公開日:2023.06.13
更新日:2023.07.06
目次
睡眠環境を整える上で、寝るときの照明はどうすれば良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。快眠のためには、光と睡眠の関係について理解しておくことが重要です。本記事では、電気をつけたまま寝るのは良くないのか、また光が睡眠に与える影響などについて詳しく解説します。電気をつけたまま寝ることで身体にどのような影響があるのか気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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寝室の電気をつけた状態で寝るのは良くないのか、気になるところです。一般的に、寝るときは電気をつけない方が良いと言われています。しかし、暗闇が怖いという場合、我慢して暗くしても不安を抱えてしまい、寝付きが悪くなるおそれがあります。スムーズに眠れるようであれば、常夜灯や豆電球、間接照明などをつけた状態で寝ても問題ありません。ただし、睡眠の質が低下する可能性があるため、注意が必要です。
寝るときに照明をどうするのかは、人によって異なります。ここからは、「真っ暗派」「少し明るい派」「明るい派」の3つに分け、それぞれについて紹介します。
最も多いのが、真っ暗でないと眠れない「真っ暗派」です。あるアンケート結果によると、すべての電気を消して寝る人の割合は約64%で、半数以上を占めることがわかっています。明るい環境では、身体機能を活発化する「交感神経」が刺激されて目が覚めますが、照明をつけない環境では、お休みモードを促す「副交感神経」が優位になります。そのため、真っ暗な睡眠環境は、良質な睡眠を得るには効果的と言えるでしょう。
参考:「点けて寝るor消す?就寝時の明かりはどうしていますか?」|百一
豆電球や常夜灯をつけて寝る「少し明るい派」は、真っ暗派の次に多いです。真っ暗だと不安を感じやすく、明るすぎると眠りにくいと感じる場合、あまりまぶしくない明かりをつけて寝るのがおすすめです。安心感があり、リラックスして入眠することができます。また、トイレなどに行くときに足元が見えて便利、というメリットもあります。
通常の照明をつけたまま寝る「明るい派」は、かなり少数派です。普段どおりの状態の方が落ち着いて眠りやすい、という人や、夜型生活の人がこちらに分類されます。ただし、入眠しやすくても、睡眠の質が低く、身体がしっかり休まっていないことも多いです。
それでは、照明などの光が睡眠に与える影響にはどのようなものがあるのでしょうか。主な3つの影響について解説します。
光には、体内リズムを整える働きがあります。体内時計の動きは、25時間で1周です。1日24時間と1時間のずれが生じますが、このずれは光によって調整されています。1日の周期と自分の体内リズムがずれていくと睡眠にも影響が及ぶため、朝にしっかり光を浴びることが大切です。
人は、「メラトニン」というホルモンの分泌によって眠気を感じます。メラトニンは、周りが暗い状態になることで分泌されるため、部屋が明るいままだと分泌が抑制され、入眠しにくくなるのです。また、メラトニンには血管を広げて、リラックスに導く副交感神経を優位にする効果もあります。
部屋が明るいと睡眠に影響があるとは言え、本能的に暗闇は不安を感じやすいものです。不安を感じる場合は、無理に暗闇で寝る必要はありません。光があることで、安心して眠りにつけるというケースもあります。タイマーなどを利用し、寝入ったあたりの時間から照明を落とす方法もおすすめです。
体内時計が乱れると、糖尿病のリスクが上昇するおそれがあります。体内時計は、身体の基本的な機能をコントロールしています。そのため、体内時計の乱れはインスリンの分泌にも悪影響となり、糖尿病にも関わります。明るい照明をつけて寝ると体内時計に影響し、血糖を下げるインスリン作用が低下する「インスリン抵抗性」が亢進する、という研究結果もあることから、注意が必要です。
