外のいびきの対策方法を詳しく紹介します。

マットレスを見直す

正しい寝姿勢で寝るためには、枕と一緒にマットレスを見直すのがおすすめです。ただし、マットレスが柔らかすぎたり硬すぎたりすると理想的な寝姿勢を保ちにくいので、自分に合った硬さを選びましょう。

柔らかすぎるマットレスは、身体が沈み込んでしまうため、顎の位置が下がって気道が狭くなる原因になります。反対に硬すぎるマットレスは、身体の出っ張っている部位に負担が集中しやすく、横向き寝が維持しにくい可能性があります。

自分の体型や好みに合わせて、理想的な寝姿勢を保てる硬さのマットレスを選ぶとよいでしょう。

生活習慣を改善する

いびきは、生活習慣の乱れによって引き起こされるケースがあります。

特に、飲酒や喫煙はいびきの原因になりやすいといわれています。寝る前にお酒を飲むと、舌や上顎の筋肉が緩むことで気道が狭まりやすくなるのです。また、喫煙は喉の炎症を引き起こしやすく、喉の周りが腫れることで気道が狭くなる原因になります。

いびきが気になる人は、寝る前のお酒を控えたりたばこの量を見直したりしましょう。

適正体重を目指す

喉周りに脂肪が付いている場合は、適正体重を目指すことでいびきが和らぐ可能性があります。体重を落とすためには、適度な運動やバランスの取れた食事を取り入れることが大切です。

肥満の人は脂肪で気道が狭くなりやすいため、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高い傾向にあります。健康を維持するためにも、適正体重を目指しましょう。

睡眠環境を見直す

乾燥した部屋で寝ると、鼻が詰まって口呼吸が増える傾向があります。口呼吸になると舌がのどの奥に落ち込んで気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。

いびきを和らげるためにも、加湿器などを使って寝室の湿度を40〜60％に保つとよいでしょう。

病院を受診する

慢性的な鼻炎に悩まされている人は、口呼吸によっていびきをかきやすくなっている可能性があります。また、甲状腺機能の低下が原因でいびきをかいているケースもあるため、気になる症状がある人は病院で受診してみましょう。

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、耳鼻咽喉科やいびき外来などで検査を受けられます。いびきに関する悩みがある人は、事前にいびきの診療をしているのかをホームページで確認しておきましょう。

横向き寝におすすめのマットレス3選！

まとめ

いびきに悩んでいる人は、仰向け寝から横向き寝に変えるのがおすすめです。横向きで寝ると舌が喉に落ちにくくなるため、いびきを解消できる可能性があります。

横向きで寝てもいびきが改善しない場合は、肥満や睡眠時無呼吸症候群が原因となっている可能性があります。そのような場合は、生活習慣の改善や病院の受診を検討してみてください。