公開日:2023.02.02
更新日:2023.03.20
目次
坐骨神経痛がつらくて眠れず悩んでいる人は多いのではないでしょうか。なかには、睡眠不足につながって疲れが蓄積している人もいるかもしれません。同じ坐骨神経痛でも原因となる疾患により、痛みが軽減する寝方が異なる場合があります。
そこで今回は、坐骨神経痛の原因となる疾患に合わせた寝方や、悪化させないための注意点、痛みを緩和させる方法を紹介します。坐骨神経痛が原因で眠れないと悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
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坐骨神経痛とは、腰からつま先にかけて通っている「坐骨神経」が刺激されることで痛みやしびれが出る状態のことです。痛みを感じる原因や場所には個人差がありますが、主な症状は以下の通りです。
症状はお尻や太もも、ふくらはぎなど一部分だけに出る場合と、下半身全体に出る場合があります。また痛みの感じ方も個人差がありますが、しびれるような鋭い痛みが出るのが一般的です。
坐骨神経痛がある場合は患部に負担がかからない寝方を探る必要があります。ここからは、仰向けや横向きなど寝方に合わせて痛みを軽減できる姿勢を紹介します。
仰向けで寝る場合は膝を立てるのがおすすめです。膝が伸びていると、腰が床から浮いた状態となり、坐骨神経に負担がかかる可能性があります。膝下にクッションを入れたり、ふくらはぎの下に枕や座布団を置いたりすると、膝を立てたまま寝やすくなります。
横向きで寝る場合は、膝を曲げて背中を丸めて寝ると痛みが軽減されます。また、腰椎を支えるように、腰のくびれの下にタオルを置くと腰痛が出にくくなります。
痛みが身体の片側のみにある場合は、痛みを感じる側を上にして、圧迫しないようにしましょう。
抱き枕を使用する場合は、横向きで寝るのがおすすめです。抱き枕に体重を乗せて寝ると、患部への負担と痛みが軽減される効果が見込めます。先ほどと同様に、痛みがある側を上にして寝るようにしましょう。
うつ伏せで寝ると腰椎が反るため、腰や背中の筋肉が緊張状態となります。緊張状態が続くと筋肉が凝り固まり、坐骨神経の通り道を塞いで痛みを誘発する可能性があります。
坐骨神経痛の症状が悪化する恐れがあるので、うつ伏せで寝るのは避けましょう。
坐骨神経痛につながる疾患にはいくつか種類があります。次に疾患に合わせた痛みの少ない寝方を紹介します。
椎間板症が原因で痛みがある場合は、仰向けで上半身を少し持ち上げ、膝を立てて寝るのがおすすめです。脊柱の神経の圧迫を緩和でき、痛みを抑えられる可能性があります。
理想的なのは、リクライニングベッドで背もたれの角度を変えることです。自宅にない場合や購入が難しい場合は、膝を立てて寝ることを意識してみましょう。
椎間板ヘルニアの場合、症状のある部位によって異なりますが、一般的に横向きで膝を曲げて寝ると痛みが緩和されます。痛みがある側を上にして、背中を丸めるような姿勢を意識しましょう。
また、両足の間にクッションやタオルを挟んで寝るのもおすすめです。神経への圧迫を緩和できる寝方なので、症状が落ち着くかもしれません。
腰部脊柱管狭窄症の場合は、横向きで膝を曲げて寝ることで、痛みの原因となる神経への圧迫を軽減できます。横向きで寝ることに慣れていない人は、両足の間にクッションやタオルを挟むと楽な姿勢を取りやすくなります。
寝返りを打ちたいときは、上半身と下半身がバラバラに動かないように、腹筋に力を入れることを意識すると痛みが出にくくなるでしょう。
変形性腰椎関節症は、腰を反らした状態のときに痛みが出やすくなるといわれています。そのため、寝るときは横向きで膝を曲げることを意識してみましょう。症状のある部分にかかる圧力を緩和できる可能性があるので、少しでも痛みを抑えて眠れます。
