低反発マットレスで腰痛が悪化する？理由と腰を痛めにくい商品の選び方も解説！

マットレス購入を考えていて「低反発マットレスが気になる」と思っている方は多いのではないでしょうか。ところが「低反発マットレスを使うと腰痛が悪化する」といった意見もあり、購入をためらっている方もいるかもしれません。

本記事では、低反発マットレスで腰痛が悪化すると言われている理由や低反発マットレスのメリット・デメリット、腰痛になりにくい商品の選び方などを解説しています。低反発マットレスの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

低反発マットレスとは？

低反発マットレスとは、反発力の低い「ウレタンフォーム」を使ったマットレスのことです。ウレタンフォームはスポンジのような素材で、JIS（日本産業規格）によって定められた数値を基準に「低反発」か「高反発」かが決まっています。低反発マットレスは身体を包み込むようなフィット感が特徴で、もっちり柔らかい寝心地が魅力です。身体を優しくサポートしたい方や、安心感が欲しい方に適したマットレスといえるでしょう。

低反発マットレスを使用すると腰痛が悪化するって本当？

低反発マットレスについて調べていると「腰痛が悪化する」と書かれているのを目にした人も多いでしょう。「腰痛持ちだから低反発マットレスは使えない」と諦めてしまった人もいるかもしれません。しかし実際腰痛が悪化するかどうかは、商品や使う人の体型によって異なります。低反発マットレスで腰痛が悪化すると言われている理由は、次の項で詳しく解説します。

低反発マットレスで腰痛が悪化すると言われている理由

低反発マットレスを使うと腰痛が悪化すると言われているのは、主に「寝返りが打ちにくい」「寝姿勢が崩れる可能性がある」という理由があるからです。ここからは詳細を見ていきましょう。

最大の理由は「寝返りが打ちにくい」から

低反発マットレスの魅力の一つとして挙げられるのが、反発力が低いことによるフィット感のある寝心地です。しかし反発力が低い分、身体がマットレスに沈み込んでしまいます。すると寝返りが打ちにくくなり、腰や肩など身体の一部分に影響が出る可能性があります。

寝返りには睡眠中に身体の一部分に負荷がかかるのを防ぐ役割や、血行不良を防ぐ役割があります。寝返りが少ないと身体に負担がかかりやすくなり、結果として腰痛や肩こり、首こりなどの不調につながりかねません。腰痛を防ぐためには、寝返りの打ちやすい睡眠環境を整える必要があるのです。

ただし、低反発マットレスを使うと必ずしも身体に負荷がかかるわけではありません。テンピュールのように、体圧分散性を高くして身体への負担を減らすコンセプトの商品もあります。「寝返りが打ちにくい=腰痛が悪化する」という考え方は絶対ではないため、まずは自分が快適に眠れるマットレスを知ることが大切です。

体格によっては寝姿勢が崩れる可能性もある

先述したように、低反発マットレスは身体が沈み込みやすいという特徴があります。小柄な方や子どもであればさほど問題ないかもしれませんが、体格の大きい人が低反発マットレスを使うと沈み込みが大きくなりすぎて寝姿勢が崩れる可能性があります。寝姿勢の悪さは腰痛や睡眠の質の低下につながる恐れがあるため注意が必要です。マットレスを選ぶ際は寝心地の好みだけではなく、正しい寝姿勢で眠れるか、問題なく寝返りが打てるかという点も気にしてみるとよいでしょう。

低反発マットレスのメリット・デメリット

続いて、低反発マットレスを使う上でのメリット・デメリットを解説します。購入後に後悔しないようにしっかりチェックしておきましょう。

低反発マットレスのメリット

低反発マットレスの主なメリットは、次の通りです。

• フィット感が高い
• 横向き寝でも圧迫感が少ない
• 比較的安価な商品が多い

気になる詳細は、以下で詳しく紹介していきます。

フィット感が高い

先述してきたように、低反発マットレスの最大の魅力はフィット感の高さです。身体全体を優しく包むような寝心地で、寝ている間も安心感を得られるでしょう。「柔らかい寝心地が好き」という方にはぴったりです。また低反発マットレスの寝心地が自分に合っているか分からない場合は、店頭で実際に寝転がってみてください。ネットで購入する場合も、一定のお試し期間が設けられているメーカーを探して寝心地を確認してみるのがおすすめです。

