公開日:2023.10.03
更新日:2023.10.18
目次
三大栄養素の1つであるタンパク質は、私たちが健康な身体を維持するためには欠かせないものです。そんなタンパク質と睡眠には深い関係があり、タンパク質が不足すると睡眠の質が低下してしまう可能性があるので注意が必要です。
本記事では、タンパク質不足で起こる睡眠への悪影響やタンパク質の適切な摂取目安量、摂取するタイミングなどについて詳しく解説します。必要なタンパク質を摂取して、睡眠の質を向上させたい人はぜひ参考にしてみてください。
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そもそも「タンパク質」とは、どういう栄養素なのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
タンパク質とは、炭水化物や脂質と並ぶ三大栄養素の中の1つです。タンパク質は20種類のアミノ酸の集合体であり、人間の身体を構成する非常に重要な成分になります。また、20種類のアミノ酸のうちの9種類は、体内で必要な量を作れない「必須アミノ酸」と呼ばれるものになるため、食事から摂取する必要があるので覚えておきましょう。
タンパク質は、筋肉や骨、臓器、皮膚、髪の毛、爪などの身体を作る材料になります。そのため、必要なタンパク質を摂取することで、肌ツヤがよくなったり、髪にコシが出たりする効果が期待できます。また、タンパク質には筋肉量の維持・増加の効果もあるため、基礎代謝が高まって新陳代謝が活発になることで血行が良くなり、冷え性の改善にもつながるでしょう。
健康維持のためには、タンパク質を十分に摂取する必要がありますが、過剰摂取には注意が必要です。タンパク質を摂り過ぎてしまうと、余った分は肝臓や腎臓で処理されたあと、尿として身体の外に排出されるため、処理するタンパク質の量が多いほど、肝臓や腎臓に負担がかかってしまう可能性があります。タンパク質の1日当たりの摂取目安量を守り、過剰摂取には十分注意しましょう。
タンパク質が不足してしまうと、睡眠にも悪影響を及ぼす可能性があります。タンパク質を構成する20種類のアミノ酸の1つである「トリプトファン」は、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の生成に必要不可欠な物質です。そのため、タンパク質が不足してトリプトファンが減り、メラトニンの生成が低下すると、睡眠のリズムが乱れてしまい、睡眠の質の低下につながります。タンパク質不足で起こる睡眠への悪影響については、あとで詳しく紹介します。
質のよい睡眠をとるためには、睡眠が促されるメカニズムについて知っておくとよいでしょう。2つの睡眠のメカニズムがあるので、それぞれ見ていきましょう。
1つ目のメカニズムは「恒常性維持機構のための睡眠」です。「恒常性維持機構」とは、環境の変化に対応しながら、身体の中と外の環境を一定に保とうとするメカニズムのことです。日中に脳や身体を活動させて、夜に疲労回復のために眠るのも、恒常性維持機構の仕組みが影響していて、大脳皮質の疲労に応じて脳を休息させる働きがあります。
2つ目のメカニズムは、「体内時計機構による睡眠」です。人間の身体には、朝になると目が覚めて、夜になると眠くなる生体リズムが備わっています。生体リズムは「体内時計」とも呼ばれ、この体内時計の働きにより、疲れを感じていなくても、夜になると自然に眠くなるのです。
タンパク質が不足すると、睡眠にどのような悪影響が及ぶのでしょうか。主に3つの可能性が考えられるので、チェックしておきましょう。
スムーズな入眠を促すためには、睡眠リズムが整っていることが大切です。脳内にある神経伝達物質の1つであるセロトニンには、睡眠リズムを整える働きがあります。セロトニンは、食べ物から摂取する必要のある必須アミノ酸のトリプトファンから合成されるため、トリプトファンを含むタンパク質が不足してしまうと、セロトニンも減少し、睡眠リズムの乱れにつながる可能性があります。
眠りを促す睡眠ホルモンであるメラトニンの生成には、セロトニンが欠かせません。上の項目でも触れましたが、セロトニンはトリプトファンから合成されるため、トリプトファンを含むタンパク質が減ると、セロトニンの合成が減り、比例してメラトニンも減少してしまうため、眠りが浅くなることが考えられます。
