幸せホルモン「セロトニン」は顔つきにも影響があるの？セロトニンの分泌を促す方法も解説

セロトニンは心身の健康に大きな影響を与えるホルモンです。「幸せホルモン」と呼ばれることもあり、気分の落ち込みが続くときはセロトニンが不足している可能性もあります。中には、セロトニンの不足で顔つきが変わったかもしれないと不安に感じている方もいるかもしれません。本記事では、セロトニンの働きや顔つきとの関係、セロトニンの分泌を促す方法などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

セロトニンとは

セロトニンは脳内で生成されているホルモンの一つです。主に疲労感の軽減、意欲向上、身体の痛み緩和などの効果があるホルモンで、心と身体にさまざまな影響を与えています。またオキシトシンやドーパミンと並んで「三大幸せホルモン」と呼ばれ、セロトニンが不足すると気持ちが落ち込んだり疲れが溜まりやすくなることもあります。

セロトニンの多さで顔つきは変わる？

セロトニンの多さで顔つきに変化はあるの？と気になっている人もいるでしょう。結論、セロトニンの分泌量が顔立ちに影響することはありません。顔の形や骨格は遺伝や成長過程で決まるため、セロトニンの量によって顔立ちが大きく変わるとは考えにくいでしょう。

セロトニンによって顔立ちは変わりませんが、人に与える印象が左右する可能性はあります。例えばセロトニンが多い人は表情が明るくなりやすく、幸せそうな印象を与えるかもしれません。反対にセロトニンが不足すると、顔の締まりが悪くなったり姿勢が悪くなったりと暗い印象を与える場合があります。

セロトニンが心と身体に与える影響

セロトニンはポジティブな感情を生み出すホルモンです。落ち込んだ気分を回復させたり、自律神経を正常に保ったり、イライラを静めたりと心の健康に大きな影響があります。また血圧や体温の上昇、不調改善、疲労回復など身体にも好影響があります。セロトニンは私たちの健康な生活に欠かせないホルモンと言えるでしょう。

ストレスはセロトニン減少の原因となる

「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンは、心身がストレスを感じると減少してしまいます。心身にストレスが加わると、副腎から「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールは血糖値を上げたり自律神経のバランスを乱したりと、セロトニンの分泌を抑制する恐れがあるホルモンです。セロトニンの分泌を高めるためには、日頃からストレスを溜め込まないように心がけることが大切です。

セロトニンを増やす方法

「セロトニンを増やしたい」「セロトニンを増やす方法を知りたい」と思っている人も多いでしょう。ここからは、食事や睡眠など生活習慣で取り入れられる、セロトニンを増やす方法をご紹介します。

朝日を浴びる

セロトニンを増やすためには、朝起きてすぐに朝日を浴びるのがおすすめです。朝日を浴びて目の網膜が光を感じるとセロトニンの合成が活性化します。起床後は窓の近くや外に出て、10～30分ほど太陽の光を浴びましょう。また朝日を浴びると体内時計が整えられるため、睡眠の質の向上にもつながりやすいです。

リズム運動を取り入れる

ウォーキング、深呼吸、ダンスなど、一定のリズムを刻む運動を繰り返し行うとセロトニンの分泌につながります。朝起きて朝日を浴びながらウォーキングすると、より効果を感じやすいでしょう。運動が難しい場合は、一定のリズムでガムを噛んで顎を動かすのもOKです。ジョギングやダンスなど激しい運動をする場合は、疲れすぎないように注意しながら行いましょう。

湯船につかる

湯船に浸かると身体が温まってリラックスでき、セロトニンの分泌が促進されます。お湯の温度は37～40度くらいのぬるま湯がおすすめです。また湯船に浸かると自律神経が整うため、睡眠の質の向上や疲労回復も期待できます。入浴剤などを入れてリラックス効果を高めるのもよい方法です。

バランスの良い食事を摂る

セロトニンの約90％は腸で生成されています。そのためセロトニンを増やしたい場合は、まず腸内環境を整えるとよいでしょう。炭水化物とビタミンB6を意識して、バランスよく食事を摂るように心がけてみてください。またセロトニンを増やすためには、セロトニンの元になる「トリプトファン」というアミノ酸が必要です。トリプトファンは体内で合成できないため、自ら食事で取り入れなければなりません。トリプトファンを含む飲み物・食べ物は以下で紹介しています。

トリプトファンを多く含む食べ物

トリプトファンはバターやチーズなどの乳製品や、納豆、豆腐などの大豆製品、また鶏肉や卵に多く含まれています。果物の中ではバナナにも多く含まれているため、朝ごはんやおやつ代わりに取り入れてみるとよいでしょう。

トリプトファンを多く含む飲み物

トリプトファンは豆乳や牛乳、トマトジュースなどの飲み物にも多く含まれています。どれもコンビニやスーパーで購入できるため、手軽に取り入れやすいのも嬉しいポイントです。

ストレスを発散する

ストレスが溜まりすぎるとセロトニンの分泌が抑制されてしまいます。疲れが溜まっていると感じたり、環境の変化などで緊張状態が続いてるのを感じたらまずはしっかり休息しましょう。元気が出てきたら適度な運動や瞑想、趣味を楽しむ時間を作るなど、ストレス発散の機会を作ってみてください。

