公開日:2022.03.04
更新日:2023.03.16
「1日の疲れを癒そうと布団に入ったら、敷きパッドやシーツの毛玉が気になって眠れない」「敷きパッドがすぐに毛玉だらけになってしまう」といった悩みを抱えている人は、少なくありません。敷きパッドが毛玉だらけの状態では見た目がよくないうえに、安眠を妨げられる可能性もあります。
ここでは、敷きパッドやシーツが毛玉だらけになる理由を紐解きつつ、毛玉だらけになったときの対処法について解説します。
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そもそも毛玉はなぜ生じるのでしょうか。毛玉ができるのは、生地表面の繊維の先端が摩擦で毛羽立ち、繊維同士が絡み合うためです。毛羽立って絡まった繊維が、毛玉です。
洋服の場合は、着用時に摩擦が多いわきの下やそで下、内股などに毛玉がよくできます。敷きパッドの場合も同様に、寝ているときにパジャマ、シーツなどが、寝返りによって敷きパッドと擦れ合って毛玉が生じます。また、洗濯するときに敷きパッドと洋服などが絡まり合うことで、毛玉ができるケースもあります。
敷きパッドは毎日使うものだけに、注意していても毛玉ができることがあります。できた毛玉を手で引っ張ってちぎると、毛羽立ちが余計に増え、新しい毛玉ができる原因になりかねません。毛玉ができたときの対処法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、毛玉を取る2つの方法を紹介します。
生地の目にそったブラッシングを行い、絡み合った毛羽をほぐしましょう。その後、毛玉を根本から一つひとつつまみ上げ、はさみで切るのがおすすめです。はさみのかわりに、T字カミソリを使ってもかまいません。
毛玉をカットする方法は、毛玉の量が少ない場合や、毛玉ができた範囲が狭いときにおすすめの方法です。毛玉の量が多い場合は、一つひとつ処理するのに時間がかかります。あまり現実的ではないため、ご注意ください。
毛玉の量が多かったり、毛玉ができた範囲が広すぎたりする場合は、毛玉取り機を使う方法がおすすめです。広範囲の毛玉を一気に処理でき、さほど時間がかかりません。
安全かつ手軽な方法ですが、毛玉を取ることで生地はどうしても傷んでしまいます。生地を傷めないためには、毛玉ができないようにすることが大切です。
毛玉ができるのを予防できれば、生地は傷まず取るために余分な時間をかける必要もありません。敷きパッド・シーツは消耗品ですが、少しでも長く使うために、ここで紹介する予防法を参考にしてください。
毛玉ができるのを防ぐために大切なのは、敷きパッドやシーツの洗濯表示を守ることです。また、洗濯する際はネットに入れるようにしましょう。ネットに入れることで、ほかの洗濯物と絡みにくくなります。余計な摩擦が生まれず、毛玉ができにくくなるのです。
さらに、洗濯機のごみ取りネットにたまったごみを洗濯前にきちんと取り出しておくと、ホコリがからみにくくなり、毛玉ができるのをある程度防ぐことができます。
生地には、短繊維のものと長繊維のものがあります。綿や麻、羊毛などの天然繊維はほとんどが短繊維ですが、これらは繊維が切れてホコリになりやすいという特徴があります。ホコリが洋服と擦れ合うことで、毛玉になる可能性も否定できません。
このため、部屋の中をこまめに掃除するのも毛玉を予防するうえで大切です。敷きパッドやシーツのホコリは掃除機やコロコロでこまめに取るようにしましょう。ホコリを少なくすることで、毛玉ができにくくなります。
せっかく敷きパッドやシーツを購入するなら、毛玉ができにくいものを選びたいものです。ここでは、毛玉になりにくい素材の選び方について解説します。敷きパッド・シーツ選びに際しての参考にしてください。
綿や麻、羊毛など、天然繊維の大多数は短繊維です。短繊維である綿や麻などは、毛玉ができやすいものの、繊維自体が弱く、毛玉が擦り切れて自然に脱落するため、毛玉が目立つことはさほどありません。
天然素材の中でも、繊維が短いものが多いのが綿の特徴です。切れやすく、絡まりにくいので、なかなか毛玉ができません。また、摩擦でできてしまった毛玉が自然に脱落するのか、布に残りやすいのかは、繊維の強度で決まります。
繊維が弱く繊維が短い綿100%の生地は、天然素材の中でも毛玉ができにくいものの代表格といってよいでしょう。
麻は、吸放湿性・速乾性に優れた素材です。サラサラした手触りで、清涼感があるため、夏向きの素材として知られています。一方で、毛羽立ちやすかったり、繊維くずが出やすかったりするのがデメリットです。寝具として用いる場合、繊維くずに目がいきがちですが、何度か洗濯すれば短い繊維は抜けてしまいます。
そのため、毛羽立ちや繊維くずはさほど目立たなくなります。毛玉ができるのが心配な人は、平織りの麻を選ぶようにしましょう。平織りの麻は耐久性が高いため、長期間使用でき、毛玉もあまり気になりません。
保温性・吸湿性に優れていて、耐久性も高い綿は、年中通して使用される素材のひとつです。綿の中でも、特に毛玉になりにくいといわれるのが平織りのブロードやシーチングです。
ただし、綿100%でも織り方によって毛玉になりやすいものもあります。なめらかで高級感があるサテン(朱子織)や肌触りのよいガーゼ生地は、比較的毛玉ができやすい綿素材の織物です。毛玉を作らず長く使用したい人は、洗濯時には必ず洗濯ネットに入れるといった工夫が欠かせません。
高級でなめらかな手触りが人気の素材である絹は、天然素材の中では唯一の長繊維です。長繊維は毛玉になりにくく、ほこりも出にくいのが大きなメリットです。ただし、水には大変弱く、洗濯する際はドライ洗いか手押し洗いといった繊細な扱いが必要になります。
木材パルプを原料とするテンセルもまた、天然繊維のひとつです。高い吸湿性となめらかさが特長で、毛玉になりにくいですが水に弱いのが弱点です。手洗いコースで洗濯するか、手押し洗いをして、陰干しするのがおすすめです。
化学繊維であるポリエステルは、速乾性があって洗濯しやすい、価格が比較的安いといったメリットがあります。一方で、綿と比べると吸湿性に劣ります。さらにポリエステルには、短繊維で織られたものと長繊維で織られたものがあり、短繊維で作られたポリエステルや混紡のシーツは糸の先端が多いため、毛玉になりやすいのが特徴です。
短繊維で作られたポリエステル製敷きパッドは繊維が強く毛玉が落ちにくいですが、ポリエステル製の敷きパッドを選ぶなら、毛玉になりにくい長繊維で作られたものがおすすめです。また、購入後にはしっかりケアするように心がけましょう。
敷きパッドには、毛玉ができやすいというイメージがあるかもしれません。しかし、一律に毛玉ができるわけではなく、素材や織り方などによって毛玉のできやすさに差があります。毛玉ができた場合の対処法もありますが、普段の洗濯やお手入れ時に注意すれば、毛玉ができるのを防ぐことができます。
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