車に乗ると眠くなるのはどうして？原因や注意すべきポイントを紹介

「車に乗ると眠くなってしまう」「運転中の眠気を改善したい」と悩んでいる方も多いでしょう。運転中の眠気は、事故につながることもあり大変危険です。この記事では、車に乗るときに眠くなる原因と眠気の解消方法、助手席での眠気の解消方法などを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

車を運転するときの眠気の危険性とは

眠気のあるまま運転をしていると、判断ミス、居眠り運転などを引き起こし、重大な交通事故につながる可能性があります。もし、居眠り運転で事故を起こしてしまった場合、違反点数の加算や反則金の支払いなどの罰則が科せられます。実際、令和4年度の居眠り運転による交通事故は286件も発生しています。（警視庁ホームページhttps://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bunseki/nenkan/050302R04nenkan.pdf

より）

車に乗ると眠くなるときに考えられる原因

では、なぜ車に乗ると眠くなってしまうのでしょうか。ここでは、車に乗ると眠くなるときに考えられる原因を6つご紹介します。

疲労

安全運転をしようと緊張感を持って運転をしていると、精神的・肉体的に疲労してしまいます。これは「恒常性維持機構」と呼ばれており、中枢神経が刺激され、交感神経が活発化することで眠気を引き起こすものです。また、日々の疲れが溜まっている場合も眠くなりやすいでしょう。

睡眠不足

毎日の睡眠が十分でなく、眠気が溜まっている可能性もあります。睡眠負債が蓄積されていると、日中に強い眠気を感じることがあります。また、起床時間から時間が経過している、夜遅い時間に運転する場合も眠気を感じやすいです。

車の揺れ

車に乗っていると、継続的に緩やかな揺れが発生します。その緩やかな揺れによって、睡眠を抑制する神経の働きが弱まり、眠気を感じやすくなります。睡眠不足や疲れを感じていない人でも眠気が誘発されるため、揺れやすい道を長時間走るときには注意が必要です。

食後の血糖値の上昇

食後は、血糖値が急上昇・急下降するため眠くなりやすいタイミングです。一度に多くの糖質を摂取すると、血糖値が急激に上昇・下降しやすくなってしまいます。運転の予定があるときには、食べすぎや飲みすぎは避け、急激に血糖値を上昇させる食べ物は避けるとよいでしょう。

薬の影響

風邪薬や花粉対策の薬（抗ヒスタミン薬）を服用している場合は、副作用として眠気が生じる可能性があります。薬によっては、運転中の服用を推奨していないこともあるため、用法をよく確認してから服用するようにしましょう。近年は、副作用が出にくい薬も開発されているため、医師や薬剤師に相談するのがおすすめです。

睡眠障害

しっかり睡眠をとっているのに、日中に強い眠気に襲われる場合は、睡眠障害の可能性があります。睡眠障害には主に「過眠症」と「睡眠時無呼吸症候群」の二種類があり、治療が必要なケースもあり注意が必要です。睡眠障害については、次の項で詳しく解説しています。

注意すべき睡眠障害

続いては、注意すべき睡眠障害である「過眠症」と「睡眠時無呼吸症候群」の特徴をご紹介します。もし当てはまる症状がある場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。

過眠症

過眠症とは、夜にしっかり眠っているにもかかわらず日中に耐えられない眠気に襲われる疾患です。過眠症には主に「ナルコレプシー」「突発性過眠症」「反復性過眠症」の3種類があり、それぞれに特徴があります。

ナルコプレシー

ナルコプレシーは過眠症の中で最も発症しやすく、特に10代で発症することが多いと言われています。日中、耐えられない眠気によって30分以内の居眠りをしてしまい、目覚めると一時的にすっきりするのが特徴です。人によっては、金縛りに苦しむ場合もあります。

突発性過眠症

突発性過眠症は、ナルコプレシーよりも発症率は低く、10〜20代で発症しやすい疾患です。眠気による居眠りはナルコプレシーと同じですが、居眠りが1時間以上続き、目覚めたあともすっきりしない点に違いがあります。

