公開日:2022.11.20
更新日:2023.03.16
目次
カフェインは眠気を覚ますものだと思っている方は多いのではないでしょうか。実はカフェイン(主にコーヒー)を摂取しても、エネルギーになって眠気を覚ますことはなく、逆に眠くなることがあるのです。本記事では、カフェインで眠くなる理由と眠気覚ましの方法などについて詳しく解説していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
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カフェインを摂取して眠くなった、という経験をしたことはないでしょうか。ここでは、カフェインを飲むと眠くなる理由について詳しく解説していきます。
カフェインには、頭が冴え眠気を覚ます覚醒作用があります。これは、脳内で作られるリラックス作用のある「アデノシン」という睡眠物質の働きが、カフェインを摂取することで妨げられるからです。
覚醒作用は体内に取り入れてから、15分から1時間ほどで効果が表れ、人によりますが30分ほどで効き始めると考えられます。カフェインはアデノシンの働きを妨げるため、眠気覚ましに効果的だと言われていますが、この覚醒作用が薄くなってくると、眠気を感じるようになります。
上述したように、睡眠物質アデノシンで満たされた脳内は本来休息モードへと移行させようとしますが、そこにカフェインが入ってくるとアデノシンは正常な働きを妨げられるため、働きが低下します。
カフェインは、脳や身体が起きている状態だとずっとそこに居座るため、細胞の働きは常に活発な状態です。この活動力は、2時間から4時間ほどと言われていますが、完全になくなるのは数日かかると言われています。この覚醒時間が長いほど、活動量も増え続けるため、疲労感となり眠気を感じるということです。
通常の疲労感は、活動してエネルギーを消耗すると脳が疲労を知らせる指令を出すことで感じます。
しかし、カフェインを摂取し続けると覚醒作用により、その指令を邪魔するので疲労を感じにくくさせてしまうのです。そのため、活動量が増え続け、本来身体は疲労しているのに、脳ではその疲労を感じられないから活動し続けてしまうという状況に陥ります。
カフェインはエネルギーになることはなく、脳の細胞を活発に働かせているだけです。少ないエネルギーで活動し続けるので、身体の恒常性機能が働いて睡眠欲求を強く求めてしまうことから、眠くなるというわけです。
自律神経が正常に働いていれば、寝る時間には体温が下がり、活動する時間には体温が上がります。
体温が下がると、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されて眠くなるように、脳が指令を出しています。しかし、不眠症などで自律神経が乱れている人はこの機能がうまく働かず、眠くなるタイミングにズレが生じてしまうのです。体内には、一定の時間に眠くなり一定の時間に覚醒するというリズムがありますが、自律神経が乱れているとこのリズムが崩れ、カフェインを摂取していても眠気が覚めないというわけです。
カフェインには体内の老廃物の排出を促す利尿作用があります。利尿作用とは、尿の量を増やして排尿を促進する作用ですが、眠気を抑えようと大量にカフェインを摂取すると、体内の必要な水分までも排出されてしまうため脱水症状になりやすいのです。
脱水症状は血流の悪化を招き、倦怠感や眠気を引き起こしかねません。コーヒーで言えば理想は1日2杯〜3杯までとし、それ以上の摂取はなるべく控えるようにしましょう。どうしても、という場合はカフェインレスのコーヒーなどが良いです。
カフェインとは、コーヒー豆や緑茶、紅茶の茶葉などに含まれる天然成分のひとつであり、苦味のもとになっています。最近では、コーラやエナジードリンクなどの清涼飲料水にも、抽出されたカフェインが添加されており、医薬品では総合感冒薬や鎮静薬などに用いられます。世界で最も広く使用されている精神刺激物とも言えるでしょう。
それでは、カフェインの主な作用とはなんでしょうか。ここではコーヒーに含まれる、カフェインの作用について詳しく解説していきます。
