貧血と眠気の関係とは？眠気の対処法や貧血の改善策を紹介

日中に眠気を感じて、仕事や勉強が手につかないと悩んでいる人が多いのではないでしょうか。なかには、めまいや倦怠感など貧血の症状が見られ、眠気が貧血によるものだと考えている人もいるかもしれません。

そこで今回は、貧血と眠気の関係性を紹介します。眠気の対処法や貧血の改善策も紹介しているので、眠気やめまい、倦怠感などに悩まされている人は、ぜひ参考にしてみてください。

貧血だと眠気があるのはどうして？

貧血により眠気を感じるのは、身体が酸素不足を引き起こし、脳の活動が低下していることが原因です。

貧血とは、血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の量が少なくなった状態を指します。ヘモグロビンは全身に酸素を送る役割があり、不足すると脳に酸素が十分に行き届かなくなり、眠気を感じてしまうのです。

そもそも貧血とは

先述した通り、貧血は血液中の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」が不足することで引き起こされます。赤血球は内部にあるヘモグロビンと、肺から取り込んだ酸素を結合させ、身体のすみずみまで運ぶ役割があります。

赤血球が減るとヘモグロビンの数も少なくなり、全身に酸素が行き渡らなくなって、めまいや倦怠感、眠気を感じるようになるのです。

貧血で起こる眠気以外の症状

貧血になると眠気以外にも、めまいや動悸、倦怠感などの症状も現れます。ここからは、貧血でよく見られる症状を紹介します。

めまい・立ちくらみ・頭痛

貧血になると脳が酸素不足を引き起こすため、めまいや立ちくらみ、頭痛などの症状が現れます。身体のなかでも脳が消費する酸素の割合は高いので、貧血による影響を受けやすいのが脳といわれています。

ただ、症状の現れ方には個人差があり、めまいのみで頭痛は起きないケースもあります。

動悸

貧血によりヘモグロビンが不足すると、臓器にも酸素が行き渡らなくなるため、動悸や息切れが起こる原因となります。少なくなったヘモグロビンを全身に循環させようと、心拍数が上がることで動悸につながるケースも考えられます。

肩こり

貧血になると筋肉も酸素不足を引き起こし、代謝が悪くなります。代謝の悪化は筋肉の疲労につながり、この状態でデスクワークなどで同じ姿勢をとりつづけると、肩がこりやすくなってしまうのです。

寒気

貧血により血行が悪化することで、身体の末端まで酸素が届かなくなり、寒気を感じたり手足が冷えやすくなったりします。酸素が不足すると身体の活動が低下し、細胞が熱を生み出せなくなるためです。

食欲不振・吐き気

貧血になると内臓の働きが低下しやすくなります。その結果、胃腸の機能がうまく働かなくなるため、食欲不振や吐き気の症状が現れる場合もあります。

倦怠感・疲れやすさ

全身に酸素が行き渡らなくなると、内臓の機能が低下し、倦怠感や疲れやすさにつながります。また、酸素不足により筋肉が疲労しやすい点も、疲れやすさを引き起こす要因として考えられます。

貧血の原因とは

貧血になる原因には、鉄分不足や出血過多などが考えられます。ここでは、貧血の原因を紹介します。

鉄分の摂取不足

赤血球に含まれるヘモグロビンの原料は鉄分です。そのため、体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンの量が減り、貧血になるとされています。鉄分が不足する原因は、栄養バランスが偏った食事や過剰な食事制限などが挙げられます。

鉄分の需要増加

鉄分が摂取できていても、身体が必要としている鉄分量が増えると貧血になるケースもあります。具体的には、以下のような場合は必要な鉄分量が増えるため、貧血になりやすくなります。

• 成長期
• 月経
• 授乳期
• 激しい運動をしたとき

出血過多

何らかの理由で出血が増えすぎることも貧血の原因の一つです。例えば、子宮内膜症や子宮筋腫の場合、経血の量が多くなりやすいため、貧血の原因となる可能性があります。また、以下のような疾患がある場合も、慢性的な出血が原因で貧血になりやすいといわれています。

• 胃がん
• 大腸がん
• 胃潰瘍
• 十二指腸潰瘍

貧血になりやすい人とは

過度なダイエットをする人や偏った食生活をする人は、貧血になりやすい傾向があります。ここからは、貧血になりやすい人を紹介するので、当てはまる場合は食生活などを見直すことが大切です。

女性

貧血は男性よりも、月経により定期的な出血がある女性がなりやすいといわれています。また、月経だけでなく妊娠や授乳などによる栄養不足から、貧血が起こりやすい状況が続きます。このように女性は一生を通して、貧血になりやすい条件が揃っているため、貧血で倒れることがないように日頃から注意しておくことが大切です。

過度なダイエットをする人

赤血球の原料となる鉄分や葉酸、ビタミンB12などの必要な栄養素を十分に摂取できていないと貧血になりやすくなります。そのため、過度なダイエットにより食事制限を続けると、必要な栄養素が不足し、貧血を引き起こす可能性が高まります。

偏った食生活をする人

偏った食生活をする人の多くは、身体に必要な栄養素が不足している可能性があります。そのため、赤血球の生成に必要な鉄分なども不十分となり、貧血が起きやすくなります。また、アルコールを過剰に摂取すると、赤血球のもととなるビタミンB12や葉酸の吸収を妨げるので、過度な飲酒にも注意が必要です。

