寝起きに鼻水が止まらないのはモーニングアタックかも？原因と対策を紹介

寝起きは、アレルギー症状が悪化しやすい傾向にあると言われています。そのため、寝起きに鼻水やくしゃみがひどくなるという方も多いのではないでしょうか。本記事では、寝起きの鼻水やくしゃみの原因、対策について紹介します。寝起きの鼻水に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

寝起きに鼻水が出るのは「モーニングアタック」かもしれない

アレルギー性鼻炎の場合、寝起きに鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状が悪化することがあります。これは、「モーニングアタック」と呼ばれる現象で、日中よりも朝に起こりやすいと言われています。

そもそもアレルギー性鼻炎とは

アレルギー鼻炎は、花粉やハウスダストなどの「アレルゲン」が鼻の粘膜に付くことで、くしゃみや鼻水などの症状が起こる病気です。主に、一年を通して発症する「通年性アレルギー性鼻炎」と、春や秋などの特定の季節に発症する「季節性アレルギー性鼻炎」の2種類がありますが、中には両方を合併している場合もあります。

寝起きに鼻水が出る「モーニングアタック」の原因とは

それでは、なぜモーニングアタックが起こるのでしょうか。原因として考えられるのは、夜間に床に落ちた花粉やハウスダスト、ダニなどのアレルゲンを起床時に吸ってしまうことです。布団を上げたり畳んだりする際にアレルゲンが空中に舞い上がり、それを吸入することで発症します。

また、起床時は副交感神経が優位な状態から交感神経が優位な状態に切り替わります。自律神経のバランスが一時的に崩れるため、鼻の粘膜が敏感になりやすいと言われています。

モーニングアタックの症状

モーニングアタックの症状として挙げられるのは、主に鼻水やくしゃみ、咳、目のかゆみ・まぶたの腫れなどです。また、寝不足になることで、目覚めの悪さや日中の眠気、集中力欠如にもつながります。

モーニングアタックを防ぐ方法4選

モーニングアタックは、日常的な対策が可能です。ここでは、モーニングアタックを防ぐ方法を4つご紹介します。

花粉やハウスダストの室内への侵入を防ぐ

外出して家の中に入るときは衣服などに付着した花粉を払い、室内に持ち込まないようにしましょう。特に花粉や土埃はハウスダストの原因にもなるため、注意が必要です。

空気清浄機を使用する

空気清浄機を積極的に活用することもモーニングアタック対策になります。寝ている間に使用すると、床にハウスダストや花粉が溜まるのを防いでくれます。花粉の季節は、花粉を取り除くフィルター（HEPAフィルターなど）を使うとよいでしょう。

こまめに掃除をする

こまめな掃除も効果的です。ただし、掃除の際は花粉やハウスダストなどのアレルゲンが舞い上がらないよう、注意する必要があります。朝、床に溜まっているときにモップやぞうきん、お掃除シートなどでふき取り、その後掃除機で吸い取るのがおすすめです。また、ハウスダストは家具の上や隙間、床の隅といった気づきにくい場所に溜まりやすいため、念入りに確認しながら掃除を進めるとよいでしょう。

花粉の季節は室外に洗濯物を干さない

モーニングアタックを防ぐ方法として、花粉シーズンは布団や衣類の外干しを避けることも重要です。室内に侵入する花粉の4割ほどが、洗濯物の外干しによるというデータもあります。ただし、どうしても外干しの必要がある場合は、洗濯の際に柔軟仕上げ剤を使う、午前中に干す、取り込むときに花粉を払う、といった工夫をすることである程度の効果があります。

「鼻うがい」は効果がある？

寝る前に鼻うがいをすることで、朝の症状の改善や鼻づまりによる寝苦しさの改善が期待できます。鼻うがいの具体的なやり方は下記の通りです。

1. 38〜40℃程度のぬるま湯200mlに小さじ1/2の食塩を加えて混ぜ、洗浄液を作る（市販の洗浄液でもよい）
2. 前かがみの状態で「あー」と言いながら、洗浄液をゆっくり鼻に流し込む
3. 流し込んだ洗浄液を反対の鼻の穴から出す（流し込んだ鼻の穴から出してもよい）
4. 最後にやさしく鼻をかむ

また、鼻うがいをする場合、次の5つの点に注意が必要です。

• 前かがみでゆっくり行う
• 洗浄液は飲み込まない
• 鼻の中に残らないようにする
• 1日2回程度までにする
• 誤嚥しやすい・鼻づまりがひどい・喉の炎症がある・中耳炎の人は行わない

鼻うがいには、「痛そう」「ツーンとしそう」といった印象がありますが、鼻水と同じ塩分濃度の洗浄液を使うことで浸透圧が同等になり、快適に行えます。

モーニングアタックの治療方法

モーニングアタックの治療方法として、受診して薬を処方してもらうことが挙げられます。漢方薬や抗ヒスタミン薬の服用によって、症状の緩和が可能です。また、アレルゲンの種類や症状によっては、レーザー治療や舌下免疫療法も選択できます。市販薬にもアレグラ、クラリチン、アレジオンなどの抗ヒスタミン薬があるため、薬局・ドラッグストアなどで購入して対処してもよいでしょう。

まとめ

もともとアレルギー性鼻炎の症状があり、特に寝起きに鼻水やくしゃみがひどくなる場合、「モーニングアタック」の可能性があります。モーニングアタックは、室内に花粉などを持ち込まない、こまめに掃除を行う、空気洗浄機を活用する、外干しを控えるなどで対策すると効果的です。また、寝る前の鼻うがいも改善につながります。抗ヒスタミン薬や漢方などの服用で症状が緩和されるため、医療機関への受診または市販薬での対処がおすすめです。