【肋間神経痛】寝れないほど痛い時の対処方法とは？肋間神経痛の原因も詳しく解説

肋間神経痛は、胸やわき腹などに痛みが出る症状です。ただし、人によって痛みの感じ方は異なり、眠れないほど強い痛みを感じる場合もあります。本記事では、肋間神経痛の痛みがある時の対処法や、痛みを軽減・予防する方法などを紹介します。夜に眠れないほど痛い肋間神経痛で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

肋間神経痛とは

「肋間神経痛（ろっかんしんけいつう）」は、肋間神経が刺激されることで胸や脇のあたりに痛みが出る症状です。痛みの程度などは人それぞれですが、咳や息、身体を動かしたタイミングで痛むことが多いです。また、上半身の左右片側のみに痛みが発生するのが特徴です。

症候性肋間神経痛

肋間神経痛にはさまざまな発生原因がありますが、肋間神経を刺激する原因が明瞭な場合、「症候性肋間神経痛（しょうこうせいろっかんしんけいつう）」にあたります。

特発性肋間神経痛

肋間神経を刺激する原因が不明瞭な場合は、「特発性肋間神経痛（とくはつせいろっかんしんけいつう）」にあたります。

肋間神経痛はどんな痛み？寝れないくらい痛むことはあるの？

肋間神経痛の痛みの感じ方は、原因によって異なります。電気が走るような比較的鋭い痛みや、持続的なジワジワする痛みなどが代表的で、眠れないほど痛む時もあります。いずれも場所や範囲が明確で、肋骨に沿った痛みが特徴です。

肋間神経痛の原因

肋間神経痛が起こる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。症候性肋間神経痛と特発性肋間神経痛では原因が異なるため、それぞれについて解説します。

症候性肋間神経痛の原因

症候性肋間神経痛では、「胸椎椎間板ヘルニア」や「変形性脊椎症」などの脊椎に疾患があるケースと、肋骨の骨折や腫瘍などが原因のケースがあります。ただし、脊椎や肋骨に問題がない場合、「帯状疱疹」が原因となっている可能性が高いです。帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる疾患で、身体の片側の神経に沿って痛みのある発疹が帯状に現れます。胸部に発生した場合、肋間神経痛が起こり、ヒリヒリ、ジクジクといった持続的な痛みを生じます。

特発性肋間神経痛の原因

特発性肋間神経痛は症候性肋間神経痛と異なり、明瞭な原因はわからない場合が多いです。ただし、何らかの原因で肋間神経が興奮することによって発生するとも言われています。原因として考えられるものは下記の通りです。

• 睡眠不足
• ストレス
• 疲労
• 悪い姿勢

特発性肋間神経痛は、針で刺すような鋭い痛みが片側の肋骨に沿って発作的に発生します。

肋間神経痛の痛みで寝れない時の対処法2選

肋間神経痛の痛みで寝れない時は、いくつかの方法を試してみるとよいでしょう。ここでは、原因が不明瞭な特発性肋間神経痛の対処法を2つご紹介します。

身体を温める

血液の循環が悪くなると痛みが強くなりやすいため、身体を温めるとよいでしょう。例えば、湯船につかる、冷たい飲み物を控える、などが効果的です。ただし、温めすぎは逆効果なので注意が必要です。

ストレッチをする

筋肉が凝り、血流が滞っている時も痛みが出やすいです。次のような軽いストレッチをすることで改善が図れます。

1. 仰向けに寝て、右手で左手首をつかむ：手のひらを下に向け、腰にアーチができるようにする（手のひらを下へ強く伸ばすとよい）
2. ひじをまっすぐ伸ばしたまま、組んだ両手が床につくまで上に上げる：肋骨が大きくふくらむよう、両手で円を描くように上げる
3. 足のつま先を重ね、足を下へ、腕もまっすぐ上に伸ばす：両足全体を内側に締めるようにする
4. 右方向へ円を描くように身体を曲げ、曲がらないところで10秒キープする：肋間が伸びるように意識する
5. 一気に力を抜く
6. 反対側も同様に行う

こわばった肋骨周辺の筋肉や背骨を緩めることができるので、ぜひ試してみてください。

肋間神経痛の痛みを軽減するために日頃から気をつけたいこと5選

肋間神経痛の痛みは、日頃からいくつかの点に気をつけることで軽減が図れます。ここでは、原因が不明瞭な特発性肋間神経痛に対しての行動を5つ取り上げて解説します。

生活リズムを整える

日常的な疲労の蓄積は、肋間神経痛を悪化させます。そのため、起床・就寝時間を一定にする、睡眠時間を十分にとる、バランスのよい食事をとるなどの生活習慣の改善が効果的です。