スマートフォンやPCの使用時間を短くする

スマホやPCを長時間使っていると、脳のエネルギー源であるブドウ糖の代謝が低下してセロトニンの分泌量に影響を及ぼします。また家でスマホを見ている時間が長いと、朝日を浴びる機会が減ってセロトニンが分泌されにくくなってしまいます。まずは寝る直前のスマホやPCを控えたり、時間制限を設けるなどスマホを見る時間を減らすように心がけましょう。

睡眠とセロトニンには深い関係がある

人間がぐっすり眠るために必要な「メラトニン」はセロトニンから作られています。質の高い睡眠のためには、まずセロトニンを生成する必要があると言えるでしょう。朝起きたらすぐに朝日を浴び、適度な運動と食事を習慣づけることが大切です。日中にたくさんセロトニンが生成されれば夜の快眠につながり、その分朝もスッキリ起きられたりと好循環が生まれるでしょう。

セロトニンの分泌が少ない人の特徴とは

セロトニンの分泌量が少ないと性格が変化することもあります。些細なことでイライラしたり他人に対する攻撃性が高まったり、反対に気分が落ち込みやすくなったりと精神的に不安定になるケースが多いです。ただし心の不安定さはセロトニン不足だけが原因ではなく、心の病気が隠れている可能性もあります。精神的な辛さを感じたときは、無理をせずに病院を受診するようにしましょう。

セロトニンの分泌が少ないと起こる症状例

ではセロトニンの分泌量が少ないと身体にどのような悪影響があるのでしょうか。ここからはセロトニンが減ることで起こりやすい、心身への影響を解説します。

うつ症状

先述したように、セロトニンが不足していると気分の落ち込み、集中力の低下、疲労感・倦怠感が続くなどのうつ症状が表れやすくなります。また急に食欲が増減するケースもあります。うつ症状は仕事や学業、人間関係に影響を与えることもあるため、異変を感じたら医師や周りに相談するように心がけましょう。

慢性的ストレスや疲労

セロトニンが減少しているときは、ストレスや疲労が蓄積されている状態です。ストレスが解消されない限りセロトニンの量は減っているままのため、セロトニン不足がどんどん慢性化してしまいます。ストレスはなるべく溜め込まず、休日はしっかり心と身体を回復させましょう。

めまいや頭痛

セロトニンは血管の収縮を調整する働きも担っています。そのためセロトニンの分泌量が減少すると血管の収縮に不具合がおき、めまいや頭痛を引き起こす恐れがあります。普段感じないめまいや頭痛はセロトニン不足の可能性もあるため、生活習慣を見直してみましょう。

不眠

セロトニンは睡眠とも関係があるホルモンです。前述したように、セロトニンが不足すると睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌も少なくなってしまいます。すると寝つきが悪くなったり中途覚醒しやすくなったりと、睡眠の質の低下につながります。睡眠の質を高めるためには、朝日を浴びたり適度に運動をしたりとセロトニンを増やすことが大切です。

過食

セロトニンは満腹中枢にも作用し、食欲を抑える役割を担っているホルモンです。セロトニンが減少すると空腹時以外にも食べ物を口にしたくなったり、炭水化物や甘い物を欲してしまったりと、満腹中枢が正しく機能しなくなってしまいます。健康に影響が出る恐れもあるため、食事を見直してセロトニンを増やすように心がけましょう。

便秘や消化不良

セロトニンには胃や腸などの消化器を活発化させ、消化を促進する働きもあります。セロトニンが減少すると消化器の動きが鈍くなり、便秘や消化不良、食欲不振を引き起こす可能性があります。食生活を見直すと共に、運動も取り入れて腸内環境を整えましょう。

症状が辛い場合は医療機関へ相談を

食事や睡眠など生活習慣を改善しても、身体の不調が改善しないこともあるでしょう。また精神的に不安定になったり疲労が回復しなかったりと、日々の生活に影響が出始めるケースもあります。そういった場合は自分一人で何とかしようとするのではなく、信頼できる医師に相談するのがおすすめです。

セロトニンの分泌が増えることにデメリットはある？

セロトニンが増えるとさまざまなメリットがある一方で、増えすぎるとデメリットもあります。セロトニンが過剰に分泌されると不安や緊張、心拍数の増加などの症状を伴う「セロトニン症候群」を引き起こす可能性があるのです。セロトニンは抗うつ薬の過剰摂取や副作用、また一部サプリメントの服用によって増加しやすくなります。心の不調だけではなく体温の上昇や下痢、発汗など身体にも影響を及ぼすリスクがあるため、薬の服用やサプリメント摂取の際は十分な注意が必要です。

まとめ

セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれており、心身の健康に大きな影響を与えるホルモンです。ストレスなどでセロトニンが不足すると、うつ症状や不眠、めまいや頭痛などの症状を引き起こす恐れがあり、それによって表情や顔つきが変わったように見えることもあるでしょう。セロトニンを増やすためには、バランスの良い食事やリズム運動を取り入れるのがおすすめです。

また、セロトニンは睡眠とも深い関係があります。夜しっかり眠るためには、日中にしっかり朝日を浴びてセロトニンを分泌しておくことが大切です。ただし、薬やサプリメントによってセロトニンが増えすぎると「セロトニン症候群」を引き起こす可能性があります。身体の不調を感じたときは無理をせず、医療機関に相談しましょう。