公開日:2023.04.28
更新日:2023.11.13
梅雨などの湿気が多い時期になると、部屋にカビが生えるのではないかと気になる人は多いのではないでしょうか。なかには、カビが生えた部屋で寝ると、身体にどのような影響があるのか不安に感じている人もいるでしょう。空気中に浮遊しているカビの胞子は、吸引するとアレルギーや感染症などの健康被害につながる可能性があるので注意が必要です。
そこで今回は、カビが生えた部屋で寝るリスクと、カビの発生を抑える方法を紹介します。カビの除去方法も紹介しているので、すでにカビが生えている場合も、ぜひ参考にしてみてください。
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カビが繁殖した部屋で寝ると、空気中に漂うカビの胞子を吸い込むことで、アレルギー疾患や感染症などを引き起こす可能性があります。具体的には、以下のような疾患が挙げられます。
咳や鼻水、のどの痛みなどの症状が見られる場合は、部屋に繁殖したカビが原因となっていることが考えられます。このように、カビは健康被害につながるため、部屋にカビの繁殖がある場合は適切な方法で除去しなければなりません。
カビは、酵母やキノコと同じく真菌と呼ばれる微生物の一種であり、約10万種類以上あるといわれています。カビは糸のような「菌糸」と「胞子」から成り立っており、胞子を空気中にまき散らすことで繁殖します。なかには、人体に影響がないカビも存在しますが、病気の原因となる種類もあるので注意が必要です。
カビは湿度・温度・栄養分の条件がそろったときに繁殖が進みます。カビの繁殖を抑えるには、発生条件がそろわない環境をつくることが大切です。ここからは、カビが発生しやすい条件を見ていきましょう。
カビが発生しやすい湿度は70%といわれていますが、60%以上でも発生する可能性が十分にあります。さらに湿度が80%を超えると、繁殖スピードは高まるといわれています。梅雨など湿気が部屋にこもりやすい時期は、カビの繁殖が広がりやすいため、換気などの対策が必須です。
カビが発生しやすい温度は、15~30℃とされており、季節を問わず繁殖する恐れがあります。なかでも25~28℃が最も繁殖に適した温度といわれているため、梅雨から秋口の時期は特に注意が必要です。
カビは食べかすやほこり、ダニなどを栄養分として繁殖します。髪の毛や皮脂なども栄養分になるため、汚れがたまるとカビが繁殖するリスクが高まります。カビの繁殖を抑えるには、栄養分を与えないように定期的に掃除することが大切です。
家には、カビの発生条件を満たす箇所が多くあります。ここでは、カビが発生しやすい場所を紹介します。
トイレや洗面所、キッチン、お風呂といった水回りは、カビが発生しやすい場所の一つです。他の場所よりも湿度が高くなりやすく、石鹸かすや食べかす、皮脂といった栄養分も豊富にあります。カビの発生条件がそろわないように、定期的に換気や掃除をすることが大切です。
クローゼットや押し入れなどの収納は、締め切っていることが多いため、温度や湿度が高くなる傾向があります。また、収納しているものが多いほど掃除が行き渡らず、カビの栄養となるほこりがたまりやすくなります。
カビの繫殖を抑えるには定期的な掃除はもちろんのこと、クローゼットや押し入れの扉を開けて空気を入れ替えたり、収納量を調整したりすることが大切です。
マットレスや敷き布団などの寝具類も、カビが発生しやすいので注意が必要です。マットレスや敷き布団には、寝汗や昼夜の気温で発生する結露が染み込んでいます。また、髪の毛や皮脂、ほこりなどの栄養分も蓄積されると、カビが繁殖しやすい条件がそろってしまいます。
カビを発生させないためにも、少なくとも週に1度は干し、髪の毛やほこりなどを取り除きましょう。
タンスや食器棚などの家具の裏側にも、カビが繁殖している恐れがあります。家具の裏側は通気性が悪いうえに、掃除がしにくいため、カビが好む湿気や栄養分がたまりやすい環境です。家具を壁から離して空気の通り道をつくったり、家具の裏を定期的に掃除をしたりすることで、カビの繁殖が抑えられるでしょう。
天然のい草でできている畳は、カビが発生しやすい場所の代表例です。天然のい草には、湿気を取り込む性質があるため、湿度が高いほどたくさんの湿気を吸収し続けてしまいます。加えて、食べかすや皮脂が畳に蓄積されることで、カビにとって快適な環境となってしまうのです。
畳にカビが繁殖しないようにするには、定期的に部屋の換気をしたり掃除で汚れを取り除いたりすることが大切です。