ストレスを溜めない

ストレスの蓄積も肋間神経痛の悪化につながります。ストレスはできるだけ発散し、上手に付き合っていくことが大切です。ストレスの発散方法には次のようなものがあります。

• 陽の光を浴びる
• 身体を動かす
• 趣味や創作活動に没頭する
• 映画・ドラマ鑑賞、読書をする
• 湯船にゆったり浸かる
• 休息・睡眠をたっぷりとる
• 掃除をして環境をすっきりさせる
• いらない紙をビリビリ破く
• カラオケなど大声で歌う
• 仲のいい人と会って話す

また、仕事中では、腹式で深呼吸をする「4・4・8呼吸法」もおすすめです。

1. 楽な姿勢をとって息を吐き切る
2. 4秒かけて息を吸う
3. 4秒息を止める
4. 8秒かけて息を吐く

ぜひ、試してみてください。

運動習慣を取り入れる

肋間神経は上半身の大部分に通っており、激しい運動は痛みを引き起こしかねません。ただし、身体に負担がかからない軽い運動なら肩や背中、肋骨の可動域を広げる効果があります。ウォーキングなどの軽い運動を取り入れると、筋肉の凝りがほぐれて痛みの改善が期待できます。

姿勢を正す

猫背も肋間神経痛の原因となります。そのため、日頃から正しい姿勢を意識することが重要です。また、長時間のデスクワークはできるだけ避け、途中で必ずストレッチを取り入れるなどの習慣をつけるとよいでしょう。

寝室の環境を見直す

寝ている間の姿勢不良も、肋間神経痛を悪化させます。寒さで縮こまって寝ないよう、寝室の温度・湿度や寝具の見直しをすることをおすすめします。着用するものも暖かい下着やパジャマに切り替えるとよいです。

肋間神経痛の痛みが辛い時に注意すべき行動2選

肋間神経痛の痛みが辛い時に注意すべき点を2つ取り上げて解説します。

自己判断で痛み止めを服用する

痛みの原因が定かでない場合、自己判断で薬を服用することは避ける必要があります。肋間神経痛にはさまざまな原因があるため、市販の痛み止めでは効果が出ない場合や飲み合わせによっては副作用が出ることもあります。痛み止めを飲みたい時は、専門医を受診してからにすることが重要です。

痛みを放置する

痛みを放置しないことも大切です。痛みを放置することで、他の身体の不調を招く可能性があります。また、肋間神経痛はまれに内臓系の腫瘍や疾患が原因となっていることもあり、似た症状で別の病気が起きているケースもあります。痛みを感じたら放置せずに、専門医のいる医療機関を受診するようにしましょう。

痛みが強い場合は専門医・整体院を受診して治療しよう

痛みがある場合は放置せず、まずは医療機関を受診することが大切です。また、検査を受けて特定の問題がなかった時は、整体・整骨院を利用するのもよいでしょう。ここでは、肋間神経痛の際に受診すべき専門医と整体院について解説します。

専門医

肋間神経痛で専門医の受診を考えている場合、原因がわからないなら、まずは整形外科で身体の状態や痛みの詳しい原因を突き止めてもらうとよいでしょう。また、胸が痛む時は呼吸器科や内科、皮膚に発疹がある時は皮膚科を訪れることをおすすめします。

整体院

原因が不明瞭な特発性肋間神経痛の場合、整体院でマッサージなどの治療を受ける選択肢もあります。身体全体の歪みを整えることで神経や筋肉の負担が減り、痛みの改善につながります。

まとめ

胸や脇腹などが痛い「肋間神経痛」は、原因によって痛みの感じ方がさまざまな症状です。脊椎や肋骨の疾患、帯状疱疹といった原因が明確な「症候性肋間神経痛」と原因不明な「特発性肋間神経痛」があります。寝れないほど痛い場合もあり、その際は身体を温めたり、ストレッチをしたりするのがおすすめです。また、生活リズムを整える、ストレスを溜めない、運動習慣を取り入れる、姿勢を正すなど、日頃からいくつかの点に気をつけることも大切です。痛みが辛い時は、自己判断や放置をしないで、適切な専門医や整体院を受診するとよいでしょう。