シルクとサテンの違いとは？寝具にはどちらがおすすすめ？シルク・サテンの違いやメリットを解説

シルクとサテンはどちらも光沢感やなめらかさがあり、寝具にも多く使われています。特徴が似ているため「違いが分からない」「どちらを選べばいいか分からない」という人もいるのではないでしょうか。本記事ではシルクとサテンの違いや、それぞれのメリット・デメリットを解説しています。寝具選びの参考にしてみてください。

シルクとサテンの違いとは

シルクとサテンは似たような特徴があるため、見分けがつかないこともあるでしょう。しかし前提として「シルク」は素材の名前、「サテン」は朱子織り（しゅすおり）で織られた布の名前という違いがあります。その他にも細かい違いがあるため、早速シルクとサテンの違いを詳しく見ていきましょう。

シルクとは

シルクは蚕の繭から作られる天然繊維です。特徴として見た目の光沢感や、軽くてなめらかな触り心地が挙げられます。また、肌の成分に近いと言われているアミノ酸が含まれており「第二の皮膚」と呼ばれることもあります。肌への刺激が少ないため、敏感肌の人でも使いやすい素材です。他にも静電気が起きにくい、ホコリを寄せ付けない、丈夫など魅力的な特徴が多くあります。

サテンとは

サテンは朱子織りで織られた生地で、原料はシルクや化学繊維などさまざまです。朱子織りは縦糸もしくは横糸が表面に長く浮き出ているのが特徴で、一つの糸で織ったかのように見える織り方です。そのため表面がつるっとし、シルクと同じくなめらかな触り心地になっています。またシルクで織られたサテンは「シルクサテン」、ポリエステルやポリウレタンなど化学繊維で織られたサテンは「化繊サテン」と呼ばれています。

シルクの特徴

シルクには「光沢がある」「柔らかい」「耐久性・吸湿性・保温性が高い」「肌や髪に優しい」などの特徴があります。ここからはシルクの特徴を詳しく見ていきましょう。

光沢がある

シルクに光沢がある理由は「繊維」にあります。シルクに使われている繊維の断面は三角のような形をしており、そこに光が当たると優しい光沢が生まれます。また蚕が繊維を作るときにできる複雑な構造も、光沢の美しさに影響しています。シルクの光沢は、自然がもたらした天然の輝きといえるでしょう。

柔らかい

シルクは柔らかく肌触りがよい素材です。通気性がよく肌への刺激も少ないため、寝具やパジャマにシルクを取り入れると快適な睡眠につながるでしょう。またシルク素材の洋服は脱ぎ着しやすく、静電気も起こりにくいです。冬の静電気に悩んでいる方や、柔らかい触り心地が好きな方、サッと脱ぎ着できる洋服を求めている方におすすめです。

丈夫で耐久性がある

シルクは非常にデリケートな素材というイメージがありますが、実は丈夫で耐久性があります。綿や羊毛よりも引っ張りに強く、正しくお手入れしていれば長く使い続けられるでしょう。しかし摩擦には弱いため、普段の取り扱いに注意が必要です。

吸湿性・保湿性が高い

シルクは吸湿性・保湿性にも優れている素材です。シルクの繊維には多くのすき間があり、夏は汗を吸湿して逃がし、冬はすき間にある空気が断熱材のようになって暖かく過ごせます。また綿よりも1.5倍の吸水性があると言われており、汗ばむ季節でも不快感を抑えられるでしょう。汗が気になる方や、体温調節に悩んでいる方におすすめできます。

肌や髪に刺激が少ない

シルクは、肌に近い成分を含んだ「タンパク質繊維」です。シルクの成分は肌や髪、健康への好影響が期待でき、美容液やクリームに使われることもあります。乾燥しにくく触り心地もなめらかで、肌が敏感な方や髪のダメージが気になる方に特におすすめです。さらにシルクには蚕が紫外線を浴びるのを防ぐ機能があり、UVカット効果も期待できます。紫外線に悩んでいる方は、シルク製品を身に付けるとよいでしょう。

サテンの特徴

サテンには「つるつるでなめらか」「光沢がある」「摩擦や引っ張りに弱い」「吸水性が低い」などの特徴があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

つるつるとしてなめらか

サテンはシルクやポリエステル、ポリウレタンなどさまざまな素材で織られています。そのため表面のつるつるとしたなめらかさは素材由来のものではなく、縦糸・もしくは横糸が表面に多く出る「朱子織り」によるものです。見た目はシルクとよく似ていますが、シルクのように肌や髪への効果はそれほど期待できません。

光沢がある

サテンにはシルクと似た光沢があります。サテンの光沢はツヤツヤ感が特徴で、洋服に使用するとドレープが綺麗に光ります。身体のシルエットを強調させたいときや、フォーマルな場面で着用すると美しく着こなせるでしょう。またランジェリーやネクタイなどの小物にも使われていることが多いです。

摩擦や引っ張られることに弱い

サテンは縦糸と横糸が交差している目が少なく、摩擦に弱いです。傷がつきやすいため、強く引っ張ったり乱雑に扱ったりするのは避けましょう。またお手入れ方法を誤ると変質する恐れもあるため、注意が必要です。