カビの繁殖を予防するには、湿気や栄養分となる汚れを取り除くことが大切です。ここでは、カビを予防するための対策を紹介します。
カビは、食べかすや髪の毛、皮脂、ほこりなどを栄養分とします。そのため、小まめな掃除で汚れを取り除くと、カビの繁殖を抑えることにつながります。床や壁などだけでなく、見落としやすい家具の裏側や隙間も忘れずに掃除しましょう。
カビの予防には、風通しを良くして室内の湿度を下げることも大切です。
締め切った部屋や空気に触れる部分が少ない家具の裏側は、湿気がたまり、カビの繁殖に適した環境となってしまいます。定期的に換気をして空気を入れ替えたり、家具を壁から離して空気の通り道をつくったりすることで、湿気がたまらないようにしましょう。
マットレスや敷き布団を干す頻度は、週に1回程度が理想的です。空気にさらすことで、こもった湿気を取り除く効果が期待できます。
重くて干せない場合は、布団乾燥機を活用するのがおすすめです。ただし、寝具を干したり布団乾燥機を使ったりするだけでは、カビの栄養となる髪の毛やダニの死骸が残ってしまうことがあります。髪の毛やダニの死骸は、掃除機や布団クリーナーを活用して忘れずに取り除きましょう。
布団乾燥機の効果や使い方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
フケ・アカ・髪の毛・ダニの糞・死骸などが水溶性であるため、ドライクリーニングでは効果が得られません。布団の素材によっては、水洗いができないものがあるため、素材の確認は必ず行いましょう。
除湿シートや除湿剤といったカビ対策用のアイテムを活用するのもよいでしょう。例えば、マットレスや敷き布団の下に除湿シートを敷くと、汗などの湿気を吸い込んでくれるため、カビ予防に効果的です。カビ対策用のアイテムを使えば、布団を干したり掃除したりする負担の軽減にもつながるでしょう。
マットレスや敷き布団は、湿気がたまりやすく、日々のお手入れも簡単ではありません。布団を定期的に干すことに負担を感じている人は、通気性のよい寝具を使いましょう。通気性のよい寝具を選ぶと、お手入れの負担を減らしながらカビの繁殖も抑えられるでしょう。
マットレスを選ぶ際は、高反発ファイバータイプやスプリングタイプを中心に探すのがおすすめです。通気性の良いマットレスの特徴や選び方は、こちらの記事で紹介しています。
カビが生えた部屋で寝ると、健康被害につながるため、可能な限り早く対処することが大切です。最後にカビが生えたときの対処法を紹介します。
部屋の壁や床にカビが生えたときは、除菌用のアルコールを使って落とせる場合があります。自分でカビを除去する場合は、胞子を吸引したりカビ剤で手がかぶれたりしないように、マスクと手袋を必ずつけましょう。アルコールを使ったカビ除去の手順は以下の通りです。
アルコールは水に弱いため、濡れた雑巾で拭くと効果が薄まってしまいます。アルコールを使っても落ちない場合は、除菌効果の高い漂白剤を使いましょう。ただし、漂白剤は色落ちの原因となる場合もあるので、使用する場所や素材との相性は必ず確認しましょう。
カビが広範囲に繁殖している場合や、自分で除去が難しい場合は、ハウスクリーニングを依頼しましょう。無理にカビを取り除こうとして胞子を吸ったり、対処できず放置したりすると、健康被害につながる可能性があります。カビの除去だけでなく、防カビ処理も行ってくれる業者を選ぶと、再び繁殖するリスクも抑えられるでしょう。
布団のカビがひどい場合はクリーニング業者や買い替えも検討しましょう。布団をクリーニングに出す際は、寝具の取り扱いやカビの除去に対応している店舗かどうか事前に確認することが大切です。 また、「宅配クリーニング」に依頼すれば、自分で重い布団を持ち運びする手間がかからず大変便利です。
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カビが生えた部屋で寝ると、空気中に漂うカビの胞子を吸い込むことで、アレルギー疾患や感染症などの健康被害を引き起こす可能性があります。そのため、定期的に掃除や換気をしたり寝具を干したりして、カビの繁殖を予防することが大切です。
カビの繁殖が見られた場合は、除菌用のアルコールや漂白剤を使って除去したり、ハウスクリーニングに依頼したりするなど、健康被害につながる前に早めに対処しましょう。
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