花粉症の時期に眠くなる理由とは？寝ても寝ても眠いときの対処法を紹介

花粉症の時期になると、日中の眠気に悩まされる人は多いのではないでしょうか。なかには、花粉症の症状により眠れず、睡眠不足に悩んでいる人もいるでしょう。

そこで今回は、花粉症で眠くなる原因や花粉症による眠気の対処法を紹介します。鼻づまりが原因で眠れないときの対処法も紹介しているので、花粉症の時期に睡眠不足になっている人も、ぜひ参考にしてみてください。

花粉症で眠くなる原因

花粉症で眠くなる主な原因には、睡眠不足や酸素不足、薬の副作用が挙げられます。まずは、花粉症で眠くなる原因を紹介します。

睡眠不足

花粉症の症状である鼻水や鼻づまり、目のかゆみ、頭痛などが寝る直前まで続くと、なかなか寝付けずに睡眠不足になってしまう可能性があります。また、鼻づまりによって寝ている間に口呼吸になったり呼吸しにくくなったりすることで、睡眠の質が低下し、日中に眠気を感じる原因になることもあります。

酸素不足

花粉症の症状によって酸素不足を引き起こし、眠気を感じやすくなる場合もあります。

鼻づまりや鼻の粘膜の炎症が起きると、鼻呼吸がしにくくなるため、口呼吸で補おうとします。ところが、口呼吸は取り込める酸素の量が少ないため、脳に送られる酸素が減り、脳の活動が鈍って眠気を感じてしまうのです。

薬の副作用

花粉症で処方される薬の多くは、抗ヒスタミン薬と呼ばれるものです。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応の原因となるヒスタミンの作用を抑える効果がありますが、副作用として眠気を感じやすいとされています。

ヒスタミンは、アレルギー反応の原因となるだけでなく、脳の覚醒作用も担っています。そのため、抗ヒスタミン薬が脳に作用すると、眠気や集中力の低下を引き起こしてしまう場合があるのです。

ただし、眠くなりにくい成分が配合されている薬もあるので、薬を変えることで改善する可能性があります。

花粉症による眠気の対処法

花粉症による眠気は、仮眠を取ったり、生活習慣を見直したりすることで緩和する可能性があります。ここからは、花粉症による眠気の対処法を紹介します。

花粉症対策をする

花粉症による眠気を和らげるためには、適切な花粉症対策をすることが大切です。すでに対策をしている人もいるかもしれませんが、正しい花粉症対策ができているかを確認してみましょう。

外出するとき

ニュースやインターネットで花粉情報を確認し、飛散の多い日は外出を控えるようにしましょう。どうしても外出しなければならないときは、帽子や眼鏡、マスクを身に付けて、目や鼻の粘膜に花粉が付着しないようにします。

帰宅時は家に入る前に衣類に付いた花粉を取り除きます。手で払うと花粉が舞って目や鼻に入る可能性があるので、ウェットシートや軽く濡らしたタオルで優しく拭き取りましょう。洗顔やうがいをして、顔周りの花粉を洗い流すことも大切です。

家にいるとき

家にいるときは、以下の花粉症対策を徹底しましょう。

• ドアや窓は閉める
• 小まめに掃除する（フローリングの場合は拭き掃除が効果的）
• 布団や洗濯物を外で干さない
• シャワーやお風呂で花粉を落としてからベッドに入る
• 空気清浄機を活用する

家族や同居人がいる場合は、家の中に花粉を持ち込まないように配慮してもらうことが大切です。花粉症対策は自身だけではできないので、家族の協力を得るようにしましょう。

仮眠を取る

眠気を感じたときは、無理せず仮眠を取ることも大切です。

適切に仮眠を取ると、疲労回復や眠気解消の効果が期待できます。ただし、30分以上寝ると、眠りが深くなりすぎてすっきり目覚めにくくなります。午後3時以降の仮眠も、体内リズムの乱れにつながり、夜眠れなくなる原因になるので注意が必要です。

仮眠は、眠気を感じやすい午後2～3時に15～30分ほど取るのが理想的です。

眠くなりにくい薬に変えてもらう

花粉症の薬を飲んでいる場合は、副作用により眠気を感じている可能性があります。その場合は、医師や薬剤師に相談して眠くなりにくい薬に変えてもらうとよいでしょう。

花粉症の薬として使われている抗ヒスタミン薬は、開発された年代によって、第1世代と第2世代に分けられます。最初に開発された第1世代の抗ヒスタミン薬は、眠気などの副作用が起こりやすく、後発の第2世代の抗ヒスタミン薬は副作用が少ないとされています。

点鼻薬や点眼薬を活用する

鼻に噴霧する点鼻薬や目にさす点眼薬は、内服薬と比べて効き目が早く、副作用が出にくいといわれています。花粉症による眠気を抑えたい場合は、医師や薬剤師に相談し、点鼻薬や点眼薬の利用も検討してみましょう。

生活リズムを見直す

生活リズムの乱れは、免疫力の低下につながり、花粉症の症状を悪化させる原因になります。花粉症による眠気を緩和させるには、生活リズムを見直して、免疫機能を整えることが大切です。

