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なぜ妊娠後期は眠れない?6つの理由と赤ちゃんへの影響などについても詳しく解説

公開日:2023.06.14

更新日:2023.07.06

睡眠 3,600 views

妊娠後期は身体的な変化が大きく、不眠などの悩みが増える時期です。不眠は健康を害する恐れがあるため、睡眠不足に悩む方は「適度な運動をする」「楽な姿勢を探す」などを試してみることをおすすめします。

この記事では妊娠後期に眠れない理由、眠れないとお腹の赤ちゃんに影響するのかなどについて解説しています。妊娠後期で睡眠不足に悩んでいる方は、参考にしてみてください。


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なぜ妊娠後期は眠れないの?

妊娠後期に眠れない原因には、さまざまなものがあります。ここでは、考えられる6つの原因を説明します。

ホルモンが影響している

妊娠後期に眠れない原因として、ホルモンの影響が考えられます。

妊娠8〜9ヶ月頃には、プロゲステロンというホルモンの分泌が増えます。プロゲステロンは、子宮内の環境を整えるホルモンです。ホルモンバランスが変化して落ち込みやイライラが増え、布団に入っても眠れない可能性があります。

臓器が圧迫される

妊娠後期は、赤ちゃんの身体が大きくなる時期です。子宮が大きくなって臓器が圧迫されるため、眠りづらくなります。肺が圧迫されて息苦しくなったり、胃が圧迫されて気分が悪くなったりするなど、身体の不調を感じることも増えるでしょう。

寝返りが打てない

妊娠後期になると、お腹が大きいために寝返りを打ちづらくなります。

人は睡眠中、20回以上の寝返りを打つといわれています。寝返りは、血行不良を改善して快適に寝るために必要な動作です。妊娠後期になると自由な寝姿勢を取れないため、眠りづらさを感じやすくなります。

妊娠後期になると、お腹が大きいために寝返りを打ちづらくなります。

不安やストレスがある

妊娠後期は、出産に伴うストレスや不安を感じることが多い時期です。お腹が大きいために日常生活の動きが制限されて思うように行動できなかったり、「ちゃんと生まれてくるだろうか」という不安を感じやすくなったりします。

不安やストレスが増えると不眠の原因となる交感神経が活発になり、興奮状態になって眠りづらくなります。

ほてりを感じている

妊娠後期は、ほてりを感じる方が多いです。妊娠後期はホルモンバランスが変化するうえに血液量が妊娠前より1.4〜1.5倍増加するため、暑さを感じやすくなります。真夏に眠りづらいように、ほてりを感じると暑さで寝付きにくくなる方もいます。

妊娠後期は血液量が妊娠前より増加します。

足がむくんだりつったりする

妊娠中は、足がむくんだりつったりすることが増えます。「ホルモンバランスが変化する」「運動不足になる傾向がある」といった影響で、足のトラブルが起きやすいためです。

人によっては「むずむず脚症候群」になる場合もあります。「むずむず脚症候群」とは、足に虫が這う感じや、足を動かさないと気持ち悪い感覚がある症状のことです。「むずむず脚症候群」の原因はわかっていませんが、妊娠後期に罹患する方が多くいます。

妊娠中の睡眠不足は赤ちゃんに悪影響?

妊娠中に睡眠不足になると、「赤ちゃんに悪影響があるのではないか」と不安になる方もいるかもしれません。

基本的には、妊婦が睡眠不足でも赤ちゃんには影響がありません。赤ちゃんは、母体とは異なるリズムで寝ているため、一般的な徹夜の範囲であれば問題ないと考えてよいでしょう。

ただし、睡眠不足が長く続いたり昼夜逆転したりする生活は健康によくありません。睡眠不足が続く方は、「日中に光を浴びる」「軽く運動する」などしてみてください。


睡眠不足のデメリット

睡眠不足になると、以下のようなデメリットがあります。

ストレスが溜まる

睡眠不足が続くとストレスを溜め込みやすくなります。ストレスは精神的な部分のみならず、免疫力や代謝など身体のさまざまな部分に影響を与えます。睡眠不足によるストレスでさらに睡眠不足が悪化する可能性があるため、睡眠不足を軽減させることが大切です。

イライラしやすい

睡眠不足のときは、気分が落ちている状態になっています。そのためイライラしやすくなり、周りにトゲのある言動をしてしまう可能性もあります。些細なことで怒りっぽくなるなど、精神的に不安定になりやすいといえるでしょう。