主な作用としては、中枢神経を刺激して心身を覚醒させることにあります。カフェインは神経をリラックスさせる睡眠物質アデノシンと化学構造がとても似ており、前述しましたがこのアデノシンをブロックすることにより、中枢神経が刺激されて興奮状態になります。そのため、興奮するホルモンのドーパミンやグルタミン酸などが分泌され、心身の覚醒力が上がることで活動的になり、一時的に眠気を抑えるのに効果があります。
コーヒーにはポリフェノールが含まれていますが、これは抗酸化作用がありしみやしわを抑制する働きがあります。私たちの体内ではさまざまな活性酸素が発生しますが、しみやしわもそのひとつです。また、活性酸素はがんや生活習慣病の引き金になると言われており、ポリフェノールはそれらを抑制する効果があります。
挽きたてのコーヒーの香りで、心が落ち着いたという経験はありませんか。実は、リラックスしたときに脳波であるα波という物質が出るのですが、これがコーヒーの香りを嗅ぐことにより表れることがわかっています。また、カフェインにも強いリラックス効果があり、焙煎度で言えば深煎りの豆が最もリラックス効果が高いと言われています。
まず、基礎代謝とは生命を維持するために最低限必要なカロリーです。そして、カフェインを摂取することで基礎代謝が促進されるのですが、これは覚醒作用により交感神経が刺激を受けて活動的になるためです。私たちは炭水化物、脂質、タンパク質をカロリー源としていますが、なかでもカフェインは脂質の代謝を促進するとされています。コーヒーを摂取したからといって痩せるわけではありませんが、ダイエットをしてる方にとっては味方になってくれるかもしれません。
眠気覚ましの飲んだはずのコーヒーで、逆に眠くなってしまったことはないでしょうか。ここでは、カフェインで眠気が飛ぶというのは嘘なのかについて詳しく解説していきます。
覚醒作用により、一時的に眠気を抑える効果はあります。カフェインは摂取してから15分から1時間ほどで体内に行き渡り、個人差にもよりますが効き始めるのは30分ほどです。そして、効果が薄くなるタイミングとしては健康な人で2時間から4時間ほど。肝機能が衰えている人は、4時間から5時間です。効果が薄れた後に眠気がやってきます。
日頃からコーヒーなどのカフェインを多量に摂取している方にとっては、効果が薄いと言えます。
多量のカフェインを摂取することで、利尿作用により脱水症状で眠気がきます。その眠気を覚まそうと、さらにコーヒーを飲み、さらに眠くなるといった悪循環に陥るからです。1日にコーヒーを飲むのは3杯程度までとし、効果的にカフェインを摂取しましょう。また寝不足の場合も、カフェインの効果は薄いことがわかっています。
それでは、効果的にカフェインを摂取するにはどのようにすれば良いのでしょうか。ここでは、カフェイン摂取の効果的なタイミングについて詳しく解説していきます。
私たちの身体には体内リズムが存在します。そのなかで、身体のスイッチをONにする睡眠阻害ホルモン「コルチゾール」の分泌が、朝の9時ごろにピークをむかえます。その後、徐々に減り始める朝9時30分から11時30分のタイミングで、カフェインを摂取するのがベストと言えます。
脳が覚醒する朝8時から9時頃の間にカフェインを摂取してしまうと、コルチゾールの分泌が減少します。そうなると、体内にカフェインの耐性がついてしまい、今までよりも過剰に摂取するようになってしまうことも。目覚めてから1時間は時間を空けて摂取することをおすすめします。
適切なカフェインの摂取は身体に良い影響をもたらしますが、飲みすぎは逆効果です。今回は、健康的な成人、妊婦・女性で分けて見ていきましょう。
1日の摂取量 | マグカップ(250ml)あたりの量 | |
健康的な成人 | 最大400mg | 約2杯半相当 |
妊婦・女性 | 最大300mg | 約1杯半相当 |
カフェインへの耐性がつくと少量では効果を感じにくくなり、カフェイン依存へと繋がる可能性がありますので、注意が必要です。
覚醒作用は、体内に取り入れてから30分ほどかかるので眠くなる30分前に飲むのがベストです。
効果はそこから数時間持続するので、昼食後に眠くなるという方は昼食を食べ始める前に摂取するなど逆算をして、自分のタイミングに合わせて飲むようにしてください。また、砂糖が入っていると血糖値を上昇させて逆に眠くなってしまう可能性があります。眠気覚ましのために飲むのであればブラックコーヒーがおすすめです。