脊柱すべり症や分離症による痛みがある場合も、腰に負担のかからない寝方を取ることが大切です。
仰向けで寝る際は、膝やふくらはぎの下に厚めのクッションを置き、膝を立てると痛みが緩和されます。横向きで寝る場合は、少し腰を丸めると患部への負担が軽くなります。膝の間にクッションなどを挟むのもおすすめです。
坐骨神経痛を軽減するには、腰への負担が少ない以下のようなマットレスを選びましょう。
具体的には、高反発マットレスやポケットコイルマットレスを中心にチェックすると、これらの条件を満たす商品を見つけられるでしょう。
先述した寝方を試しても、坐骨神経痛がつらくて眠れない場合は、以下の応急処置を行いましょう。
それぞれ詳しく紹介します。
強い炎症がある場合は、温めると痛みが増す恐れがあります。そのため、坐骨神経痛がつらいときは保冷材や湿布、アイスノンを使って、患部を冷やしてみましょう。炎症が落ち着いて痛みが軽減される可能性があります。
コルセットやサポーターを使って腰を固定すると、可動域が制限され、筋肉を休ませられるので、腰への負担を軽くできるでしょう。ただ、コルセットやサポーターに頼りすぎると筋力が衰え、坐骨神経痛のリスクが増す悪循環に陥る可能性も考えられるので、長時間使用しないように注意しましょう。
痛み止めの薬を飲んで、炎症を抑えるのも効果的です。ただし、痛み止めを服用する際は、薬剤師に相談したうえで適切な薬を選びましょう。
我慢できないほど痛みを感じる場合は、医療機関での受診が必要です。坐骨神経痛の症状を軽減するには、医療機関を受診し、症状に合わせた治療を受けることが大切です。
重いものを持ちあげたり長時間同じ姿勢でいたりすることは、坐骨神経痛の悪化につながる可能性があります。ここでは、坐骨神経痛を悪化させないために、寝方以外の注意点を紹介します。
重いものを持ちあげることは、坐骨神経痛の悪化につながる可能性があります。
重いものを持たないようにするのが最善ですが、仕事や家事でやむを得ないケースもあるでしょう。そのときは、頭からお尻が一直線になるような姿勢を意識しましょう。腰を支点にして持ち上げると、腰への負担が大きくなるので注意が必要です。
長時間同じ姿勢を取ると筋肉が硬くなり、坐骨神経痛がひどくなることがあります。例えば、デスクワークが多い場合は座りっぱなしを避け、数時間おきに少し歩いたりストレッチをしたりして腰にかかる負担を軽減させましょう。
上半身に脂肪が付くと、腰にかかる負担が大きくなり、坐骨神経痛が悪化してしまいます。肥満に心当たりがある人は、食事量や運動量を調整し、減量を心がけましょう。
坐骨神経痛の症状を緩和させるには、背中や腰のストレッチ、腰回りの筋力トレーニングが効果的です。最後に具体的なストレッチ方法やトレーニング方法を紹介します。
坐骨神経痛の緩和には、背中と腰のストレッチが効果的です。手順は以下の通りです。
両膝を抱えた状態を維持するだけでも効果があるので、痛みがひどい場合は無理に背中を丸めることは避けましょう。
腹筋や背筋を鍛えると、腰回りを守るコルセットのような役割をしてくれます。さらに姿勢の改善にもつながるため、身体のゆがみが生じにくくなり、坐骨神経痛の症状が緩和する可能性があります。
腹筋を鍛えるトレーニングの手順は以下の通りです。
背筋を鍛える手順は以下の通りです。
ストレッチをしている際にひどい痛みがある場合は、自己判断で行わず、医師に相談したうえで試みましょう。
坐骨神経痛は、原因となる疾患により、痛みが軽減する寝方が異なります。痛みを緩和させるためには、身体にかかる負担が少ないマットレスを使ったり、ストレッチや筋力トレーニングを取り入れたりすることが大切です。
ただ、自己判断で行うと症状が悪化する恐れがあるので、まずは医療機関に相談し、適切な治療を受けましょう。
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