免疫力が低下する

睡眠不足は免疫力低下につながります。免疫力とは、侵入した細菌やウイルスから身体を守る力です。免疫力が低下すると感染症のリスクが高まります。感染症によっては、お腹の中の赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があります。病気から赤ちゃんを守る免疫力をつけるためにも、睡眠が大切です。

睡眠不足は免疫力低下につながります。

新陳代謝が低下する

妊娠中の体内では新陳代謝が低下します。新陳代謝とは、食べたり飲んだりしたものをエネルギーに変える働きです。新陳代謝が低下すると取り込んだものをうまくエネルギーとして使えなくなり、余ったエネルギーによって体重が増加する場合もあります。

認知機能に障害がでる

睡眠不足が続くと、母体の認知機能に障害を及ぼす可能性があります。睡眠不足で頭がぼんやりしたり、目の前のことに集中するのが難しくなったりした経験がある方も多いでしょう。認知機能への影響が悪化すると作業の生産性が悪くなり、仕事や家事などでミスしやすくなります。

ケガや事故のリスクが高まる

睡眠不足はケガや事故につながります。睡眠が足りないためにエネルギー不足となり、運転や仕事中の操作でミスをした結果、ケガや事故につながる恐れがあります。心身ともに疲労している状態で集中力に欠け、自分のみならず相手にケガをさせることもあるかもしれません。

血圧が上昇する

睡眠不足は血圧を上昇させます。妊娠中の高血圧は「妊娠高血圧症候群」と呼ばれ、赤ちゃんにも悪影響を及ぼす可能性があります。妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から分娩12週までの間に高血圧となる症状です。高血圧は心臓発作や脳卒中の原因にもなるため、循環器系の健康を保つために十分な睡眠をとる必要があります。

慢性疾患のリスクが高まる

睡眠不足は慢性疾患を発症しやすくなります。慢性疾患とは、糖尿病や高血圧など治療や経過が長期に及ぶ疾患のことです。慢性疾患は赤ちゃんにも悪影響を及ぼす可能性があるため、睡眠をしっかりとることが大切です。

妊娠後期の身体の変化と赤ちゃんの特徴

妊娠後期になると身体にさまざまな変化が現れます。ここでは、妊娠8ヶ月〜10ヶ月の身体の変化と赤ちゃんの状態を説明します。

妊娠8ヶ月(28週〜31週)

妊娠8ヶ月になると、お腹が大きくなり始めます。足元が見えづらくなるため、転ばないようにヒールは避けたほうがよいでしょう。

この時期になると赤ちゃんの位置や姿勢が一定になり、聴覚がほぼ完成するようになります。赤ちゃんの身体の基礎ができあがる時期です。

妊娠9ヶ月(32週〜35週)

妊娠9ヶ月になると子宮が大きくなり、胃が押し上げられてムカムカする症状が現れます。膀胱が圧迫されてトイレの頻度が増えやすいのもこの時期の特徴です。

赤ちゃんは丸みを帯びてピンク色の肌になっていきます。皮下脂肪がつき、髪の毛や爪も伸びてきます。

妊娠9ヶ月になると子宮が大きくなり、胃が押し上げられてムカムカする症状が現れます。

妊娠10ヶ月(36週〜39週)

妊娠10ヶ月目は子宮が下がって楽になる時期で、いつ生まれてきてもおかしくない状態です。息切れや胃の圧迫も軽減されるでしょう。

赤ちゃんは新生児とほぼ同じ大きさに成長しています。子宮の入り口に頭をつける姿勢になって赤ちゃんの位置が固定されるため、胎動を感じなくなります。


妊娠後期に眠れないときの対処法

妊娠後期に眠れないときは、以下の対処法を試すとよいでしょう。

適度に身体を動かしてみる

妊娠中に眠れないときは、適度に身体を動かしてみましょう。散歩やウォーキング、マタニティヨガなどがおすすめです。

日中にほどよく身体を動かすと、自律神経のバランスが整いやすくなります。適度な疲労感があり、夜もスムーズに眠れるでしょう。無理に運動するとケガをしたり、かえってストレスが溜まったりするため、「気持ちいい」と思う程度にしましょう。

日中にほどよく身体を動かすと、自律神経のバランスが整いやすくなります。

楽な姿勢を試してみる

眠れないときは、自分にとって楽な姿勢を見つけてみるのもひとつの方法です。寝姿勢にはさまざまなものがあり、一般的に「シムスの体位」が推奨されています。シムスの体位は、以下のように姿勢を取ります。