反復性過眠症

反復性仮眠症は、ほかの過眠症と比べて発症率が低く、初発は10代の男性が多いと言われています。強い眠気が3日から3週間程度続き、不定期に眠気がある時期とない時期を繰り返すのが特徴です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時に呼吸が何度も停止する疾患です。起床時のだるさ、日中の眠気が特徴で、睡眠時無呼吸症候群が原因で起きた交通事故が多発しています。高血圧や心筋梗塞、脳卒中、糖尿病など他の疾患につながるリスクもあるため、早めに治療したほうがよいでしょう。

睡眠障害の可能性がある場合は専門医を受診しよう

睡眠障害を抱えたまま運転すると、運転中に突然強い眠気に襲われる可能性があり、大変危険です。 睡眠障害に当てはまる症状がある場合は、なるべく運転は避け、すみやかに医療機関への相談をおすすめします。

運転中の眠気を解消する方法8選

では、運転中に眠気に襲われたときにはどう対処すればよいのでしょうか。ここでは、運転中の眠気を解消する方法を8つご紹介します。ぜひ参考にして、試してみてください。

仮眠をとる

今にも寝てしまいそうなほどの強い眠気が襲ってきたときは、一度車を停めて仮眠をとるのがおすすめです。仮眠後は脳がリフレッシュし、すっきりと目が覚めます。しかし、長く眠り過ぎると集中力が低下してしまうので、30分程度の仮眠にとどめましょう。

ガムを噛む

手軽に眠気を解消したい場合は、ガムを噛むのもよい方法です。噛む行為は脳を刺激し、眠気を改善する効果があります。常にガムを車に常備しておけば、困ったときにすぐに噛めるためおすすめです。

カフェインを摂る

カフェインには覚醒作用があり、眠気覚ましに効果的です。カフェインはコーヒー、紅茶、烏龍茶、エナジードリンクなどの飲み物に含まれています。覚醒作用は、摂取してから15分ほどで効果がでるため、眠くなる前に摂取するとよいでしょう。

ストレッチをする

長時間運転をしていると血液の流れが悪くなり、血行不良になりやすいです。血行不良は眠気の原因となるため、眠いときは一度車を停止して身体を動かしてみましょう。血流を促すことで、眠気が改善しやすくなります。

眠気覚ましのツボを押す

手には「中衝（ちゅうしょう）」と「合谷（ごうこく）」という眠気覚ましのツボがあります。「中衝」は中指の爪の生え際の親指寄りにあり、「合谷」は手の背面の親指と人差し指の間にあります。停車中にツボを押すことで、覚醒効果が期待できるでしょう。

換気をする

換気をしないまま運転をしていると、車内の二酸化炭素の濃度が高くなり、眠気を助長させてしまいます。定期的に換気を行い、新鮮な空気を取り入れましょう。気分がすっきりとし、眠気が改善しやすくなります。

話をする

同乗者がいる場合は、話をして眠気をまぎらわしましょう。一人で乗っているときでも、歌を口ずさめば同様の効果が得られます。ただし、強い眠気に襲われているときには効果を感じないこともあるため、ほかの対策と併せて実践しましょう。

顔を拭く

顔を拭くことで、一時的に覚醒効果を得られます。車内に冷たいタオルや洗顔シートを用意しておけば、洗顔したときと同じように気分をすっきりさせられるでしょう。

助手席で眠くなる原因とは

なかには、運転中だけではなく、助手席に座っていても眠くなってしまう人もいるでしょう。運転がスムーズで車が適度に揺れていると、気持ちがリラックスして眠気の原因になりやすいです。また、運転手と信頼関係があると、無理に会話をする必要もなく、安心感から眠気につながりやすい傾向があります。

助手席での眠気を解消する方法

助手席での眠気を解消したいときには、運転手と同じくカフェインの摂取や軽いストレッチなどを試してみましょう。換気をお願いしたり、運転手も運転の疲れが溜まっている場合は一度停車してもらうのもよいかもしれません。また、運転手と会話をすれば、どちらの眠気も改善されるためおすすめです。

まとめ

運転中の眠気は、居眠り運転を引き起こし、事故の原因にもなるため非常に危険です。眠気の原因としては、疲労や睡眠不足、薬の副作用、睡眠障害が挙げられます。なかでも睡眠障害は、眠気をコントロールできないことも多いため、早めに医師に相談しましょう。運転中や助手席に座っているときに眠気に襲われたときには、仮眠をとる、カフェインを摂る、ツボを押すなどの対策方法を試してみてください。居眠りによる事故を起こさないよう、安全な運転を心がけましょう。