仰向けで寝るのが理想的？寝姿勢別のメリット・デメリットとおすすめのアイテムもご紹介

寝姿勢によって睡眠の質は左右されるため、「朝すっきり起きられない」「寝ても疲れがとれない」という悩みを持つ人は寝姿勢が悪い可能性もあります。良質な睡眠をとるなら、身体に負担のかからない楽な状態をキープすることが大切です。

本記事では、寝姿勢の重要性や仰向けで寝るのが理想的なのか、寝姿勢別のメリット・デメリットなどを詳しく解説します。そのほか、自分に合った寝姿勢をとるために役立つおすすめのアイテムも紹介するので、快適に寝られる姿勢を見つけたい人はぜひ参考にしてみてください。

そもそも寝姿勢は重要？

良質な睡眠をとって疲労回復につなげるためには、正しい寝姿勢をキープすることが重要です。睡眠は日中蓄積した疲労を回復させる大きな役割を担っているので、寝姿勢が悪いと身体が休まらず、疲れが溜まってしまう可能性があります。寝姿勢は大きく分けると「仰向け」「横向き」「うつ伏せ」の3つになります。

仰向けで寝るのが理想的？メリットは

楽に寝られる姿勢は一人ひとり違いますが、一般的に最も健康的に寝られるのが仰向けの姿勢だといわれています。まずは仰向けで寝るメリットから紹介するので見ていきましょう。

猫背防止につながる

仰向け寝は正しい姿勢をキープしやすいので、猫背の改善・防止の効果が期待できるでしょう。寝たときに背骨の自然なS字カーブをキープできると、身体が安定しやすくゆがみも生じにくいです。猫背を防止したい人や猫背改善につなげたい人は、正しい寝姿勢がとりやすい仰向け寝を心がけるとよいでしょう。

身体の圧力が分散される

身体にかかる圧力を均等に分散しやすいのも仰向け寝のメリットの1つです。睡眠中に身体の一部にだけ圧力がかかってしまうと、血流が悪くなり、こりや痛みを引き起こす可能性があります。その点、仰向け寝は寝ている面との設置面積が広く、身体にかかる圧力を分散しやすい寝姿勢であるといえます。

寝返りを打ちやすい

仰向け寝は寝返りが打ちやすい寝姿勢です。寝返りには身体にかかる負担軽減と温度調節などの重要な役割があります。スムーズに寝返りを打てることで身体にかかる負担を軽減し、寝床内を快適な温度にキープできるため快眠につながるでしょう。

仰向けで寝る場合のデメリット

仰向け寝にはデメリットもあるので確認しておきましょう。

いびきにつながりやすい

仰向けで寝ると重力で舌が喉のほうに下がり落ちてしまうため、空気の通り道である気道が狭くなっていびきをかきやすくなる可能性があります。呼吸のしやすさは人によって異なるので、自分が快適に寝られる姿勢を見つけることが大切です。

腰痛が悪化する恐れがある

仰向けで膝を伸ばすと、腰とマットレスの間に隙間が生じやすくなります。腰に支えがない状態になると負荷がかかり、腰痛が悪化する恐れがあるので注意が必要です。膝下にクッションを置いて両膝を曲げるようにしたり、腰とマットレスの間の隙間にタオルを入れたりして対策するとよいでしょう。

理想的な寝姿勢をキープするには？

理想的な寝姿勢とは、まっすぐ立ったときの姿勢をそのまま横になってもキープできる状態を指し、寝姿勢ごとに理想の状態が異なります。たとえば、仰向け寝は背骨がゆるやかなS字カーブを描く状態が望ましく、横向き寝は首から背骨のラインが床とまっすぐ平行になる状態がよいとされています。

理想的な寝姿勢をキープするためには、自分の身体のラインに合った寝具を使うことが大切です。快適さを高められる枕やクッションを使って、理想の寝姿勢をキープしましょう。

横向きで寝る場合のメリット

次に横向き寝のメリットを紹介します。人によっては横向き寝のほうが向いている場合もあるのでチェックしてみましょう。

楽に呼吸ができる

横向き寝のメリットの1つとして、呼吸のしやすさが挙げられます。仰向き寝よりも舌が喉のほうに落ち込みにくいため、気道が塞がれる可能性が低くなります。呼吸がスムーズにできると寝つきやすさにもつながり、睡眠の質も高められるでしょう。