貧血と似ている症状

貧血とPMS（月経前症候群）は、頭痛や倦怠感、眠気など症状における共通点が多くあります。PMSは、月経の3～10日ほど前から現れる不調のことですが、貧血とはまったく別の症状です。

例えば、貧血によって感じる眠気は、ヘモグロビンの量が減ることで脳が酸素不足を引き起こしている状態です。一方、PMSによる眠気は、排卵後に発生するホルモンが原因とされています。

ただ、PMSは鉄分不足が原因となっているケースもあるため、貧血を治すことでPMSの改善につながる可能性もあります。

貧血かな？と思ったらセルフチェックしてみよう

症状によっては、自身が貧血か判断するのが難しい人もいるかもしれません。ここでは、自身が貧血であるかを確認できるセルフチェックの方法を紹介します。

眼

下まぶたをめくった部分には、たくさんの毛細血管があります。通常であれば、赤く見えますが、白くなっている場合は貧血の可能性が考えられます。

舌

健康的な舌は、ピンク色でうっすらと白い舌苔に覆われています。ところが、舌本来の色が白っぽい場合は、貧血である可能性があります。

爪

貧血の場合、爪のピンクの部分が白くなっていることがあります。また、爪が反り返ってスプーンのように凹んでいる「スプーン爪」になっているときも、貧血である可能性が考えられます。

貧血による眠気の対処方法

貧血による眠気に悩まされている場合、起きてすぐに日光を浴びる習慣を取り入れてみましょう。日光を浴びてから14～16時間後に睡眠を促すメラトニンの分泌が再開されるため、スムーズに入眠できるようになります。スムーズに入眠できると、睡眠の質が高まり、眠気の改善につながるでしょう。

眠気などの貧血症状に悩む場合は貧血を改善しよう

貧血による眠気は、起きてすぐ日光を浴びる習慣を取り入れると、一時的に改善する可能性があります。しかし、眠気などの貧血症状に悩む場合は、一時的な対策を取るだけでなく、貧血の根本的な原因を改善させることが大切です。貧血を改善させる方法は、次章で紹介します。

貧血を改善するためのポイントは食生活と睡眠

貧血を改善させるポイントは食生活と睡眠の2つです。ここからは、食生活と睡眠を見直す方法を紹介します。

食生活を見直す

貧血は栄養不足が原因となっているケースが多くあります。そのため食生活を見直し、バランスよく栄養を摂取することが大切です。具体的には、鉄分やタンパク質、ビタミンCを摂取することを意識しましょう。

鉄分やタンパク質は赤血球を構成する栄養素です。鉄分はレバーや魚、タンパク質は肉や大豆製品から摂取できます。ビタミンCはタンパク質や鉄分の吸収をサポートする役割があり、野菜や果物から摂取できます。

質の高い睡眠をとる

人は寝ている間に血液を生成しているといわれています。そのため、睡眠の質が悪いと、血液の生成もスムーズに進まなくなります。睡眠不足のままでは貧血の改善は難しいので、食生活と一緒に睡眠の質を見直すことも大切です。

睡眠の質を向上させる方法4つ

貧血を改善させるためには、睡眠の質を向上させることが欠かせません。最後に睡眠の質を向上させる4つの方法を紹介します。

寝具を見直す

自分に合う寝具を見直すことで、睡眠の質が上がる可能性があります。例えば、枕を選ぶときは、まっすぐ立ったときと同じような寝姿勢を保てる高さや好みの硬さのものを選びましょう。マットレスは、適度な厚みと硬さがあり、身体の圧力を分散してくれるものを選ぶと、快適に眠りやすくなります。

寝る前のスマホ利用を控える

スマホの画面から発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンの分泌を抑制する効果があります。そのため、寝る前にスマホを使うと眠気を感じられなくなり、睡眠の質が低下してしまいます。可能な限り、就寝前のスマホを控え、読書や音楽などリラックスできるものを取り入れましょう。

入浴は就寝の1〜2時間前までに終える

人は深部体温が下がったタイミングで、自然な眠気を感じられます。そのため、就寝の1～2時間前までに入浴すると、布団に入る時間に深部体温が下がり、スムーズに入眠できます。ただし、熱すぎるお湯に入ると交感神経が優位になり、目が覚めてしまうので38～40℃のぬるま湯につかるのがおすすめです。

おすすめの入浴方法は、こちらの記事で詳しく紹介します。

お風呂は寝る前に入るのがいい？効果やタイミング、おすすめの入浴法を紹介！

寝る前はあたたかい飲み物でリラックスする

寝る前に白湯やハーブティーなど、あたたかい飲み物を飲むと、自然な眠気を感じられてスムーズに入眠できます。ただし、カフェインやアルコールは覚醒作用があるため、寝る前に飲むのは控えましょう。

睡眠の質を向上するおすすめマットレス3選

睡眠の質を向上するおすすめ枕3選

まとめ

貧血になると脳が酸素不足を引き起こすため、眠気を感じるケースがあります。貧血の原因として考えられるのは、鉄分の不足や出血過多などが挙げられます。偏った食生活をしている人や女性は貧血を起こしやすくなるので注意が必要です。

貧血を改善させるには、血液の生成に必要な栄養素を積極的に取り入れ、寝具や寝る前の習慣を見直しながら睡眠の質を高めていくことが大切です。