悪夢を見ない方法はある？悪夢の原因や対処方法を紹介

悪夢は睡眠不足の原因となるため、頻繁に見る場合は適切に対処したいものです。ところが、悪夢は寝ている間に見るものなので、防ぐのが難しいと考えている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、悪夢の原因や見ないで済む対処法を紹介します。悪夢が原因で疲れやストレスがたまっている人は、ぜひ参考にしてみてください。

悪夢を見ない方法はあるの？

悪夢を見ない方法として効果的なのは、睡眠の質を向上させることです。なぜなら、悪夢を見てしまう原因が、ストレスなどによる睡眠の質の低下である可能性が高いからです。

自分に合った対処法を見つけるために、まずは悪夢を見る原因を考えてみましょう。

そもそも悪夢を見る原因とは

悪夢を見ないためには、原因を予測することが大切です。代表的な悪夢を見る原因を紹介するので、まずは自分に当てはまるケースがどれかを考えてみましょう。

ストレス

日常のストレスや不安など、ネガティブな思考が原因で、悪夢を見てしまうケースが多くあります。

嫌なことや悲しいことがあると、寝床についても思い悩んでしまい、ぐっすり眠れない人も多いでしょう。人は眠る直前に考えていることが夢に反映されやすく、ネガティブな思考が残ったまま眠りにつくと悪夢を見やすくなるといわれています。

ストレスをうまく解消できず、寝る直前まで悩んでいる人ほど、悪夢を見てしまう傾向があります。

疲労

疲労の蓄積により、心身のバランスを崩して悪夢を見てしまうこともあります。

心身の調子が優れていないと、眠りが浅くなり、睡眠の質が低下してしまいます。睡眠の質の低下は、悪夢につながりやすいため、疲労をためこまないことが大切です。

寝姿勢

寝姿勢も悪夢の原因になる可能性があります。

たとえば、胸に手を置いたりうつ伏せで寝たりすると、呼吸がスムーズにできなくなり、悪夢を見やすくなるといわれています。悪夢を見ないためには、可能な限り胸を圧迫する寝姿勢を避けた方がよいでしょう。

体調不良

体調不良のときに、悪夢を見るケースも考えられます。なかには高熱を出すたびに、うなされた経験がある人も多いでしょう。

また、胃の調子が悪い場合も、悪夢を見やすくなるといわれています。消化しきれないほど食べ過ぎたり、脂っこいものなど偏った食事を取り続けたりすると、頻繁に悪夢を見るようになるかもしれません。

映画などの影響

人は睡眠中に夢を見ることで、記憶を整理しています。そのため、ホラー映画や心霊番組などを見ると、その記憶を整理しようとして悪夢につながることがあります。

とくに寝る直前に見て記憶が新しい状態であるほど、悪夢を見やすくなるので、怖いコンテンツを就寝前に楽しむのは控えましょう。

ストレス障害（PTSD）

ストレス障害（PTSD）などの心の病気により、悪夢を見る人もいます。ストレス障害とは、強い恐怖感を伴う出来事を体験したあとに、その出来事がフラッシュバックや悪夢としてよみがえってくる状態です。

多くの場合は一過性ですが、時間が経っても楽にならなかったり、症状が悪化したりすることもあります。つらい症状が続く場合は、精神科など専門機関に相談することが大切です。

アルコールや薬の影響

アルコールは覚醒作用があるため、寝る前に摂取すると睡眠の質が低下し、悪夢を見てしまう可能性があります。

また、服用している薬の影響で悪夢を見るケースも考えられます。薬を飲み始めてから悪夢を見るようになったという人は、一度医師に相談してみましょう。

悪夢障害

悪夢を繰り返し見る人は「悪夢障害」の可能性が考えられます。悪夢障害とは、強い恐怖や不安を覚える夢を頻繁に見ることで、睡眠や日常生活に支障をきたす病気です。

主な症状は以下の通りです。

• 大人になっても、もしくは大人になってから悪夢をよく見る
• 悪夢が怖くて眠れない
• 昼間にひどい眠気を感じる
• 常に疲労感が付きまとう
• メンタルが不安定になる

なお、悪夢障害の診断基準は、悪夢の内容ではなく「夢のせいでどのくらい眠れなくなったか」です。悪夢には定義がなく、どんな内容に強い恐怖感や不快感を覚えるかが人によって異なるためです。

悪夢障害の場合は病院の受診が必要

悪夢障害の場合は、病院を受診してカウンセリングや薬の処方など適切に対処してもらいましょう。心療内科または精神科で対応してもらえることが多く、睡眠障害を専門としている医師への相談がおすすめです。

まずは悪夢障害かどうかのセルフチェックをしてみよう

以下の項目に当てはまると、悪夢障害の可能性が高いとされています。

• 寝ている間に突然目が覚める経験を何度もしている
• 強い不安や恐怖などを伴う夢を見る
• 目が覚めたあとも夢の内容を鮮明に思い出せる
• 悪夢で目覚めたあとはしばらく眠れない
• 明け方に悪夢を見るケースが多い