  1. 身体の左側を下にして、横向きになる
  2. 上側の右足を曲げ、下の左足と少しずらす

完全な横向きではなく、ややうつ伏せ気味の姿勢がリラックスしやすいという方もいます。体格などによって楽な寝姿勢は異なるため、自分に合った寝姿勢を見つけるとよいでしょう。

自分に合ったマットレスや枕に変えてみる

マットレスや枕を自分に合うものに変えると、眠りやすくなる可能性があります。心地よく眠るためには、身体を優しく包み込んでくれる寝具がおすすめです。

抱き枕や妊婦向けのクッションなどを使うのもよいでしょう。足元にクッションやタオルを置いて足を高くして寝ると寝やすい場合もあります。

抱き枕や妊婦向けのクッションなどを使うのもよいでしょう。

リラックスする

質の高い睡眠のためにはリラックスが欠かせません。アロマを焚いたり読書をしたりするなど、リラックスできる方法を見つけるとよいでしょう。

リラックスできる方法を知っておくと、妊娠後期にイライラしたり不安になったりしたときも対応できるのでおすすめです。

入浴は就寝90〜120分前に済ませる

入浴は、就寝90〜120分前に入るようにしましょう。就寝90〜120分前に入ると就寝のタイミングで適切な体温になるため、入眠しやすくなります。長風呂をすると身体が疲れてしまうため、湯船につかるのは5〜10分ほどにするとよいでしょう。

ブルーライトを避ける

スマホやパソコンなどのブルーライトは覚醒作用があり、睡眠に影響を及ぼします。睡眠の質が低下しないよう、寝る前にスマホやパソコンを使うのは避けたほうがよいでしょう。十分な睡眠をとるためには、睡眠の環境作りから気を付けてみてください。

寝る前にスマホやパソコンを使うのは避けたほうがよいでしょう。

妊娠後期に眠れないときはどう過ごせばいい?

妊娠後期に眠れないときは、以下のような方法を試してみてください。

筋弛緩法を試す

筋弛緩法とは、身体の緊張を解きほぐすリラクゼーション法です。意図的に身体の筋肉を緊張させて脱力することで、身体がリラックスする効果を期待できます。

筋弛緩法は、身体のそれぞれの筋肉に10秒間力を入れ、15〜20秒間脱力します。一部の部位だけでもよいですが、以下の順番に行うとより効果的です。

  • 両手(両腕を伸ばし、親指を曲げて握る→脱力)
  • 両腕(腕を曲げ、脇を締めて力を入れる→脱力)
  • 背中(上腕を外に広げて肩甲骨を引きつける→脱力)
  • 肩(両肩を上げて耳まで近づける→脱力)
  • 首(右側に首をひねる→脱力)
  • 顔(目と口をギュッととつぶり、奥歯を噛みしめて顔全体を顔の中心に集める→脱力)
  • お腹(手を当てて、その手を押し返すように力を入れる→脱力)
  • 足の下側(両足を伸ばし、足の下側に力を入れる→脱力)
  • 足の上側(足を伸ばし、つま先を上に曲げて足の上側に力を入れる→脱力)
  • 全身(これまでに行った全てのパーツに力を入れる→脱力)

骨盤呼吸法を試す

骨盤呼吸法はリラックスできる呼吸法で、安産にも効果的です。無意識に行う呼吸を意識してコントロールすることで、安産を呼び込めます。

骨盤呼吸法は以下のように行います。

  1. 両ひざを立ててあおむけに寝転がり、足を腰幅に開く
  2. 腹式呼吸(鼻から息を吸って口から細く息を吐く)を繰り返す
  3. 鼻から息を吸いながら、骨盤をななめの方向に倒す
  4. 息を吸い終わったら、お腹をへこませながら口から息を吐き、骨盤をみぞおちの方向に傾ける

深呼吸をする

深呼吸は、副交感神経の働きを強めてくれます。また、自律神経のバランスが整う効果も期待できます。

まとめ

妊娠後期に眠れない理由には、ホルモンの影響や赤ちゃんが大きくなったことによる臓器への圧迫などが挙げられます。睡眠不足が続くと、ストレスが溜まったり免疫力が下がったりします。眠れないときは身体を動かす、楽な姿勢を探すなどを試すとよいでしょう。

また、妊娠後期に眠れないときは、筋弛緩法や骨盤呼吸法を試すのもおすすめです。身体に負担のない範囲で試して、自分に合ったリラックス方法を見つけてみてください。

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