例えば、起床時間と就寝時間を一定にしたり、朝起きたら日光を浴びたりすると生活リズムが整えられます。

就寝前の習慣を見直すことでも、スムーズに入眠できるようになり、生活リズムが整う効果が期待できます。寝る前のスマホやパソコンは寝付きを悪くするので使用を控え、ストレッチをしたりアロマを楽しんだりするなど、リラックスできる習慣を取り入れましょう。

ストレスをためない

ストレスがたまっていると、自律神経が乱れ、免疫力の低下につながります。免疫力が落ちていると少しの花粉でも過剰に反応し、症状が悪化しやすくなるため、花粉症による眠気に悩まされているときは、ストレスがたまっていないかも確認してみましょう。

ストレス発散には、ウォーキングやジョギングなどの軽い運動がおすすめです。適度な運動は体力の低下も防げ、免疫機能を整える効果も期待できます。花粉の飛散量が少ない午前中にウォーキングしたり、自宅やジムなどの屋内の運動を取り入れたりしてみましょう。

アルコールやたばこを控える

花粉症による眠気を和らげるためにも、アルコールやたばこを控えましょう。

アルコールは血管を拡張させる作用があるため、鼻づまりや鼻水などの症状が悪化する可能性があります。そのため、就寝前に飲酒すると、鼻づまりや鼻水によって寝付きが悪くなる可能性があります。また、たばこの煙も鼻の粘膜を刺激し、鼻水や鼻づまりを悪化させる原因になるため、喫煙も控えましょう。

鼻づまりで眠れないときの対処法

花粉症で眠くなるのは、夜鼻づまりで眠れず、睡眠不足になっている可能性があります。鼻づまりで眠れないときは、鼻の付け根を温めたり部屋を加湿したりするのがおすすめです。

ここでは、鼻づまりで眠れないときの対処法を紹介します。

鼻の付け根を温める

鼻づまりで眠れないときは、鼻の付け根を温めて、鼻腔を広げるのが効果的です。電子レンジで温めた蒸しタオルを鼻の上に当てると、蒸気により鼻腔が広がり、鼻づまりが緩和される場合があります。

鼻づまりで眠れないときは、1～2分ほどを目安に鼻の付け根を温めましょう。

身体の血行をよくする

鼻だけでなく、身体全体を温めることでも、鼻の通りがよくなる場合があります。鼻づまりで眠れないときは、首や手首、足首を中心に温めてみましょう。特に首には太い血管があるので、温めることで顔周りの血行がよくなり、鼻づまりが緩和される可能性があります。

また、就寝前に入浴して、身体全体を温めるのも効果的です。人は深部体温が下がったタイミングで眠気を感じやすくなるので、就寝時に深部体温が下がって寝付きがよくなる効果が期待できます。

ただし、お湯が熱すぎたり寝る直前に入浴したりすると、交感神経が優位になり、目が覚めてしまう場合があります。寝付きをスムーズにするためにも、寝る1～2時間前までに38～40℃のお湯につかるのがおすすめです。

鼻うがいをする

鼻うがいをすると、鼻の粘膜に付着していた花粉が洗い流され、鼻水や鼻づまりが和らぐ可能性があります。鼻うがいをするときは、ただの水ではなく、専用の洗浄液や濃度0.9％の生理食塩水を使いましょう。鼻うがいの手順は以下の通りです。

1. 前かがみの状態になる
2. 「あー」と声を出しながら洗浄液や生理食塩水を鼻に流し込む
3. 流し込んだ洗浄液や生理食塩水を反対の鼻の穴から出す
4. 洗浄後に鼻を優しくかむ

声を出しながら行う理由は、洗浄液や生理食塩水が気管に入ったり、中耳炎になったりするのを防ぐためです。なお、鼻うがいをしすぎると、鼻の粘膜を傷付けて症状が悪化する可能性があるので、1日2回を目安に取り入れましょう。

部屋を加湿する

乾燥した部屋にいると、鼻の粘膜が刺激され、鼻水が出やすくなります。鼻づまりで眠れないときは、部屋の湿度が40～60％になるように、加湿器などを使いましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルや洗濯物を干すのがおすすめです。

花粉は水分が付着すると、重くなって床に落ちやすくなるため、部屋の湿気が適切に保たれていると、花粉の飛散防止にもつながります。

ひどい症状や眠気があるときは病院で受診する

花粉症の症状がつらい場合や、薬による副作用で眠たい場合は、医師へ相談しましょう。花粉症の薬は、効果の持続時間や服用のタイミングが種類によって異なります。医師に相談したうえで、自分の症状と生活スタイルに合う薬を処方してもらいましょう。

なお、昼間にひどい眠気がある場合は、睡眠時無呼吸症候群や過眠症、うつ病などの他の病気が隠れている可能性もあります。ひどい眠気や睡眠不足に悩んでいる場合は、可能な限り早く医療機関を受診しましょう。

まとめ

花粉症になると、鼻水や目のかゆみによって寝付けず睡眠不足になったり、鼻づまりが原因で口呼吸になり酸素不足になったりすることで、日中の眠気を引き起こしやすくなります。また、花粉症の薬の副作用で眠くなる場合もあります。

花粉症による眠気を和らげるには、仮眠を取ったり、生活習慣を見直したりするのが効果的です。花粉症の症状がひどい場合や、薬の副作用で眠くなっている場合は、医療機関の受診を検討しましょう。