公開日:2024.01.10
更新日:2024.01.15
目次
日本人の中には、仕事や家事が忙しいために十分な睡眠時間を取れてない人が多くいます。寝不足は腹痛を引き起こす原因になり、だるさや睡眠障害などさまざまな症状にも繋がります。寝不足が続く場合は、生活習慣を見直して質のよい睡眠をとることが大切です。
本記事では、寝不足が腹痛を引き起こす原因や対策などについて詳しく解説しています。寝不足に悩んでいる方や、寝不足からの腹痛を感じる方は参考にしてみてください。
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寝不足が腹痛を引き起こす背景には、自律神経のバランスの乱れがあります。
自律神経は、胃腸の運動をコントロールする機能です。日中活動しているときは交感神経が優位になり、寝ているときは副交感神経が優位になります。
しかし、寝不足で自律神経が乱れると、腹痛を感じたり便秘や下痢などを引き起こしたりします。
自律神経は、日中活動しているときは交感神経が優位になり、胃腸の働きが弱まります。夜間は副交感神経が優位となり、胃腸の働きが活発になる仕組みです。
睡眠時に胃腸の働きが活発になることで、便が大腸で水分を吸収しながら動き、起床時の排便に繋がります。生活リズムが乱れると交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、腹痛などを引き起こす可能性があります。
寝不足が原因で腹痛となる場合は、病気が隠れている可能性もゼロではありません。腹痛が原因として考えられる病気には、過敏性腸症候群というものがあります。
過敏性腸症候群は、腸に異常がないにも関わらず腹痛や便秘などが起こる病気です。下痢や便秘が慢性的に続いたり、腹痛と便秘を繰り返したりしている場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。
「症状が激しい」「慢性的に改善しない」といった場合は他の病気の可能性もあるため、病院に行くようにしましょう。
寝不足は、腹痛以外にもさまざまな不調を引き起こします。ここでは、寝不足が引き起こす不調を紹介します。
寝不足になると、自立神経の乱れから内臓機能の低下に繋がります。内臓機能が働かなくなると血管が収縮し、ホルモンバランスが崩れる原因となります。最悪の場合は高血圧症やがんなどにかかりやすくなるため、悪化する前に寝不足を解消することが大切です。
寝不足が続くと、肥満になりやすくなります。人間は寝ている間もカロリーを消費していますが、寝不足になると睡眠中の基礎代謝を生かせません。
また睡眠不足中は「レプチン」という食欲を抑制するホルモンが減って、「グレリン」という食欲を増進させるホルモンが増えます。食欲のホルモンバランスが乱れた結果、肥満になりやすくなります。
睡眠不足が続くと、だるさや倦怠感を感じやすくなります。十分に眠れない日が続いて疲れやすくなったり、仕事のペースが落ちたりする経験をしたことがある方もいるでしょう。
睡眠は本来、溜まった1日の疲れを回復する時間です。睡眠の時間が少なかったり質が下がったりすると、身体を回復できないまま疲れを翌日に持ち越すことになります。その結果、日中にだるさを感じやすくなります。
寝不足になると、睡眠障害の症状が現れます。睡眠障害は睡眠に影響が出る症状で、例えば「なかなか寝付けない」「夜中に目が覚める」といった症状も睡眠障害のひとつです。
慢性的な寝不足は不眠症や睡眠負債に繋がります。睡眠障害が続くと、改善するために寝たくても寝られない悪循環となり、日常生活にも支障を来たす恐れがあります。睡眠障害がひどくなる前に改善することが大切です。
そもそも日本人は、睡眠時間が短い傾向があります。日本人の平均睡眠時間は、7.3時間(2021年)です。それなりの睡眠時間をとっているように見えますが、OECD加盟国30カ国の中では最も短い睡眠時間です。
