猫背を治す寝方とは｜注意すべき寝方や日常生活での猫背対策も紹介

自身の姿勢の悪さに悩み、猫背を治す寝方を知りたい人は多いのではないでしょうか。猫背は、見た目の印象を左右するだけでなく、身体の不調につながる可能性があります。

そこで今回は、猫背を治したい人に向けて、おすすめの寝方を紹介します。猫背を悪化させる注意すべき寝方や、日常生活で取り入れられる対策も紹介しているので、猫背による身体の不調を解消したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

猫背を治す寝方はあるの？

就寝中に理想的な寝姿勢をキープし、身体のゆがみをリセットできると、猫背の改善につながる可能性があります。理想的な寝姿勢は、まっすぐ立ったときの姿勢を保てている状態の仰向け寝です。

まっすぐ立っているときの人の背骨は、S字状になだらかにカーブしています。この状態をキープしたまま仰向きで寝ると、身体にかかる負担が分散され、血液循環がスムーズになります。身体に余計な力が入りにくくなるので、身体のゆがみの悪化を防ぐ効果も期待できるでしょう。

そもそも猫背とは

そもそも猫背とは、背中が丸く、胸椎が湾曲している状態を指します。

猫背が進行すると腰や背中がさらに大きく曲がってしまう「円背（えんぱい）」と呼ばれる状態につながります。円背は骨折や誤嚥のリスクを上げてしまうため、悪化する前に猫背を改善し、正しい姿勢を意識することが大切です。

なお、猫背は筋力低下や長時間のデスクワークなどの生活習慣が原因といわれています。

猫背を治すのにおすすめの寝方

先述した通り、猫背の改善には仰向けの状態で寝るのがおすすめです。仰向け寝は身体にかかる負担が分散され、余計な力も入りにくいため、身体のゆがみにつながりにくいとされています。

特に理想的なのは、立っているときと同じように、背骨がS字状になだらかなカーブを保てている仰向け寝です。このような理想的な寝姿勢をキープするためには、自分に合う枕やマットレスを選ぶことが大切です。

猫背の人が寝るときにおすすめの猫背対策

なかには、仰向けで寝ることに慣れていない人もいるかもしれません。そのような人に向けて、寝る際のおすすめの猫背対策を紹介します。

腰の下にタオルを入れる

腰の下に畳んだタオルを入れて寝ると、猫背改善に有効な仰向け寝をキープしやすくなります。腰とマットレスの間にタオルがあると、身体を動かしにくくなるため、寝返りによって横向きやうつ伏せになることが少なくなります。仰向け寝をキープする有効な手段ですが、身体に違和感があったときはタオルを外しましょう。

膝の下にクッションを入れる

膝の下にクッションを入れて寝る方法も、身体にかかる負担を軽減できておすすめです。足を伸ばした状態で寝ると、骨盤が引っ張られ、腰に負担がかかりやすくなります。膝の下にクッションを入れると膝が軽く曲がり、腰回りの筋肉の緊張が和らぐため、腰痛が気になる人も仰向きで寝やすくなるでしょう。

ただ、この方法も身体に違和感がある場合は、すぐに中断することが大切です。

猫背の人が注意したい寝方

猫背の人が横向きやうつ伏せで寝ると、さらに身体がゆがんでしまう可能性があります。ここでは、猫背の人が注意したい寝方を紹介します。

枕を使用せずに寝る

猫背の人は、本来あるはずの首の骨（頸椎）のカーブがなくなり、真っすぐな状態になっている「ストレートネック」になりやすい傾向があります。ストレートネックになると、枕がない状態の方が快適に感じやすいため、枕を使わずに寝ている人も多いかもしれません。

しかし、枕がない状態では理想的な寝姿勢をキープできないので、猫背を改善させるには枕を使うことが大切です。枕を使わず寝ると首や肩に負担がかかり、身体のゆがみにもつながる恐れがあるので注意しましょう。

横向き寝

横向き寝は身体を丸めた状態になるので、寝ているときも猫背の状態がキープされてしまいます。また、巻き肩や首のゆがみにもつながりやすいので、姿勢が悪くなりやすい寝姿勢といわれています。猫背を改善させ、姿勢をよくするためには、横向きで寝るのを避けましょう。

うつ伏せ寝

うつ伏せで寝ると、人は呼吸をしやすくするために、顔を左右のどちらかに向けようとします。うつ伏せ寝で首がねじれた状態が続くと、連動するように背骨や骨盤もゆがみ、姿勢の悪さにつながってしまいます。猫背だけでなく、肩こりや腰痛を引き起こす可能性もあるので、うつ伏せで寝るのはおすすめできません。

猫背を治したい人の枕選びのポイント

自分に合わない枕を使うと、理想的な寝姿勢を維持できないので、猫背を悪化させる原因となる可能性があります。猫背を治したい人は、枕の高さと硬さが自分に合っているかを確認することが大切です。