横向き寝でも圧迫感が少ない

反発力が高いマットレスで横向きで寝ると、身体が包み込まれる感覚が少なく圧迫感を感じてしまう方も多いでしょう。圧迫感があるとなかなか寝つけなかったり、ゴツゴツして寝心地が悪いと感じたりして睡眠を妨げてしまいます。低反発マットレスならば「身体が沈み込みやすい」という特徴を活かして、横向き寝でも優しく身体をホールドしてくれます。

比較的安価な商品が多い

低反発マットレスは高反発マットレスに比べて、比較的安価な商品が多いです。マットレスに使える予算が少なくても手に取りやすく、初めて一人暮らしをする学生さんなどにもおすすめできます。ただし他の商品と比べて価格が安すぎる場合は、品質が悪くすぐにダメになってしまう可能性が高いです。マットレスを選ぶ際は価格だけにとらわれず耐久性や品質も確認しておくとよいでしょう。

低反発マットレスのデメリット

低反発マットレスのデメリットは次の通りです。

• 寝返りが打ちにくい
• 安価な商品は耐久性が低くなりやすい
• 蒸れを感じやすい

それぞれの詳細は以下で解説していきます。

寝返りが打ちにくい

先述の通り、低反発マットレスは身体へのフィット感がある分寝返りが打ちにくい傾向にあります。人は寝ている間に約20回の寝返りを打つと言われていますが、寝返りの数が減ると血行不良や腰痛につながることもあります。特に体格が大きい方が低反発マットレスを購入する際は、体圧分散性が高い商品を選ぶなど工夫が大切です。

安価な商品は耐久性が低くなりやすい

低反発マットレスは手に取りやすい価格の商品もありますが、安すぎると品質が心配です。特に安いウレタン素材が使われた商品は、耐久性が悪いものが多い傾向にあります。マットレスは頻繁に買い替えるものではないからこそ、ある程度耐久性が高い商品を選ぶのがおすすめです。

蒸れを感じやすい

ウレタン素材は、通気性があまりよくないものが多く、蒸れを感じる可能性があります。湿気が溜まるとカビの発生につながり、マットレスの寿命にも影響してくるでしょう。こまめにお手入れをしたり、除湿シートや除湿パッドなどのアイテムを使いながら湿気対策をするのがおすすめです。

低反発マットレスが向いている人の特徴

低反発マットレスは、以下のような特徴に当てはまる人に向いているといえます。

• 小柄な人
• フィット感のある寝心地が好きな人

低反発マットレスは身体が沈み込みやすいデメリットがありますが、小柄な人であれば沈み込みをさほど感じないでしょう。寝返りの打ちにくさも軽減できる可能性があります。また、低反発マットレスならではのフィット感のある寝心地が好き・柔らかい寝心地が好みな方にもおすすめです。

腰痛には低反発・高反発マットレスのどちらが良い？

「腰痛を悪化させたくない」「少しでも腰痛を楽にしたい」という方には、基本的には高反発マットレスがおすすめといえます。高反発マットレスは身体をしっかり支えるやや硬めの寝心地で、低反発マットレスよりも寝返りが打ちやすいです。ただし硬すぎるとマットレスが身体にフィットせず、腰とマットレスの間にすき間ができて腰痛が悪化するケースもあるため注意してください。

腰痛改善・腰痛対策で高反発マットレスを購入する際は、硬めの高反発ウレタンのみが使用されている商品ではなく、色んな硬さのウレタンを組み合わせた「多層構造」の商品を選ぶのがおすすめです。またマットレスの側生地にしっかりわたが使われている商品もよいでしょう。

それでも「低反発マットレスの柔らかい寝心地が好き」という場合は、体圧分散性が高く寝姿勢が崩れにくい低反発マットレスを選べば、腰痛対策として活用できるケースもあります。

腰痛になりにくい低反発マットレスの選び方

ここからは「低反発マットレスの寝心地が好きだけど、腰痛になりたくない」という方に向けて、腰痛を悪化させにくい低反発マットレスの選び方をご紹介します。

沈み込みが少ないものを選ぶ

低反発マットレスの柔らかい寝心地は魅力的ですが、身体が大きく沈むと身体の一部分に負担がかかる恐れがあります。この問題を解決するためには、低反発素材の下に高反発素材を置いた多層構造の商品がおすすめです。低反発マットレスの長所である柔らかい寝心地は残しつつ、高反発マットレスの硬めでしっかりした寝心地で身体を支えてくれます。ただし低反発マットレスよりもやや価格が高くなってしまうため、予算とよく相談してみてください。