明るい照明をつけたまま寝ると、太りやすくなるとも言われています。メラトニンの分泌が抑制されることで体内時計が乱れ、食欲を抑えるホルモンの分泌が低下し、食欲を増進させるホルモンの分泌が高まるからです。米国の国立衛生研究所が発表した研究結果によると、寝室で照明をつけたまま寝ている女性と、真っ暗な状態で寝ている女性を比較した場合、つけたまま寝ている女性の方が、体重が5kg以上増える割合が17%高かったということです。
参照:「明るい部屋で寝ると「太る」? 米国立研究所が気になる調査結果を発表」|FNNプライムオンライン
それでは、心地良く眠るためにはどのような照明にするのが良いのでしょうか。ここでは、「少し明るい派」の方に快眠のためのライティングのポイントを3つ紹介します。
寝るときは、まぶしさを感じない程度の、ほんのりした明かりにすると良いでしょう。また、照明の色には、オレンジっぽい「電球色」、青っぽい「昼光色」、白っぽい「昼白色」の3種類がありますが、最もおすすめなのは電球色です。リラックス効果のある暖色系なので、まぶしすぎず、寝つきを良くするのに適しています。
寝るときは、照明だけでなく、さまざまな光が目に入らないようにするのもポイントです。例えば、窓の外が明るかったり、家族がテレビ・パソコンを見ていたりする状況では、目を閉じていてもうっすら光を感じてしまいます。このような場合は、遮光性カーテンにする、ベッドの位置を調節する、アイマスクを使用する、といった方法をとると良いです。
一般的な家庭では、天井についたシーリングライトで部屋を明るくするものです。しかし、これでは寝るときに明るすぎる可能性があります。おすすめは、スタンドライトや足元用のライトなどの間接照明で明るさを調節することです。寝るときはシーリングライトを消し、間接照明のみを使ってみると良いでしょう。
睡眠の質を上げるには、寝るときの照明だけでなく、寝る前の過ごし方にも気をつけると効果的です。ここでは、寝る前に心がけるべき5つのポイントを紹介します。
寝る前でも、照明は明るすぎない方が良いです。就寝1〜2時間前からは、間接照明などのほのかな明かりだけで過ごしましょう。副交感神経が優位になるため、眠りにつきやすくなります。適切な照明器具がない場合は、ふだんの明るさの半分程度を目安に調節するのがおすすめです。
スマホやパソコンなどから発せられるブルーライトは光の刺激が強く、就寝前に浴びると脳が覚醒し、寝つきづらくなります。睡眠を妨げないためにも、できるだけ避けることが重要です。
カフェインもブルーライト同様、脳を覚醒させる作用があります。加えて、血管の収縮作用もあるため、入眠に必要な身体の放熱がしづらく、睡眠の質に影響します。寝る前は、コーヒーやお茶、エナジードリンクなどを飲まないようにしましょう。代わりとして、カフェインレスのものや白湯、ハーブティーがおすすめです。
リラックスすることは質の高い睡眠に効果的です。寝る前にストレッチや飲み物、アロマなどでリラックス効果を高めると良いでしょう。また、習慣化することで、入眠しやすくなります。
就寝前に入浴する場合、浴室の照明を抑えておくのも快眠につながる良い方法です。通常の明るさの半分程度に下げるのがおすすめですが、浴室の照明は調節できないことも多いかもしれません。このようなときは、照明を消してバスライトを利用してみましょう。バスライトには、置くタイプや壁につけるタイプ、浴槽に沈めるタイプなどがあるので、好みに合わせたものを選ぶと良いです。
スッキリと目を覚ますには、朝にしっかり光を浴びる必要があります。カーテンを開けたまま寝たり、起床後はカーテンを開けて光を取り込んだりすると目覚めが良くなります。また、朝に光を取り込むことで体内時計がリセットされる効果もあるため、毎日欠かさず行うようにしましょう。
寝るときの照明は、つけない状態で寝ることで睡眠の質が上がりやすくなります。ただし、暗闇に不安を感じる場合は無理せず、常夜灯などをつけたまま寝ても問題ありません。光が睡眠に与える影響としては、体内リズムを整える働きなどがあり、明るい環境では眠りを促すメラトニンの分泌が抑制されるおそれがあります。また、快眠のためには、暖色系の照明にしたり、間接照明にしたりするのはもちろん、寝る前の過ごし方にも気を配ることが重要です。
ぜひ、今回の記事を参考にして、寝るときの照明についてもこだわってみてください。
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