逆流性食道炎を抑える寝方はある？なりやすい人の特徴や気をつけたい習慣についても解説

「逆流性食道炎が原因で熟睡できない」と悩んでいる方も多いでしょう。逆流性食道炎は元々高齢者に多い病気でしたが、昨今では若い人でも発症することがあります。この記事では、逆流性食道炎を抑える寝方やなりやすい人の特徴、気をつけたい習慣などについて解説しています。ぜひ参考にしてください。

逆流性食道炎を抑える寝方とは？

逆流性食道炎を抑えたいときには、どのような寝方をするとよいのでしょうか。もし寝ているときに症状が現れたときには、以下の寝方を実践してみてください。

上半身を高くして寝る

普段仰向けで寝ている人は、上半身を高くして寝ることで物理的に胃液の逆流を防ぐことができます。座布団などを頭の後ろに挟み、上半身の高さを調節してみましょう。ただし、高くしすぎると肩こりの原因になる可能性もあるため注意してください。

身体の左側を下にして寝る

横向きで寝るときは、身体の左側を下にして寝てみましょう。左側を下にすると、下部食道括約筋にかかる圧力が低下し、胃酸が逆流しにくくなります。しかし、人によっては効果がないこともあるため、無理のない範囲で実践してみてください。

そもそも逆流性食道炎ってなに？

逆流性食道炎とは、胃の内容物（主に胃酸）が食道に逆流し、食道粘膜に炎症が起こる病気です。胸やけや胸の痛みが主な症状で、成人の約10〜20％がかかっている病気と言われています。症状を長期間放置していた場合は、食道がんなどの他の病気になるリスクが高くなります。

逆流性食道炎の原因

胃と食道の間には、下部食道括約筋という筋肉があります。この筋肉は、食事のとき以外は胃の入口を締めて、胃酸の逆流を防いでくれています。しかし、食べすぎや加齢による変化、肥満などによって下部食道括約筋の機能が低下すると、筋肉が緩まり逆流が起こるようになってしまいます。

逆流性食道炎はどんな人がなりやすい？

では、逆流性食道炎はどんな人がなりやすい病気なのでしょうか。自分自身に当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。

食生活・生活習慣が乱れている人

ストレスなどにより、食生活や生活習慣が乱れていると逆流性食道炎になりやすいです。以下の項目に当てはまる人は、生活習慣を見直してみましょう。

• ついつい食べ過ぎてしまう
• 食べるスピードが早い
• 食べたあとにすぐに横になる
• アルコールを過剰に摂取している
• 喫煙をしている

姿勢・体型が崩れている人

仕事などで前屈みの姿勢が続いている人や、肥満傾向にある人は逆流性食道炎になりやすいとされています。以下で紹介する姿勢、体型の人は注意が必要です。

• 普段から猫背気味である
• 長時間、前屈みの姿勢になっている
• 腹部を締め付ける洋服を着ている
• 肥満体型である
• 妊娠している

逆流性食道炎はどんな症状が出る？

逆流性食道炎になると、酸っぱいゲップが出たり、胸焼けを感じることが多いです。もし、食後にこれらの症状があるときには、専門医に相談することをおすすめします。

• 胸焼け・胃もたれがする
• 酸っぱいゲップが出る
• 胃液が上がってくる感じがする
• 喉がヒリヒリする
• 食べ物が喉につかえる

逆流性食道炎になりやすいかセルフチェックしてみよう

もし、自分が「逆流性食道炎かも？」と思ったら、以下の項目に当てはまっているかチェックしてみましょう。一つでも当てはまる場合は、逆流性食道炎の可能性があります。

• お腹が張りやすい
• 食後に胃がもたれる
• ゲップがよく出る
• 酸っぱいものが上がってくる感じがする
• 前屈みになると胸焼けがする
• 胸のあたりに痛みを感じる
• 喉がつかえて食べ物が食べにくい
• 食事の途中で満腹になる
• 食後に吐き気がする
• 風邪をひいていないのに咳が出る

逆流性食道炎を引き起こさないために気をつけたい習慣

続いては、逆流性食道炎を引き起こさないために気をつけたい習慣を5つご紹介します。日常の些細なことが原因になっていることが多いため、できることから改善してみましょう。

食生活を改善する

早食いや食べ過ぎ、就寝直前の食事は避けるようにしましょう。特に、アルコールや、揚げ物、肉類など脂肪分の多い食べ物は、胃酸の分泌を増加させてしまいます。また、コーヒーや香辛料、酸っぱいものも食べ過ぎには注意が必要です。一方、キャベツやレタス、トマトなど、胃の粘膜を修復するビタミンUが含まれている食材は、胃への負担を抑えられるためおすすめです。

食後2～3時間は横にならない

食後は、胃酸が最も多く分泌されています。食後すぐに横になると、筋肉の圧力が低下し、胃液が逆流しやすくなってしまいます。そのため、夕食は寝る2〜3時間前までに済ませるのが理想的です。

腹圧がかかる服装を避ける

腹部を圧迫する服装や、ベルトの締めすぎも注意が必要です。腹圧が上昇し、胃液が逆流しやすくなってしまいます。なるべくゆったりとした服装を心がけたり、休憩時間にベルトを緩めて身体を伸ばすなど工夫してみましょう。

前屈みの姿勢を避ける

庭仕事やデスクワークなどで、長時間前屈みの姿勢が続いている人もいるでしょう。前屈みの姿勢は、腹部が圧迫されて胃液の逆流の原因になってしまいます。こまめに休憩をとったり、ストレッチをして腹圧を下げるようにしましょう。

喫煙を控える

喫煙は、胃液の分泌を促進させ、下部食道括約筋の緩みを招きます。さらに、食道粘膜のバリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなってしまいます。できる限り禁煙し、胃への負担を減らすようにしましょう。

医療機関での逆流性食道炎の検査と治療方法

逆流性食道炎の症状があるときには、早めに医療機関を受診しましょう。医療機関では、胃カメラや内視鏡で検査が行われることが多いです。検査に抵抗がある人も多いと思いますが、なるべく苦しくないように、鼻から挿入する細い内視鏡を使っている病院もあります。逆流性食道炎と診断された場合は、胃酸を抑える薬や粘膜を保護する薬を服用しながら、生活習慣を改善していきましょう。

逆流性食道炎は胃食道逆流症の一種

胃食道逆流症の種類には、「逆流性食道炎」と「非びらん性胃食道逆流症」があります。非びらん性胃食道逆流症は、食道粘膜に炎症はないものの、逆流性食道炎と同じ症状が出る病気です。ストレスや睡眠障害がある人に多く、食道粘膜が過敏になっていることが原因です。食道のぜん動運動機能に問題がある可能性もあるため、症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ

逆流性食道炎は、胃の内容物（主に胃酸）が食道に逆流し、食道粘膜に炎症が起こる病気です。寝るときに胃酸の逆流に悩まされるときは、上半身を高くする、身体の左側を下にするといった寝方を試してみましょう。逆流性食道炎は、食生活・生活習慣の乱れや、姿勢・体型の崩れが原因となっていることが多いです。食事の改善や禁煙をするなど、普段の生活を見直してみましょう。胸焼け、酸っぱいゲップが出るなど、症状がひどい場合は、すみやかに医療機関を受診して適切な治療をしてもらいましょう。