覚醒作用があるカフェインは、就寝直前に摂取すると睡眠の質が低下する可能性があります。仕事や勉強のために夜更かしをする場合でも、睡眠不足により体調不良を引き起こすと、翌日のパフォーマンスの低下にも繋がります。夜更かしのためにカフェインを摂取することは、なるべく控えましょう。また、カフェインには利尿作用があります。睡眠中に、何度も尿意で目を覚ますことにもなることも。睡眠の質を高めるにはまとまった時間が取れてこそですので、カフェインの摂取は就寝の4時間前までにしましょう。
依存性があるカフェインですが、摂りすぎるとどうなるのでしょうか。ここでは、過剰摂取すると起こる症状について詳しく解説していきます。
カフェインには血管を収縮させる働きがあるので、摂取しすぎは頭痛を引き起こします。これは、血管を収縮させて血流を悪化させるためです。カフェインが体内から抜けると、拡張した血管は少しずつ元に戻りますが、この締め付けから解放されて通常の血流の量に戻る過程で、痛みを招くのです。
また、慢性的なカフェイン中毒も頭痛が起こりやすいです。
吐き気や嘔吐を引き起こすひとつの原因としては、胃液の過剰分泌です。カフェインには胃を刺激して、胃液の分泌を促す作用がありますが、カフェイン中毒になると胃液の分泌が過剰になります。これが胃壁を溶かすことがあるため、吐き気や嘔吐などの体調不良が引き起こされるのです。
特に空腹時は、胃液がダイレクトに胃壁を痛めるのでカフェイン摂取は控えた方が良さそうです。
睡眠物質であるアデノシンをブロックすることにより、適切なカフェイン摂取は疲労を感じにくくする働きがある一方、過剰摂取するとその働きは薄れてしまいます。その結果、人はいっそう眠気や疲労感を感じやすくなるのです。それを解消するために再びカフェイン摂取をすることで、次第に量が増えていきますので、さらに疲労を感じるという悪循環に陥ります。
カフェインは神経を麻痺させて、覚醒状態を作ります。しかし、根本的に眠気を覚まさせたり疲労を回復させているわけではありません。そのため、一度カフェインの効果が切れると逆に集中力がなくなり、パフォーマンスの低下につながるのです。効果的に摂取できれば、一時的に集中力は上がりますので前述の1日の摂取量を参考にしましょう。
普段から過剰にカフェインを摂取していて、中断しようとすると強い不安が生じる(離脱症状)のため、いつまでもやめられず不眠が続くことになります。前述したように、カフェインには覚醒作用と利尿作用があり、これらの働きは睡眠を妨害している可能性があります。最近では残業や夜ふかしをするために、エナジードリンクを利用している方も多いですが、これにもカフェインが含まれており依存性がありますので注意が必要です。
カフェインとうまく付き合うことができれば、当然効果はあるのですが頼りすぎるのもよくありません。ここでは、カフェイン以外の眠気を覚ます方法について紹介していきます。
やはり運動することは、眠気を覚ますためには1番の方法です。30分程度の軽い運動でOKです。眠いときは副交感神経が優位になっている状態です。筋肉を動かすことで交感神経が優位になり眠気が取れますし、血行も良くなるのでスッキリします。また、積極的に身体を動かすことは睡眠の質も向上し十分な休養が得られますので、日中に眠気を感じることも少なくなるはずです。
睡眠不足で日中に眠気を感じたら、30分程度の仮眠を取り入れてみてください。カフェイン摂取後、覚醒作用が働くまでに30分かかりますのでその間に仮眠を取ると効率的です。ここで注意が必要なのは、長く寝過ぎないこと。寝過ぎてしまうと逆に疲労が出やすくなりますので、目安は30分です。
カフェインで眠くなる理由についてお分かりいただけましたでしょうか。カフェインの覚醒作用とその反動により眠気や疲労感が出ること、過剰摂取は依存しやすくなるので適切な量に留めること、カフェイン以外の眠気覚ましの方法を試すことはぜひ頭に入れておいてください。カフェインは一時的に眠気を覚ます作用はありますが、それが長時間続くわけではありません。眠気覚ましにカフェインを頼りすぎず、快適なコーヒーライフを送りましょう。
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