睡眠効率とは？睡眠効率を改善してぐっすり眠る方法を紹介

寝不足を解消したくても「忙しくて睡眠時間を確保するのが難しい…」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。なかには「ベッドに行く時間は早いのに、なかなか寝付けない」と困っている人もいるでしょう。

そのような場合は、睡眠時間だけでなく、睡眠効率に目を向けると寝不足が改善するかもしれません。そこで今回は睡眠効率を改善させる方法を紹介します。睡眠不足に悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

睡眠効率とは

睡眠効率とは「睡眠時間÷布団・ベッドに横になっていた時間×100」で導き出せる数値です。数値が85％を上回っていれば、睡眠効率がよいとされます。

例えば、睡眠時間が7時間、布団に横になっていた時間が7時間半である場合、睡眠効率は「7時間÷7時間半×100＝約93％」です。この場合、85％を上回っているので睡眠効率がよいと判断されます。

一方、睡眠時間は6時間に対し、なかなか寝付けず布団に入っていた時間が7時間半のとき、睡眠効率は「6時間÷7.5時間×100＝80％」となります。85％を下回っているので、睡眠効率がよくないと考えましょう。

睡眠効率が重要な理由

睡眠効率は睡眠の質を測るうえで重要な指標であり、質のよい睡眠を取ることが心身を健康に保つうえで大切です。

睡眠効率が高いのは、寝床についてから入眠までが早い場合であり、寝付きがよいのは睡眠の質が高い証拠とされています。したがって、睡眠効率と睡眠の質は比例関係にあるといえるでしょう。

そもそも睡眠にはどんな役割があるの？

睡眠には、心身のメンテナンスや記憶の整理・定着などさまざまな役割があります。睡眠効率の重要性を意識するために、睡眠の役割を詳しく見ていきましょう。

身体のメンテナンス

人は睡眠により、日中に受けた心身へのダメージを回復させ、疲れをリセットした状態で翌日を迎えられます。そのため、睡眠不足になると、翌日まで疲れが残ってしまいます。翌日も活動的に過ごすには、しっかり睡眠を取ることが欠かせません。

成長ホルモンの分泌促進

成長ホルモンには、骨や筋肉、皮膚などのダメージを修復させる作用があり、寝ている間に分泌されます。特に入眠時の分泌量が多いといわれているため、睡眠効率を上げることが重要です。

また、成長ホルモンは子どもの成長だけでなく、疲労回復や老化防止効果が期待できます。

記憶の整理・定着

睡眠には、その日に起きたことや学習したことを整理し、記憶を定着させる働きがあります。

人は睡眠中に、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しながら、記憶の整理をしています。なかでもレム睡眠時は、記憶を思い出せるように、新しく覚えたことを過去の記憶や経験と結びつける作業が行われているのです。

ストレスの解消

睡眠は記憶を定着させるだけでなく、嫌な記憶を消去し、ストレスを軽減させる効果があるといわれています。そのため、睡眠不足が続けば、嫌な記憶やネガティブな感情が解消されず、ストレスが蓄積されてしまうでしょう。

また、寝不足により脳が十分に休息できていないと、感情がコントロールできなくなり、精神面が不安定になってしまいます。

免疫力の向上

睡眠中に分泌される成長ホルモンは、細胞を修復したり、疲労を回復させたりする働きがあります。この成長ホルモンの働きにより、免疫力が向上するといわれています。

また、睡眠不足により自律神経が乱れることでも、免疫力が低下してしまうため注意が必要です。

肥満や生活習慣病の予防

睡眠不足が続くと、食欲を抑えるホルモンの分泌が抑制され、食欲を高めるホルモンが増加します。必要以上に食べてしまうので、肥満になりやすく、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まるといわれています。

そのため、しっかり睡眠を取ることは、食欲を正常にコントロールし、肥満や生活習慣病の予防策になるでしょう。

よい睡眠とは？

よい睡眠を取ることは、心身のバランスを保ち、健康的に過ごすうえで大切です。ここからは、よい睡眠のためには何を重視するべきかを紹介します。

平均的な睡眠時間

一般的に日本人全体の平均睡眠時間は約7時間といわれています。年齢が若いほど長く眠り、年齢を重ねるごとに睡眠時間が短くなる傾向があります。

睡眠時間には個人差がある

適切な睡眠時間は、年齢や性別、生活環境などにより異なります。9時間でも睡眠時間が足りない人や、6時間でもすっきり起きられる人もいるので、自分に適した睡眠時間を知ることが大切です。

また、季節によっても適切な睡眠時間は変わります。例えば、日照時間が短い冬は、体内時間が自然と遅くなり、睡眠時間が長くなる傾向があります。

適切な睡眠時間は体質や季節によって変わるため、「1日8時間寝るのが理想」とは言い切れません。

睡眠時間が長すぎても身体に悪影響がある

寝すぎると一日の活動量が減ったり、体内リズムが乱れたりするため、体重増加や病気のリスクが高まるといわれています。寝すぎているかの判断は9時間以上を目安にしてみましょう。寝すぎることのデメリットは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

寝すぎるとデメリットがある？寝すぎが身体に与える影響と対策方法を紹介

睡眠時間だけでなく睡眠効率・睡眠の質も重要

このように「よい睡眠」を取れているかは、睡眠時間だけでは判断できません。また、睡眠時間を確保できていても、寝付きが悪かったり、朝すっきり目覚められなかったりすれば、「よい睡眠」が取れているとはいえないでしょう。

