脳波の種類やその特徴とは｜睡眠と脳波の関係を解説

「脳波」という言葉を知っていても、どのようなものなのか、また睡眠とどのような関係があるのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。脳波には主に5つの種類があり、そのときの精神状態や身体の状態によって変化すると言われています。本記事では、脳波の種類やその特徴を紹介し、睡眠との関わりについても詳しく解説します。脳波のことを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

脳波とは

「脳波」とは、脳が活動するときに発生する微弱な電気信号のことです。この信号は、脳波計と呼ばれる機械で100万倍に増幅し、記録することができます。

脳波の種類とその特徴

脳波には主に、α波（アルファ波）、β波（ベータ波）、θ波（シータ波）、δ波（デルタ波）、γ波（ガンマ波）の5つの種類があります。ここでは、それぞれの特徴を取り上げて解説します。

α波（アルファ波）

「α波」（アルファ波）は、眼を閉じて安静にしているときに発生する脳波です。8〜13Hzの周波数で、比較的規則正しい波動を示します。また、脳がリラックスしているときにも見られます。

β波（ベータ波）

「β波」（ベータ波）は、脳が活動しているときに発生する脳波です。周波数は14〜30Hzで、振り幅が少なく不規則な波動が特徴です。緊張状態の場合では、20Hz以上になります。

θ波（シータ波）

「θ波」（シータ波）は、浅い睡眠のときや、作業に集中しているときなどに発生する脳波です。周波数は4〜7Hzで、深いリラックス状態で記憶の定着がしやすい場合に見られます。

δ波（デルタ波）

「δ波」（デルタ波）は、熟睡しているときに発生する脳波です。周波数は1〜3Hzで、振り幅の大きい波形を示します。また、幼児に見られるケースが多いです。

γ波（ガンマ波）

「γ波」（ガンマ波）は、緊張しているときやイライラしているときに発生する脳波で、周波数は40Hzです。この脳波には、認知機能を改善する効果があるという研究結果もあります。

脳波はどうやって発生するの？

人の脳には、1000億個ほどの神経細胞（ニューロン）が存在します。目や耳などから受け取った刺激によって、これらの神経細胞が活動電位を発生させ、ほかの神経細胞に情報を伝達します。その際に脳波が発生すると言われています。また、先述したように、シータ波やデルタ波は就寝時にも発生する脳波です。そのため、寝ている間も情報伝達は行われており、神経細胞は絶え間なく動き続けていると言えるでしょう。

脳波はどうやって計測するの？

脳波は、脳波計を使い、頭皮上に電極をあてて仰向けの状態で計測します。頭皮上から脳波が初めて計測されたのは1920年代で、1932年には世界初の脳波計が開発されました。当時は真空管を利用して紙にインクで記録する形式でしたが、近年はデジタルの脳波計が主流です。

脳波が活用されている分野

脳波は神経細胞同士で電気信号を伝達する際に発生し、計測することでリアルタイムの脳活動状態が把握できます。そのため、さまざまな分野で脳波が使われていますが、特に睡眠障害やてんかん、脳腫瘍の診断など、医療分野において活用されるケースが多いです。

脳波と睡眠の関係

睡眠の状態は、脳波を見ることである程度把握できます。睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されますが、レム睡眠中はシータ波、ノンレム睡眠中はデルタ波が主体として表れることがわかっています。また、就寝前は、アルファ波が発生するリラックス状態にして「副交感神経」を優位にすることが大切です。

質の高い睡眠をとるポイント

入眠しやすくするには、睡眠前にアルファ波を発生させる音楽や音を聴くと良いです。例えば、音楽ならモーツァルトの楽曲、自然音なら波の音や森の音、川のせせらぎ音などがおすすめです。アルファ波が出ている状態で眠ると、浅い睡眠であるシータ波の状態に移行しやすくなります。ただし、眠る前の飲酒は中途覚醒しやすくなるので避けることが重要です。また、レム睡眠とノンレム睡眠が切り替わるリズムが安定していると、質の高い睡眠になるでしょう。日常的に規則正しい生活をすることで、睡眠のリズムも安定します。

まとめ

脳波とは、脳が活動するときに発生する微弱な電気信号のことです。5つの種類があり、精神や身体の状態によって変化するのが大きな特徴です。睡眠と関係するのは、主にアルファ波・シータ波・デルタ波で、寝る前はアルファ波が出やすい状態にしておくと入眠がスムーズです。音楽や音を聴くなどリラックスすることをおすすめします。