トッパー仕様のものを選ぶ

現在使っているマットレスが標準～硬めであれば、その上に5㎝程の低反発マットレストッパーを敷いて寝心地を改善する方法もあります。今あるマットレスを買い替えることなく、身体が沈み込みすぎるのを防げるためコスパも抜群です。ただし今使っているマットレスが既に柔らかい場合は、低反発マットレストッパーを使うと寝心地が不安定になるためおすすめできません。

低反発マットレスと高反発マットレスの違い

では、低反発マットレスと高反発マットレスにはどのような違いがあるのでしょうか。ここからは低反発マットレスと高反発マットレスの特徴を比較して見ていきましょう。

寝心地

低反発マットレスと高反発マットレスの大きな違いは寝心地です。低反発マットレスはフィット感が高くふんわり包まれるような寝心地、高反発マットレスは低反発マットレスよりもやや硬く安定感のある寝心地です。どれぐらい寝心地が違うのか気になる方やどちらが自分に合っているか分からない方は、実際に寝心地を確認してみるのがおすすめです。

寝返り

低反発マットレスは沈み込みが大きく反発力が弱いため、自分の力だけで寝返りしなければなりません。体格がいい人は寝返りが打ちにくいと感じることもあるでしょう。一方で高反発マットレスは跳ね返す力が強いため、反発力を利用して楽に寝返りできます。

通気性

基本的には、低反発ウレタン・高反発ウレタンどちらとも通気性はそこまでよくありません。特に低反発ウレタンは身体とフィットする分、より蒸れを感じやすくなります。高反発ウレタンであれば、波形に加工したり穴を空けたりと工夫を施して通気性を高くすることも可能です。低反発ウレタンはそのような加工もしづらいため、どちらかというと高反発ウレタンの方が通気性がよい傾向にあります。

耐久性

耐久性はマットレスの品質によって異なりますが、一般的には低反発ウレタンよりも高反発ウレタンの方が耐久性が高いです。低反発ウレタンは沈み込みが大きいためへたりやすく、年数を重ねるとぺたんとした見た目になる可能性があります。極端に安すぎる商品でなければ、高反発は5～8年、低反発は3～5年程度が寿命の目安と考えるとよいでしょう。

価格

価格もマットレスの品質によりますが、一般的には低反発マットレスの方が安い商品が多いです。バリエーションも充実しているので、自分好みの商品を見つけやすいでしょう。ただし価格の安さだけで購入するのは避け、寝心地や耐久性もチェックしてから購入すると失敗を防げます。

低反発マットレスと高反発マットレスの見分け方

「低反発マットレスと高反発マットレスはどうやって見分けたらいいの？」と思っている方もいるかもしれません。見た目に大きな違いがないため迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは低反発マットレスと高反発マットレスの見分け方を解説します。

使用しているウレタンの反発弾性率を確認する

低反発マットレスか高反発マットレスか見分ける際には、まず「反発弾性率」を確認してみましょう。反発弾性率とは、ウレタンフォームの反発力を数値化したもので数字を見れば、低反発か高反発かが分かるようになっています。一般的には反発弾性率が15％未満であれば「低反発」、50％以上であれば「高反発」ですが、メーカーによっては認識の違いから15～49％のものも「高反発」として扱われている場合があるので注意しましょう。インターネットでマットレスを探している場合は、商品ページに記載されていることが多いためチェックしてみてください。

硬さと反発力は関係ないので注意！

何となくのイメージで「低反発=柔らかめ」「高反発=硬め」と想像している人も多いかもしれませんが、低反発か高反発かは硬さで決められているわけではありません。確かに高反発マットレスは硬い寝心地の商品が多いですが、それは「反発弾性率」が高いからです。実際の硬さはニュートン（N）数で表されるため、「反発弾性率」とは別物と考えておきましょう。低反発マットレスでも硬めの商品もあるため、硬さが気になるときはニュートン数を確認してみるのがおすすめです。

高機能でフィット感のある寝心地のおすすめマットレス5選

まとめ

低反発マットレスを使うと腰痛が悪化すると言われているのは、「寝返りが打ちにくい」「人によっては寝姿勢が崩れやすい」という理由があるからです。低反発マットレスはフィット感のある寝心地が特徴ですが、その分身体が沈み込みやすく寝返りが打ちにくくなってしまいます。腰痛を悪化させたくない方は、寝返りが打ちやすい高反発マットレスや、低反発素材と高反発素材が組み合わさった多層構造のマットレスがおすすめです。

低反発マットレスと高反発マットレスには、寝返りの打ちやすさだけではなく通気性や耐久性にも違いがあります。ただし「高反発=硬い寝心地」「低反発=柔らかい寝心地」というわけではないため、硬さを知りたいときはニュートン数をチェックしてみてください。