高すぎず低すぎない理想的な枕は、マットレスと頭から肩にかけての隙間を埋められる高さがあるものです。枕の硬さは好みが分かれるため、店頭で確認しながら、寝心地のよいものを見つけましょう。

枕の選び方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

正しい枕の選び方とは｜素材・高さなどのチェックポイントを紹介

猫背対策にもおすすめの枕3選

日常生活でできる猫背の改善方法

猫背を改善させるためには、寝方だけでなく日々の習慣を見直すことも大切です。ここからは、日常生活でできる猫背の改善方法を紹介します。

ストレッチをする

デスクワークなどで長時間同じ姿勢でいると、筋肉が凝り固まって、猫背につながりやすいといわれています。そのため、猫背を改善させるには、定期的にストレッチをし、筋肉の緊張をほぐすことが大切です。ここでは、タオルを使ったストレッチを紹介します。

1. 半分に折ったタオルを肩幅より少し広めに両手で持つ
2. タオルを持ったまま肩と肘を伸ばして胸を反らす
3. 両手を頭の後ろにゆっくり移動する
4. 3の姿勢をキープしたまま肩甲骨を寄せるように肘を曲げる
5. 10秒ほどキープする

1～5までを3回ほど続けて行うと効果的です。

筋トレをする

お腹や背中の筋力が低下し、正しい姿勢を維持できなくなることも、猫背を悪化させる要因です。そのため、腹筋や背筋を鍛えることで、猫背を改善できる可能性があります。特に正しい姿勢をキープさせるには、インナーマッスルを鍛えることが大切です。

例えば以下のような「プランク」などの体幹トレーニングを取り入れると効果的です。

1. うつ伏せの状態になり、両肘を床につける
2. 頭・背中・腰・かかとまでのラインが一直線になるように背中を浮かせる
3. 30秒ほどキープする

また、階段を利用したり大股で歩いたりするなど、日常生活でも意識的に身体を動かすようにするだけでも、インナーマッスルは鍛えられます。

日中の姿勢に気をつける

猫背を改善させるためには、日中の姿勢に気をつけることも重要です。例えば、立っているときは天井からひもで吊るされているイメージで背中が曲がらないように意識し、座っているときは骨盤を立てあごを引き、背筋を伸ばすことを意識しましょう。

デスクワークが多い場合は、机や椅子、パソコンの画面の高さを見直すことも大切です。

猫背をそのままにしておくと身体に悪影響がある

猫背は見栄えが悪くなるだけでなく、健康に悪影響を及ぼすケースもあります。最後に猫背が身体に与える影響を紹介します。

肩こりや腰痛になる

猫背により背中が丸くなると、身体の背面が引っ張られるため、肩や腰に負担がかかりやすくなります。血流も悪くなるので、筋肉が凝り固まる原因にもつながります。このように、猫背により肩や腰に負担が蓄積され、筋肉が動かしにくくなると、肩こりや腰痛を引き起こしてしまうのです。

自律神経が乱れる

猫背は両肩が前に出て、胸が閉じてしまう姿勢なので、呼吸が浅くなりやすいといわれています。呼吸が浅くなると、副交感神経がうまく機能できなくなり、イライラや生理不順などの心身の不調につながります。

疲れやすくなる

猫背によって呼吸がしにくくなり、身体が酸欠状態となると、血液の流れが悪くなったり代謝が低下したりします。その結果、身体に栄養が行き渡らなくなるため、だるさや疲れを感じやすくなります。

内臓に負担がかかる

背中が丸くなって前かがみの姿勢になると、内臓は常に圧迫された状態になってしまいます。消化器官にも負担がかかり、便秘や逆流性食道炎などの不調につながる恐れもあります。

太りやすくなる

猫背になると骨盤がゆがみ、内臓の位置がずれやすくなります。すると消化器官の機能が低下し、太りやすくなるといわれています。その他にも、猫背は筋力や代謝の低下を引き起こすため、痩せにくい身体につながる可能性も考えられるでしょう。

代謝が落ちることで、お腹がぽっこりとしたり、お尻が垂れたりとスタイルが悪くなる原因にもつながります。

気分が落ち込みやすくなる

先述した通り、猫背によって呼吸が浅くなると自律神経が乱れ、メンタルの不調を引き起こす恐れがあります。また、人は日光を浴びることで、精神を安定させるセロトニンをスムーズに分泌できるため、日光を十分に取り込めない猫背は気分が落ち込みやすくなるといわれています。

まとめ

猫背の改善につながる理想的な寝方は、立っているときと同じように、背骨がS字状になだらかなカーブを保てている仰向け寝です。

仰向けで寝にくい人は、腰の下にタオルを敷いたり、膝の下にクッションを入れたりしてみましょう。また、自分に合う枕を選ぶことも、理想的な寝姿勢を保つうえで大切です。寝方や寝具、生活習慣を見直して、猫背による心身の不調を解消しましょう。