腰の負担を軽減できる

横向き寝の場合、腰を丸めて楽な姿勢をキープしやすいため、腰への負担を一時的に軽減する効果が期待できるでしょう。また、横向き寝は仰向け寝やうつ伏せ寝と比べて腰が反りにくいため、反り腰になりにくいというメリットもあります。

右向きは消化が促進される

人の内臓の位置は左右非対称のため、どちら向きで寝るかによって身体に及ぼす影響が変わるとされています。一般的に右向きは消化を促す効果が期待できるといわれています。理由として胃の形は右側に向かってカーブしているので、右向きだと食べ物が腸にスムーズに流れて消化不良を起こしにくいことが挙げられます。胃腸の働きを促進させたい場合、右向きで寝るのも1つの方法です。

左向きは消化作用が向上する

一方、左向きは消化作用が向上すると考えられています。食べ物を消化・分解・吸収する働きのある臓器にかかる圧力が減り、便や老廃物の排出が促されることが理由になります。消化作用の向上を目指すなら左向きで寝るのもよいでしょう。

横向きで寝る場合のデメリット

メリットとあわせて、デメリットも確認しておきましょう。

肩こりや痛みにつながる

横向きで寝ると、身体の下側になる肩に圧力が集中してしまいます。そのままの姿勢で長時間寝続けると血流が滞り、こりや痛みなどを引き起こす可能性があるので注意が必要です。対策としては、スムーズに寝返りが打てるよう自分の身体に合った寝具を使うのがおすすめです。たとえば、寝るときに抱き枕やクッションを使うと肩に圧力がかかるのを抑えられるでしょう。

身体がゆがみやすい

横向き寝には身体がゆがみやすいというデメリットも存在します。身体の片側に圧力が集中する姿勢が長時間続いてしまうと、血行不良や骨盤のゆがみ・ズレにつながる可能性があります。そのため、身体のゆがみを発生させないよう理想の寝姿勢がキープできる寝具を使うとよいでしょう。

うつ伏せで寝る場合のメリット

うつ伏せ寝のメリットを紹介するので見ていきましょう。

いびき軽減につながる

うつ伏せ寝だと舌が気道を塞ぐリスクが少なく呼吸がしやすいので、いびき軽減効果が期待できるでしょう。また、胸がマットレスや敷き布団などに密着して圧迫される状態になるため、自然と横隔膜が下がって下腹部が膨らみ、いびき予防に有効とされる腹式呼吸を行いやすくなります。

安心感を得られる

うつ伏せ寝をすると、お腹側がマットレスや敷き布団に接触するのでお腹が温まって安心感を得られるといわれています。また、本能的に急所であるお腹を守れる姿勢のほうが気分が落ち着いて寝やすいと感じる人もいるでしょう。

うつ伏せで寝る場合のデメリット

うつ伏せ寝のデメリットもあらかじめ把握しておきましょう。

首への負担が大きい

うつ伏せ寝の場合、首を左右どちらかに曲げるので首への負担が大きくなります。身体のバランスがとりにくいため、首の痛みやこり、しびれが発生するケースも考えられます。神経痛などで首に痛みがある人は避けたほうがよいでしょう。

歯並びのリスクや顔のゆがみにつながる

うつ伏せ寝は歯並びが悪くなるリスクや顔のゆがみにつながる可能性があります。顔が横向きになるので、枕に押しつけられている側の顔や顎に圧力がかかってしまいます。そうすると歯並びや噛み合わせが悪くなったり、顔がゆがんだりするリスクが高まるので注意が必要です。

腰痛の原因になる

うつ伏せ寝には腰痛が悪化するリスクがあるので注意しましょう。ほかの寝姿勢よりも腰に重力がかかってしまうため、反り腰になりやすいです。腰痛がある人の場合、うつ伏せ寝は避けたほうがよいでしょう。

