公開日:2024.03.26
更新日:2024.03.14
目次
寝不足のときにお酒を飲んでもいいか気になっている人は多いのではないでしょうか。お酒には一時的に寝付きをよくする効果が期待できるものの、飲酒量や時間帯によっては寝不足を悪化させる可能性があります。
そこで今回は、お酒が寝不足を悪化させる理由を紹介します。お酒で寝不足にならないための対策や眠れないときの対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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寝不足のときにお酒を飲むと、かえって寝不足が悪化する原因となってしまいます。
まずは、お酒が寝不足を悪化させる理由を紹介します。
アルコールを摂取すると、睡眠後半の眠りが浅くなるので、夜中や早朝の睡眠の質が下がる傾向があります。また、アルコールが分解されたあとにできるアセトアルデヒドには覚醒作用があるため、その影響で夜中に何度も目が覚めやすくなります。
アルコールには利尿作用があるため、寝る前に飲酒をすることで夜中に尿意を感じて何度も目が覚めてしまう可能性があります。加えて、アルコールの分解には大量の水分が必要なので、夜中に脱水症状を引き起こすことも考えられます。
アルコールには舌や上顎の筋肉の働きを抑制する作用があるため、気道が狭くなることでいびきや無呼吸が生じやすくなります。飲酒によっていびきや無呼吸が増えれば、眠りが浅くなる原因となるため、寝不足につながってしまいます。
夜になかなか寝付けなくて就寝前の飲酒(寝酒)が習慣になっている人もいるでしょう。
寝酒が習慣化すると、アルコールに耐性が付くことで同じ量のお酒では寝付けなくなるため、飲酒量が増える原因になってしまいます。寝不足が悪化するだけでなく、肝障害やアルコール依存症につながるリスクもあるので、休肝日を設けたりお酒の量を調整したりすることが大切です。
お酒で寝不足が悪化する可能性があるとわかっていても、いきなり禁酒するのが難しい人や会社の付き合いなどで飲むことが多い人もいるでしょう。
ここでは、そのような人に向けてお酒で寝不足にならないための対策を紹介します。
空腹時にお酒を飲むと、アルコールの吸収スピードが速まるといわれています。アルコールの吸収を緩やかにするには、飲酒前にチーズやナッツといった脂質を含む食べ物を食べておくのがおすすめです。
加えて、飲酒中は豆腐や枝豆、魚介類などのたんぱく質を豊富に含む食品を中心に食べながらゆっくり飲むと、アルコール血中濃度の急激な上昇も起こりにくくなります。
厚生労働省の「健康日本21」によると、日本人の適度な飲酒量は純アルコールで1日平均20g程度と公表されています。一般的に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅いので、さらに少ない量が適切であるといわれています。
純アルコール約20gに相当するお酒ごとの飲酒量は、以下のとおりです。
ビール(5%の場合) | 中瓶1本、ロング缶1本(500ml) |
清酒(15%の場合) | 1合(180ml) |
ウィスキー(43%の場合) | ダブル1杯(60ml) |
焼酎(25%の場合) | グラス1/2杯(100ml) |
ワイン(12%の場合) | グラス2杯弱(200ml) |
缶チューハイ(7%の場合) | 缶1本(350ml) |
純アルコール約20gを超える量を飲酒すると寝不足だけでなく、生活習慣病のリスクも高まるため、飲酒量を調整しながら飲むことが大切です。
ビール中瓶1本を飲んだ場合のアルコールの分解にかかる時間は、男性で約2.2時間、女性で約3時間といわれています。そのため、アルコールによる寝不足を防ぐには、寝る3~4時間前の飲酒を控えるのがよいでしょう。
ただし、アルコールの分解にかかる時間は個人差があり、その日の体調によっても異なります。お酒に弱い人や体調がすぐれない人はお酒を控える、もしくは寝る3~4時間以上前から飲酒しないようにすることが大切です。
飲酒中や飲酒後に水を飲むことで血中アルコール濃度を下げる効果が期待できます。血中アルコール濃度が低くなれば、体内のアセトアルデヒドの量が減り、夜中に何度も目が覚める心配が少なくなります。
寝不足を解消するためには、規則正しい生活を送ったり、適度な運動を取り入れたりすることが大切です。
ここからは、寝不足を解消するために取り入れたいことを紹介します。
寝不足を解消するには、就寝時間と起床時間を一定にして体内時計を整えるのが効果的です。体内時計が整えば、夜はスムーズに入眠でき、朝にすっきりと目覚めやすくなります。
加えて、起床時にカーテンを開けて日光を浴びるのもおすすめです。朝起きてから日光を浴びると、寝る時間に睡眠を促すホルモンがスムーズに分泌され、自然な眠気を感じやすくなります。
人は深部体温が下がったタイミングで眠気を感じるといわれています。そのため、就寝1~2時間前に入浴しておくと、寝るタイミングに体温が下がってスムーズに入眠しやすくなるのです。