日本人の睡眠時間が短い理由には、「長時間労働が普通」「家事や育児などやるべきことが多い」といったことが挙げられます。
寝不足を解消するためには、質のよい睡眠をとることが大切です。しかし、どうしても睡眠時間を確保できなかったときや日中に腹痛を感じたときは、ツボを押すことも腹痛の軽減に繋がります。ここでは効果的な3つのツボを紹介します。
中脘は、おへそとみぞおちのちょうど中間にあるツボです。内臓機能全般の働きを活発にする効果があります。
腹痛を感じる方は、中脘を1日に3回、3秒押してみてください。また冷え症の方は、自分の手のひらなどでツボを温めるのも効果的です。
関元は、おへそから指4本下にあるツボです。精神を安定させたり、女性のホルモンバランスを整えたりする効果があります。内臓機能全般の働きを活発にするため、腹痛にも効果的です。
関元を押すときは、指を揃えて人差し指をおへそに当ててください。ツボを温めると冷えにも効果的です。
合谷は、人差し指と親指の付け根の間にあるツボです。腹痛や冷え性、頭痛や肩こりなど幅広い症状に効果があります。
合谷を押すときは、親指と人差し指で挟むように押してください。腹痛があるときに腹部を刺激したくない方は、まず合谷を押すとよいでしょう。
寝不足で腹痛にならないためには、日常の生活習慣を整えて質のよい睡眠をとることが大切です。ここでは、寝不足で腹痛にならないために改善できる対策を説明します。
寝不足を改善するためには、生活リズムを整えましょう。寝不足が腹痛を引き起こす原因に自律神経の乱れがありますが、自律神経の乱れを改善するためには生活リズムを整えることが大切です。日常生活で以下の点に注意してみてください。
寝不足で腹痛になっているときは、消化のいい食事を意識しましょう。
寝不足続きのときは睡眠中でも交感神経優位になることがあります。交感神経が優位になると、胃腸の働きが弱って消化活動が抑えられてしまいます。消化不良を起こさないためにも、うどんや雑炊、豆腐や野菜など消化のいい食事を心がけましょう。
入浴は、副交感神経を優位にする効果があります。寝つきが悪い方は、38℃のぬるめのお湯で25分〜30分程度つかりましょう。血流を促し、夜にぐっすり眠りやすくなります。
熱すぎるお湯は目を覚ましてしまうため、ぬるめの温度がおすすめです。
日中に眠気を感じたときは、仮眠するのもおすすめです。短時間の昼寝は夜の睡眠にも影響を与えにくく、リラックスや疲労回復の効果があります。
ただし、仮眠は30分以内にしましょう。長時間の仮眠になると寝起きがつらくなったり、夜に眠れなくなったりします。熟睡モードにならないよう、横になって寝るのではなく椅子に座ってもたれかかって寝るのがおすすめです。
自律神経を整えるためには、運動も効果的です。運動中は自律神経が活発になって交感神経が優位の状態になりますが、回復中は副交感神経が優位になります。運動によって、ストレス解消やスムーズな入眠・熟睡にも繋がります。
腹痛がつらいときに無理は禁物ですが、できる方はウォーキングやジョギングなど軽い有酸素運動を取り入れてみてください。
睡眠不足が続いたり、腹痛を感じたりしたとしても、自分で原因や状態を判断するのは難しいこともあるでしょう。慢性的な寝不足が続くようであれば、医療機関を受診するようにしてみてください。寝不足の改善をしたい場合は、睡眠外来を受診するのもおすすめです。
症状がつらい方は病気が隠れている可能性もあるため、悪化する前に医療機関を頼りましょう。
寝不足が腹痛を引き起こす背景には、自律神経のバランスの乱れがあります。寝不足が続くと肥満になりやすくなったり、だるさや倦怠感を感じたり、腹痛以外にもさまざまな症状を引き起こします。
寝不足の方は、食事や入浴、運動習慣を見直して生活リズムを整えましょう。慢性的な寝不足が続く方は、医療機関を受診してみてください。
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