悩み別！おすすめの寝姿勢

ここからは悩み別のおすすめの寝姿勢を紹介します。寝姿勢は睡眠の質に影響するため、悩みや症状などに応じて選ぶとよいでしょう。

腰痛｜横向きで寝る

腰痛が気になる人は横向きで寝るのが向いています。横向きで寝る姿勢は反り腰を抑制して腰痛を緩和させる効果が期待できます。横向き寝のときは身体を少し丸めた状態にして、足の間に抱き枕やクッションを挟むのがおすすめです。腰と足の高さが水平になって寝姿勢が安定するので、腰への負担を減らせるでしょう。一方、横向きではなく仰向けで寝る場合は、反り腰にならないよう膝下に足枕やクッションを挟むのがコツです。

肩こり｜仰向けで寝る

肩こりに悩んでいる人には仰向けで寝る姿勢がおすすめです。仰向け寝は横向き寝やうつ伏せ寝よりも自然な寝姿勢になるため、身体の圧力を分散しやすく肩に負担がかかりにくいです。肩周りの筋肉がリラックスすると血流もよくなるので、肩こり緩和も期待できるでしょう。

いびき・呼吸がしにくい｜横向きで寝る

いびきや呼吸がしにくいなどの悩みがある人には、横向き寝が適しています。仰向けで寝ると舌が落ちて気道が狭くなるデメリットがありますが、横向きで寝ると気道を確保しやすくなるので呼吸が楽にできて、いびき抑制にもつながるでしょう。

ただし、横向き寝は肩に圧力がかかる姿勢になるので、肩を圧迫しないよう少し高めの枕や柔らかめのマットレスなどの自分に合った寝具を使用することが大切です。

臨月の妊婦｜シムス位で寝る

お腹が大きくなってきた臨月の妊婦の人にはシムス位がおすすめです。シムス位とは身体の左側を下にして右足を曲げて抱き枕やクッションの上に置き、うつ伏せに近い状態になる寝姿勢を指し、産婦人科などでも紹介されている体位になります。

シムス位をとることでお腹や腰にかかる負担を軽減するため、リラックスして寝られるといわれています。お腹が大きくなって寝苦しさを感じる場合は試してみるとよいでしょう。

寝姿勢が決まらないときはどうすればいい？

快適に寝られる姿勢は人によって異なります。なかなか自分に合った寝姿勢が決まらないときは、仰向け・横向き・うつ伏せなどの複数の寝姿勢を試してみましょう。また、理想の寝姿勢をキープするためには腰や膝下にクッションを置いたり、抱き枕を使ったりするのもおすすめです。さまざまな寝姿勢を試して自分が快適に寝られる姿勢を見つけましょう。

寝返りしやすい睡眠環境を整えるのも大切

睡眠の質を高めるためには、寝返りしやすい睡眠環境を整えることも大切です。人間は一晩で20～40回程度の寝返りを打っているといわれていて、寝返りの回数が少なすぎたり多すぎたりすると熟睡できない可能性もあります。スムーズな寝返りが打てる睡眠環境を整えられるよう、自分に合った寝具や衣類を使うのがおすすめです。たとえば、マットレスは体圧分散性に優れた適度な硬さのものがよく、衣類はパジャマにすると締め付けが少なく寝返りも打ちやすいでしょう。

自分に合った寝姿勢ができるおすすめのアイテム13選をご紹介！

体圧分散性に優れた快眠マットレス

様々な寝姿勢に対応する快眠枕

快適な寝姿勢をサポートする抱き枕

動きやすく着心地がよい快眠パジャマ

まとめ

寝姿勢は大きく分けると仰向け・横向き・うつ伏せの3つがあり、一般的に最も健康的な寝姿勢とされているのが仰向けの姿勢です。仰向けで寝るメリットとしては、猫背防止や身体の圧力が分散される、寝返りを打ちやすいといったことが挙げられます。ただし、身体に負担のかからない姿勢は人によって異なるため、さまざま寝姿勢を試してみるのがおすすめです。また、睡眠の質を高めるためには寝具などの睡眠環境を整えることも大切です。

今回紹介した寝姿勢別のメリット・デメリットなどを参考に、自分に合った寝姿勢ができるおすすめのアイテムも取り入れながら快適に寝られる姿勢を見つけましょう。