吸水性が低い

素材にもよりますがサテンは織り方の構造上、吸水性が低いことが多いです。汗をかく時期にサテンのパジャマで寝ると、汗を吸ってくれず不快感を感じるかもしれません。シルクのような温度調整の機能もないため、吸湿性・保湿性を高めるためには他の寝具やアイテムを併用する必要があります。もしくは綿で作られたサテンを選ぶことで、吸水性の低さをカバーできることもあります。サテンのアイテムを購入するときは、どの素材が使われているかも確認してみましょう。

シルクとサテンの見分け方とは

自宅にあるものがシルクかサテンか見極めたいときには、いくつかの方法があります。一番実践しやすいのは「生地を擦り合わせる」方法です。シルクは生地を擦り合わせると、キュッキュッと絹鳴りがします。一方、サテンは生地を擦り合わせても音は鳴りません。

また、生地を燃やしたときの燃え方や臭い、燃えカスで見分けることも可能です。シルクは火をつけた部分がジリリと焼け、髪の毛を燃やしたような臭いがします。黒い炭状の燃えカスが出るのが特徴です。サテンは火が付くと一気に燃え上がり、紙を焦がしたような臭いが発生します。その後、グレー、もしくは白色の灰が残るのが特徴です。

また購入前には、ホームページなどに検査機関による証明書が掲載されているか、シルク販売の実績があり信頼できるショップかどうかを確認するとよいでしょう。

【シルク】メリット・デメリット

シルクとサテンの違いと特徴が分かったところで、続いてはそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。まずはシルクのメリットとデメリットを解説します。

メリット

シルク製品を使う大きなメリットは、肌触りのよさと美しい光沢感を味わえることでしょう。触れるだけで気分が高まるだけでなく、皮膚や髪に優しいのも嬉しいポイントです。また体温調節がしやすく通気性にも優れているため、パジャマや寝具としての機能性も抜群です。耐久性も高いため一度購入したら長く愛用できるでしょう。

デメリット

シルクはサテンよりも価格が高いことが多く、手が出しにくいと思う人もいるかもしれません。また、繊維が細いため摩擦に弱く、一度シミができてしまうと落ちにくいというデメリットもあります。さらにデリケートな素材であるため、手洗いをしたりクリーニングに出すなど、お手入れの際も気を遣う必要があります。

【サテン】メリット・デメリット

続いてはサテンのメリット・デメリットを解説します。シルクと比較しながらチェックしてみてください。

メリット

サテンのメリットは、ツヤっとした光沢感となめらかさです。価格はシルクよりも安いことが多いですが、見た目の高級感はそれほど劣りません。また軽くてしわになりにくく、脱ぎ着しやすいのもメリットといえるでしょう。

デメリット

サテンはシルクに比べて吸湿性・吸水性が低いです。また摩擦に弱く耐久性もそれほど高くないため、お手入れをする際は注意しましょう。ただし素材によっては吸水性があったり洗濯可能なものもあるため、目的に合わせて素材を選ぶのがおすすめです。

シルクのお手入れ方法

シルクは繊細な素材のため洗濯する際には注意が必要です。まずは洗濯表示を確認し、洗える場合はおしゃれ着用洗剤を使って手洗いしましょう。できるだけ短い時間で洗うのもポイントです。乾かす際は絞ったりねじったりせず、日陰で平干しにしましょう。

しわができてアイロンをかけたい時も洗濯表示を確認してみてください。洗濯が難しいアイテムやお手入れに自信がない方は、クリーニングに出すのがおすすめです。

サテンのお手入れ方法

サテンもシルクと同じく洗濯には注意が必要です。洗濯表示をチェックして、洗える場合はおしゃれ着用洗剤で手洗いしましょう。洗濯機の手洗いコースなどを使用する際は、洗濯ネットに入れるのがベストです。乾かす際はタオルでポンポンと吸水し、日陰干ししましょう。またアイロンをかける際も、同様に洗濯表示を確認してみてください。洗濯が難しいアイテムは、クリーニング店に相談するのが安心です。

寝具にはシルクのほうがおすすめ

寝具を選ぶ際、シルクかサテンか迷ったときはシルクを選ぶのがおすすめです。シルクはサテンに比べて吸湿性・通気性に優れており、快適な睡眠をサポートしてくれます。サテンの寝具を選ぶ場合でも、シルクを使用したものやコットンを使用したものであれば快適な眠りにつながりやすくなるでしょう。

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まとめ

シルクとサテンはよく似た特徴を持っていますが、シルクは素材の名前、サテンは朱子織りで織られた布の名称です。シルクは光沢があり柔らかい触り心地に加え、吸湿性や保温性の高さが特徴です。サテンも光沢感やなめらかさはありますが、耐久性や吸水性は劣ります。お手入れをする際は、どちらも洗濯表示を確認してから手洗いするようにしましょう。もしシルクとサテンの寝具で悩んだときには、吸湿性や通気性に優れたシルクを選ぶのがおすすめです。