公開日:2022.11.25
更新日:2023.03.16
「人よりも長く寝てしまう…」と悩んでいる人は、自分がロングスリーパーに当てはまるのかが気になるのではないでしょうか。ロングスリーパーとは、平均的な睡眠時間よりも長く寝なければいけない人を指します。なかには、過眠症などの病気ではないのかと不安を感じる人もいるでしょう。
そこで今回は、ロングスリーパーの特徴や原因、改善方法を詳しく紹介します。長く寝すぎることに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
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ロングスリーパーは、平均的な睡眠時間よりも長く寝る特徴があり、日本では人口の5~10%ほどが該当します。
まずは、ロングスリーパーの特徴や過眠症との違いを見ていきましょう。
一般的にロングスリーパーと呼ばれるのは、10時間以上睡眠をとる人です。子どもの場合は成人よりもたくさん寝る必要があるので、年齢に適した睡眠時間より2時間以上多いと当てはまる可能性があります。
なお、睡眠時間が6時間未満でも足りる人は「ショートスリーパー」、約6~9時間ほどの睡眠時間が適している人は「バリュアブルスリーパー」と呼ばれています。
ロングスリーパーは病気ではなく、体質や遺伝によるものとされています。そのため、特別治療が必要というわけではありません。
ロングスリーパーの人にとって、十分な睡眠時間が確保できれば、日常生活に支障をきたすことはないでしょう。ただし、寝る時間を確保しづらかったり、無理に睡眠時間を削ったりして、寝不足や体調不良に悩まされることが多いのが難点です。
ロングスリーパーと過眠症の大きな違いは、日常生活に支障があるほどの眠気を感じるかどうかです。
過眠症は睡眠障害の一種であり、長い睡眠時間を確保しても、日中のひどい眠気に悩まされてしまいます。ロングスリーパーは、適切な睡眠時間がとれれば、生活に支障をきたすレベルの眠気を感じることがありません。
ロングスリーパーには、ストレスや疲労、体質などさまざまな原因があると考えられています。ここからは、ロングスリーパーにつながる代表的な原因を見ていきましょう。
人はたまった疲労を寝ることで解消し、心身の健康を維持しようとします。仕事や運動でぐったりするほど疲れた日は、いつもより早く眠くなるでしょう。このように、疲労が蓄積されるほど、人は睡眠をたくさんとろうとするのです。
また、ストレスを抱えすぎている人もロングスリーパーになりやすい傾向があります。
ストレスは交感神経を優位にし、眠気を妨げてしまう原因になります。そのため、ストレスがたまると睡眠の質が低下し、その分長く睡眠をとって、心身の健康を保とうとするのです。
睡眠に関わる神経伝達物質の「セロトニン」や「ドーパミン」の分泌が少ない体質であることも、ロングスリーパーとなる原因の一つです。
セロトニンやドーパミンの分泌が少ないと眠りが浅くなり、一般的な睡眠時間では疲労が解消しきれなくなります。そのため、人より長く寝る必要があるのです。
また、セロトニンやドーパミンは精神のバランスを整える役割もあるので、分泌が少ないと睡眠の質が下がるだけでなく、精神疾患になるリスクが上がります。
遺伝も原因の一つとして考えられています。具体的には、親が長時間の睡眠を必要とする場合、子どもがロングスリーパーとなる傾向が高まるといえるのです。
ただし、今のところ確証がないため、親の生活リズムに影響を受けて、ロングスリーパーとなると考えられています。
ロングスリーパーは、十分な睡眠時間を確保するのが難しく、心身のバランスを崩しやすい傾向があります。ここでは、ロングスリーパーのデメリットを紹介します。
ロングスリーパーは、平均的な睡眠時間で足りる人と比べると、体調不良になりやすい傾向があります。
ロングスリーパーは、日中も健康的に活動するために、他の人よりも長く眠らないといけません。ただし、毎日10時間以上寝るのは難しく、十分に眠れないこともあるでしょう。
十分な睡眠時間を確保しづらいということは、疲労が蓄積し、体調不良や倦怠感につながりやすいといえるのです。
人は睡眠不足が続くと、自律神経が乱れてストレスを感じやすくなります。
先述した通り、ロングスリーパーは長い時間寝なければいけないため、他の人よりも睡眠不足になりやすいのです。十分な睡眠時間が確保しにくいロングスリーパーは、睡眠不足が続いて、ストレスを感じやすいといえるでしょう。
十分な睡眠時間を確保しようとすると、活動時間が制限されてしまうでしょう。
たとえば、6時に起きると仮定すると、10時間睡眠をとるためには、20時に眠りにつかなければいけません。仕事や学校が終わって18時に帰り着き、家事や夕食などを済ませると、自由に過ごせる時間は1時間もないでしょう。
長く寝る必要がある分、生活リズムの調整が難しく、遅刻や欠席、不登校につながる可能性もあります。
ロングスリーパーが十分な睡眠時間をとるには、早めに寝る必要があります。そのため、他の人と夕方以降の予定を合わせるのが難しい場合が多いでしょう。
夕方以降に出かけると、寝る時間が遅くなるので、「行きたい」という気持ちだけで、予定を決められないのが難点です。
「他の人よりもたくさん寝るかもしれない」と思ったら、ロングスリーパーかどうかセルフチェックをしてみましょう。以下の特徴に当てはまる場合は、ロングスリーパーの可能性があります。
ロングスリーパーかをチェックする際は、日々の睡眠時間を記録しておくことが大切です。
起床・就寝時間や、実際に眠っている時間を記録するものを睡眠日誌といいます。1週間以上記録し続け、10時間以上睡眠をとっていることが確認でき、さらに昼間に眠気を感じていなければ、ロングスリーパーの可能性が高いといえるでしょう。
「活動時間に制限がかかる」「周りから理解を得られない」という理由から、可能な限り睡眠時間を減らしたいと考える人もいるのではないでしょうか。ここからは、ロングスリーパーを少しでも改善させる方法を紹介します。
結論から言うと、ロングスリーパーには医学的な治療方法はありません。なぜなら、病気ではなく体質の一種であるからです。そのため、無理に治す必要はないことを念頭に置いておきましょう。
睡眠時間を減らすと体調不良やストレスから、日常生活に支障をきたしてしまいます。そのため、職場や学校の近くに引っ越すなど、睡眠時間を確保できるように工夫することが大切です。
睡眠時間を短縮したい場合は、いつもより少し早めに起きることを続けてみましょう。いきなり30分の早起きは身体に負担がかかるので、5~10分ほどを目安に少しずつ起床時間を早めてみるのがおすすめです。
ただし、睡眠時間が足りないと、体調不良やストレスにつながるため、無理は禁物です。長い目で見て、早く起きられるようになればよいという考えで臨みましょう。
睡眠の質を高めて、自然に睡眠時間を短縮させることも可能です。ただ、睡眠時間を減らすだけでは、体調不良やストレスの原因になってしまう場合があります。体調を崩さないためにも、睡眠の質を高めることが重要になるのです。
睡眠の質を高める際は、以下のことを意識してみましょう。
実践しやすいものから少しずつ取り入れてみるのがおすすめです。
ロングスリーパーは体質や遺伝によるものとされているので、過眠症と異なり特別な治療方法はありません。ただし、他の人よりも、十分な睡眠時間を確保するのが難しいため、寝不足による体調不良やストレスを引き起こしやすい傾向があります。
ロングスリーパーは、無理に睡眠時間を削るよりも、体質としてうまく付き合うことが大切です。寝る時間を少しでも短縮したい場合は、睡眠の質を上げることを意識してみてください。
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