そのため、睡眠の効果を高め、健康的に過ごすには「何時間寝たか」だけでなく、睡眠効率や睡眠の質にも目を向けることが大切です。

睡眠効率を改善する方法

質の高い睡眠を取るには、寝る前の習慣や寝具、寝室の環境を見直すことが大切です。最後に、睡眠効率を改善する方法を紹介します。

寝る時間の2～3時間前には夕食をすませる

睡眠効率を改善するには、寝る時間の2～3時間前に夕食をすませるのが理想です。

食べ物が消化されていない状態で眠ると消化器官に負担がかかり、眠りが浅くなってしまいます。食べ物の消化には約2～3時間かかるため、寝る時間から逆算して早めに夕食を食べましょう。

ぬるめのお湯でゆっくりと入浴する

人は深部体温が下がるタイミングに眠気を感じやすくなります。そのため、寝る1～2時間前までに湯船につかって温まると、体温が下がるタイミングに自然と眠気を感じられるでしょう。

しかし、寝る直前に熱いお風呂に入ると、交感神経が優位になり、目が覚めてしまいます。睡眠の質を高めるためにも、湯船の温度は38〜40度程度に調整しましょう。

入浴の効果やおすすめの入浴方法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

お風呂は寝る前に入るのがいい？効果やタイミング、おすすめの入浴法を紹介！

寝室の室温・明るさを調整する

寝室が暑かったり明るかったりすると、スムーズに寝付けず、睡眠効率が下がってしまいます。寝室の温度はエアコンなどを使って、夏は26～28℃、冬は16～19℃を目安に調整しましょう。

寝室の明かりには、明るすぎず暗すぎない暖色系の電球がリラックスできておすすめです。

身体に合った寝具を使う

睡眠効率の改善には、身体に合った寝具を使うことが大切です。ここでは、睡眠の質に大きく影響する枕とマットレスの選び方を紹介します。

枕

枕は、以下のポイントを意識して選ぶと、首や肩への負担を軽減できます。

• 枕の高さ
• 頭が沈み込まない硬さ
• 十分な横幅

枕の高さを検討する際は、布団と頭から肩にかけての隙間を埋められているかを確認しましょう。枕の横幅は、左右に寝返りを打っても頭が落ちないように、自分の頭3つ分の大きさが目安です。

マットレス

マットレスは、以下のような特徴があり、寝返りが打ちやすいものを選ぶのがおすすめです。

• 適度な厚みと硬さがある
• 体圧分散性に優れている
• 十分な広さがある

体圧分散性とは、身体にかかる圧力を分散してくれる機能のことです。マットレスのサイズは、自分の体格や一緒に寝ている人数に合わせて選びましょう。

寝る前にリラックスできる環境を整える

寝る前にリラックスできる環境を整えると、スムーズに入眠でき、睡眠効率が高まります。例えば、副交感神経を優位にしてくれるヒーリングミュージックやアロマなどを活用してみましょう。

寝る前に温かい飲み物を飲む

寝る前に白湯やホットミルクなど、カフェインを含まない温かい飲み物を飲むのも、睡眠効率の改善に効果的です。

先述した通り、人は深部体温が下がったタイミングに眠気を感じやすくなります。そのため、寝る前に温かい飲み物を飲んで身体を温めると、徐々に体温が下がって、自然な眠気を感じられるでしょう。

寝る前にスマホやPCは触らない

スマホやPCの画面から発せられているブルーライトには、睡眠ホルモンの分泌を抑制する効果があります。そのため、寝る前にスマホやPCを見ると眠気を感じられなくなり、睡眠効率が下がってしまいます。可能な限り、就寝前のスマホやPCの使用は控えましょう。

寝る前のカフェインやアルコールを控える

カフェインやアルコールには覚醒作用があるため、寝る直前に飲んだり、大量に摂取したりすると睡眠の質が下がってしまいます。利尿作用もあるので、夜中に何度も尿意を感じ、目が覚めてしまう可能性もあります。

規則正しい生活を送る

睡眠効率の改善には、毎日の就寝時間と起床時間を同じにし、規則正しい生活を送ることが大切です。生活リズムが整えば、夜はスムーズに入眠でき、朝はすっきり目覚められるようになります。

また、起床時にカーテンを開け、日光を浴びることも意識しましょう。起床時に日光を浴びておくと、寝る時間に睡眠ホルモンがスムーズに分泌され、睡眠の質が向上します。

夕食はタンパク質を摂る

タンパク質には、セロトニンを作り出すアミノ酸「トリプトファン」が含まれています。セロトニンには睡眠の質を高める働きがあるため、トリプトファンを含むタンパク質を摂取すると、睡眠効率の改善が見込めます。

トリプトファンが多く含まれている以下の食材を積極的に取り入れてみましょう。

• 乳製品
• 肉
• 魚
• 卵
• 大豆製品
• ナッツ類

運動の習慣を取り入れる

軽い運動は、適度な疲労を感じられ、ストレス発散にもつながるため、睡眠効率の改善が期待できます。ただし、激しい運動をすると寝付きが悪くなってしまうので、ウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動がおすすめです。

さらに睡眠効率を高めるには、夕方から就寝3時間前の時間帯に運動することを意識してみましょう。

睡眠効率を改善するのためのおすすめ寝具

寝返りの打ちやすい快眠枕3選

体圧分散性に優れた快眠マットレス5選

まとめ

睡眠効率とは「睡眠時間÷布団・ベッドに横になっていた時間×100」で導き出せる数値です。数値が85％を下回っている場合は、睡眠効率が悪い状態なので、寝る前の習慣や寝具、寝室の環境を見直してみましょう。

睡眠不足で悩んでいる人は、本記事で紹介した睡眠効率を改善する方法をぜひ取り入れてみてください。