ただし、熱すぎる湯船に入ったり寝る直前に入浴したりすると、交感神経が優位になって目が覚めてしまいます。睡眠の質を高めるためにも、
寝る直前の入浴は避けて38~40℃のぬるま湯につかりましょう。
適度な運動は、ほどよい疲労感が得られたりストレス発散につながったりすることで、睡眠の質を高める効果が期待できます。ただし、寝る直前に激しい運動をすると、交感神経が優位になることで、寝付きが悪くなってしまいます。
睡眠の質を高めるには、夕方から寝る3時間前までにウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動を取り入れるのがおすすめです。
寝不足を解消するには寝酒だけでなく、寝る直前のスマホやパソコンの使用を控えましょう。
スマホやパソコンの画面から発生しているブルーライトは、睡眠を促すホルモンの分泌を抑制する作用があります。そのため、寝る前にスマホやパソコンを使うと、脳が覚醒状態になって寝付きが悪くなってしまいます。
スムーズに入眠するためにも、寝る前の習慣を見直して、読書やアロマを焚くなど自分がリラックスできる方法を探してみましょう。詳しくは後述する「眠れないときの対処法」で紹介します。
自分に合っていない寝具を使っていると、寝心地の悪さから睡眠の質が下がり、寝不足につながることがあります。例えば、高さの合わない枕を使うと身体に痛みを感じて、夜中に目が覚めたり身体に疲労感が残ったりしてしまいます。
睡眠の質を高めるには、自分の体型や寝姿勢に合った寝具を使うことが大切です。例えば、仰向け寝の人が枕を選ぶときは、立っているときと同じような首から背骨にかけてのゆるやかなS字カーブが維持できる高さが理想です。マットレスは柔らかすぎず硬すぎない、寝返りがしやすいものを選びましょう。
夜に眠れないときは、温かい飲み物を飲んだりヨガやストレッチをしたりするのがおすすめです。
ここでは、眠れないときの対処法を紹介します。
寝る前に温かい飲み物を飲んで身体を温めると、徐々に深部体温が下がって眠気を感じやすくなります。加えて、温かい飲み物にはリラックス効果もあるので、副交感神経が優位になることによってスムーズに入眠しやすくなります。
眠れないときはお酒やカフェインを含んだ飲み物を避け、白湯やホットミルク、ホットココアなどを飲みましょう。
ヨガやストレッチには、筋肉のこりや緊張を和らげる効果があります。筋肉のこりや緊張が和らぐと、副交感神経が優位になり、スムーズに入眠しやすくなります。
寝る前には、首や背中の筋肉をほぐすことができる「魚のポーズ」がおすすめです。
手順は以下のとおりです。
ヨガやストレッチをする際は、深呼吸をしながら気持ちいいと思える範囲で筋肉を伸ばすことを意識しましょう。
ヒーリングミュージックとは、聴くことで安心感を得られたり、リラックスできたりする音楽のことです。ヒーリングミュージックを聴くと、副交感神経が優位になることによって自然な眠気を感じられるようになります。
睡眠の質を高めるには、ゆったりとしたテンポの音楽や、川のせせらぎ、鳥のさえずりなどの自然音を聴くのがおすすめです。
寝る前に読書をすると副交感神経が優位になって、眠気を感じやすくなります。
ただし、ホラーやサスペンスといった脳が興奮状態になるようなジャンルの本は、目が覚めてしまう原因になるので避けましょう。スムーズに入眠するためには、ビジネス書や自己啓発本、エッセイ、短編集などを読むのがおすすめです。
眠れないときは、副交感神経を優位にしてくれるアロマを焚くのも効果的です。好きな香りのアロマを選ぶことでさらなるリラックス効果が期待できます。
睡眠時に適しているといわれているアロマには、ラベンダーやサンダルウッド、ゼラニウムなどがあります。ただし、苦手な臭いのアロマを焚くとかえって眠れなくなる原因になるので、実際に嗅いで好みかどうかを確認したうえで選びましょう。
飲酒量や頻度を見直したり睡眠の質を高める工夫を取り入れたりしても、慢性的な寝不足に悩まされている場合は、以下のような病気が隠れている可能性があります。
病名 | 特徴 |
うつ病 | 不眠や寝すぎてしまう症状がある |
睡眠時無呼吸症候群 | 睡眠中に何度も呼吸が止まり、身体が酸欠状態になることで夜中に目が覚めてしまう |
ナルコレプシー | 日中に耐え難い眠気と居眠りを繰り返す |
特発性過眠症 | 日中に過度な眠気を引き起こし、居眠りが1時間以上続く |
反復性過眠症 | 1日中ほとんど寝て過ごす状態が2~5日以上続く |
慢性的な寝不足に悩んでいる人は、内科や心療内科、精神科などに相談しましょう。
寝不足のときにお酒を飲むと、かえって寝不足が悪化する原因となってしまいます。寝不足を解消するためには、お酒の飲み方を工夫したり飲酒を控えたりするだけでなく、適度な運動を取り入れるなどの生活習慣を見直すことが大切です。
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