思い当たる症状があり、慢性的な寝不足によって日中の生活に支障が出ている場合は、医療機関での受診を検討しましょう。

悪夢を見ないための方法

悪夢を見ないためには、ネガティブな感情を和らげたり、睡眠の質を高めたりすることが大切です。ここからは、悪夢を見ないための方法を紹介します。

夢を変換させる練習をする

悪夢を見ないためには、夢をポジティブな内容に変換させる練習をするのがおすすめです。

これを「イメージリハーサルセラピー」と呼び、アメリカ睡眠医学会では悪夢の治療に効果的であるとされています。具体的には、起床後に見た夢の内容を思い出し、結末をポジティブに書き換えるものです。

たとえば、暗い道で何者かに追いかけられる夢を見た場合、起きたあとに「実は怖い人ではなく、ただ遊んでほしかった子犬が付いてきただけだった」と明るい結末に変えてあげるとよいでしょう。

ストレスを発散させる

ネガティブな感情は悪夢につながりやすいため、適度にストレスを発散させることが大切です。たとえば、友人と食事をしたり身体を動かしたりするなど、自分なりのストレス発散方法を見つけましょう。また、ストレスを感じる環境から距離を取ることも手段の一つです。

規則正しい生活をする

悪夢を見ない方法として、以下のように規則正しい生活を意識することも効果的です。

• 一定の時間に起床・就寝する
• 運動習慣を身につける
• バランスの取れた食事をする

規則正しい生活により睡眠の質が向上すると、悪夢に悩まされることが少なくなるでしょう。

寝る前に温かいミルクを飲む

温かい飲み物はリラックス効果があるため、寝る前に飲むとぐっすり眠りやすくなります。

さらに睡眠の質を高めるには、温かいミルクがおすすめです。ミルクには、入眠を促すホルモンの生成に必要な「トリプトファン」が多く含まれているからです。

悪夢のせいでぐっすり眠れない人は、寝る1～2時間前を目安に温かいミルクを飲むとよいでしょう。

気軽にリラックスできる方法を見つける

アロマやヒーリングミュージックを活用するなど、気軽にリラックスできる方法を見つけるのもおすすめです。

日々の仕事や家事が忙しく、ストレスを発散する機会がなければ、ストレスが原因で悪夢を見てしまうかもしれません。そういった状況にならないためにも、アロマやミュージックなどのリラックスできる環境を身近に整えておくとよいでしょう。

睡眠中に空腹になりすぎないようにする

睡眠中に血糖値が下がりすぎると、眠りが浅くなり悪夢を見やすくなる場合もあります。

とくにダイエットで無理な食事制限をし、空腹によりストレスがたまっている人は注意が必要です。

ダイエット中でも、夕食にはゆで卵や肉類、魚類などのタンパク質をしっかりとって、質のよい睡眠をとることが大切です。ただし、寝る直前に食べると眠りが浅くなるため、就寝の3時間前には食事を済ませるようにしましょう。

寝室の環境を整える

悪夢を防ぐためには、寝室の環境を整えて睡眠の質を向上させることも大切です。

具体的には、夏は26～28℃、冬は16～19℃が快適な室温とされており、湿度は40～60％を目安に調整しましょう。寝室の明るさも睡眠の質に影響するので、明るすぎず暗すぎない暖色系の電球がおすすめです。

身体に合った寝具を使う

身体に合う寝具を使えば、安眠につながり、悪夢を見なくなるかもしれません。

たとえば、身体を圧迫する寝姿勢をとると悪夢を見やすくなるので、マットレスはリラックスできるよう自分の好みや体格に合わせて選びましょう。また、寝苦しさから悪夢を見るケースもあるので、寝具内が適切な湿度に保たれるような放湿性の優れた掛け布団を選ぶのもおすすめです。

悪夢をよく見る人が注意すべきこと

悪夢をよく見る人は、寝る前のアルコールや恐怖心をあおるコンテンツが原因である可能性もあります。最後に悪夢を見ないために、注意すべきことを見ていきましょう。

寝る前にアルコールを摂取しない

悪夢をよく見る人は、寝る前にアルコールを過剰に摂取していないかを思い出してみましょう。アルコールには覚醒作用があるため、寝る前に摂取すると睡眠の質が下がり、悪夢を見やすくなります。寝る前には可能な限りアルコールの摂取を控えましょう。

恐怖心をあおるものを目にしない

ホラー映画や心霊番組などが原因で、悪夢を見てしまうことが多くあります。

好んで見る人もいるかもしれませんが、悪夢が原因で睡眠不足になると心身のバランスを崩してしまいます。悪夢に悩んでいる場合には、恐怖心をあおるコンテンツを控えるように意識しましょう。

まとめ

悪夢を防ぐためには、規則正しい生活やストレス発散を心がけ、睡眠の質を上げることが大切です。ただし、ストレス障害や悪夢障害の可能性もあるので、悪夢が続く場合は一人で抱え込まず医療機関での受診を検討しましょう。

本記事を参考に、悪夢を見る原因を予測して、自分に合う対処法を見つけてください。