睡眠リズムを整える働きのあるセロトニンには、精神を安定させる作用もあります。トリプトファンを含むタンパク質が減るとセロトニンも減り、精神が不安定になってしまい、心身の不調につながる可能性があります。心の安定が保てない状態が続いてしまうと、場合によっては、うつ病などの病気に陥る恐れもあるので注意が必要です。
1日に必要なタンパク質の摂取目安量は、一般的な成人で体重1kgあたり約1gといわれています。厚生労働省が定めている「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、1日のタンパク質の摂取目安量は、成人男性の場合で65g、成人女性の場合で50gとされています。それぞれ年齢別の1日のタンパク質の摂取目安量は、以下のとおりです。
⦅年齢別 1日のタンパク質の食事摂取基準推奨量⦆
年齢 | 男性 | 女性 |
18〜29歳 | 65g | 50g |
30〜49歳 | 65g | 50g |
50〜64歳 | 65g | 50g |
65〜74歳 | 60g | 50g |
75歳以上 | 60g | 50g |
(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) たんぱく質の食事摂取基準」)
ただし、上記はあくまで目安となる摂取量になります。体重や運動習慣の有無、妊婦・授乳婦などによって変化するので、自分に合った適切な摂取量を心がけることが大切です。
また、タンパク質が多く含まれる食品は以下のものが挙げられるので、積極的に食事に取り入れるとよいでしょう。
⦅タンパク質が多く含まれる食品⦆
タンパク質は筋肉を作る材料になるため、寝る前にタンパク質を摂取すると、成長ホルモンの分泌が促され、筋肉量が増加する効果が期待できます。一方で、寝ている間にタンパク質が不足してしまうと筋肉が分解され、基礎代謝の低下につながってしまうので気をつけましょう。
タンパク質を食事ではなくプロテインで摂取する場合、寝る30分〜1時間前までに摂るか、朝に摂るのがおすすめです。タンパク質を補うための栄養補助食品になるプロテインは、一般的な食事よりもカロリーや脂質が低い傾向にあるため、通常の食事よりも消化吸収しやすく、寝る前に摂取しても胃腸への負担が少なくて済みます。
睡眠の質を高めるためには、タンパク質以外の栄養素も摂取することが大切です。例えば、「ビタミンB群」にはエネルギー代謝を助ける作用があるため、ビタミンB群をしっかりと摂取することで、疲労解消につながります。また、アミノ酸の一種である「GABA(ギャバ)」には、心身をリラックスさせる働きがあるといわれているので、ストレス緩和や安眠効果が期待できるでしょう。
ここでは、タンパク質不足以外にも快眠を妨げるNGな習慣について紹介します。当てはまる習慣がないか、チェックしておきましょう。
就寝の直前に食事をしてしまうと、食べ物の消化が優先されてしまうため、寝付きの悪さにつながります。食べ物の消化には2〜3時間ほどかかるとされているので、食事は就寝の2〜3時間前までには済ませておくのがポイントです。
就寝直前に、カフェインを含む飲み物やアルコールを大量に摂取しないようにしましょう。コーヒーや紅茶などは覚醒作用のあるカフェインを多く含んでいるため、頭が冴えてしまい、スムーズに入眠できない可能性があります。また、アルコールを飲むと一時的に寝付きはよくなりますが、アルコールが体内で分解されると覚醒しやすくなり、浅い眠りが増えてしまいます。
タンパク質は三大栄養素の1つで、健康な身体を維持するためには欠かせないものです。タンパク質と睡眠には深い関係があり、タンパク質に含まれるトリプトファンは、睡眠ホルモンのメラトニンの生成に必要な物質になるため、タンパク質が不足すると睡眠のリズムが乱れるなどの悪影響が及ぶ可能性があります。本記事の内容を参考に、自分に合った適切な量のタンパク質の摂取を心がけ、睡眠の質を向上させましょう。
また、睡眠の質を高めるためには、ベッドや枕などの寝具も重要な要素になります。ビーナスベッドでは、良質な眠りにつながる寝具を豊富に取り揃えていますので、ぜひ一度利用してみてください。
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